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ねぇ、聞いてくれるかな

 忘れていたのだが、八千代がまだ僕のナカを堪能していないんだった。いや、口で処理したはずなのだが、全く満足していない様子だ。  今しがたイッたばかりなのに、もう元気になっている。回復力が尋常ではない。  僕はもう、ヘロヘロで動けない。4人の相手をするなんて、よく考えなくても正気じゃない。  そもそもこの4人を相手に、身体を鍛えるとか体力をつけるとか、そういう問題じゃないような気がする。 「待って、八千代····もう····ねっ?」 「フゥー······、寝ててもいいぞ。悪ぃけど、もしトンでも犯す」 「ひぇ······無理でしょ? そんな大っきいの入ってて寝れるわけないでしょ?」 「安心しろ。絶対トばしてやるよ」  不敵な笑みを浮かべる八千代。相当、限界を迎えているらしい。いや、限界など既に超えているかもしれない。 「場野、めっちゃキレてんな」 「最後までよく我慢してくれたよ。あの場野が。ゆいぴ、絶対トばされるだろうね」 「あぁ····場野は昔から、かなり短気だからな。結人と出会って変わったんだな」  朔が良い笑顔を見せてくれた。彼らは僕の置かれている状況を理解していないようだ。 「みんな呑気すぎない!? 助けでぇっっん゙あ゙ぁ゙っ!!」  八千代が僕を一突きにした。とてもイイ所に当たってしまい、潮が止まらなくなった。 「やぁっ、奥ダメッ····漏れっ、んの····止まん、ない····」  既に全身ぐしょぐしょだったが、お風呂上がりかってくらいびしょびしょになってしまった。  八千代は自制が効かないらしく、腰が勝手に振れてしまうようだ。 「悪ぃ······加減できねぇ」 「ふぅっ、あっ、ひあぁっ····いいよ、八千代のっ、んうっ、好きにして····んやぁっ」 「お前、この状況で煽んなよ、なっ」  八千代は、容赦なく奥を抉る。脳に電流が流れるような、頭がバカになってしまいそうな衝撃が、連続で激しく僕を貫く。 「さすがの場野も、朔程はいかねぇよな。まぁ、朔が桁違いにデカすぎんだよな~」 「ぅえ? 奥、入んなくても、気持ちっ、いぁっ」 「あ゙ん? ははっ····。入んねぇと思ってんのかよ。····そうかよ。もう遠慮しねぇからな」  そう言うと八千代は、僕の最奥をコンコンッと確認するようにこつくと、容赦なく力一杯ねじ込んだ。  僕は、ずっと思い違いをしていたようだ。八千代はこれまで、僕に負担をかけないよう根元まで挿れていなかったんだ。 「い゙あ゙ぁぁぁっ!! 奥っ、おぐぅ゙····」  八千代が僕の最奥をこじ開けた。ずっと我慢してくれていたのに、僕がそうさせたんだ。  意識が飛びそうなほどの強い刺激に、息の仕方を忘れてしまう。質が悪い事に、初めてこじ開けられた時より少しだけ慣れたのか、幾分深く快感を拾ってしまう。 「痛くねぇか? って聞こえてねぇな。あーっ······やっべぇ」 「ははっ。場野マジで、あのまま昇天しそうだな。つーか結人、あれ息できてるか?」  朔が僕にキスをして、呼吸を確認する。余計に息が止まりそうなのだが····。 「ん、大丈夫だ。息はしてるぞ。かろうじて、だけどな」 「場野! ゆいぴマジで壊れるって」 「あ゙? うっせぇな。わーってるよ。クソッ····加減効かねぇな!」 「ンや、八····千代······大丈夫だよぉ。もう、壊れてもいいよぉ····奥、グポグポ、気持ちい····からぁ──」 「あっ、おい! 結人!? あーぁ····トンだんか。んじゃ、わりぃけど······」 「おまっ、失神したゆいぴを好き放題してんじゃねぇよ!」 「うるせぇな。もうちょいなんだよ」 「おお、あれが睡姦ってやつか」 「····朔は、なんでそんな目ぇ輝かしてんの?」 「俺もやってみてぇ」 「出たよ。場野といい朔といい、Sっ気が過ぎるんじゃねぇ?」 「俺、Sなのか? 結人が喜ぶ事をしてたつもりなんだが」 「あー、はいはい。素なのね」 「場野は後で説教だね。あんな犯され方、ゆいぴが心配だよ」 「えっ、あれ犯されてんのか? 合意じゃないのか?」 「莉久、朔どうにかしろ。アホな事ばっか喧しい····集中できねぇ」 「お····わりぃ。黙っとく」 「いや、お前が悪いんじゃ····。とりあえず、ちょっと静かにしてろ。もうちょいで····」 「ん····んんっ····あっ····」 「ゆいぴ、気ぃ失いながら感じてる······可愛い!!」 「ひあっ、んぐぅ····やっ····イ゙ッ──」 「起きたか。イッたとこでわりぃけど、俺もイクな」 「うあぁんっ····僕のっ、ナカでぇ、奥でイッてぇ····」 「んっ、くはっ····おまっ····アー······」  八千代は、奥に大量に精液を流し込むと、僕に乗し掛からないよう隣へ倒れ込んだ。 「わりぃ、誰か掻き出してやって····くれ······」  そう言って、八千代は眠ってしまった。 「結人、煽りすぎでしょ。場野マジで昇天してんじゃん!」  啓吾がケラケラ笑っている。八千代が力尽きた事が、珍しさからか余程面白いらしい。僕は心配でたまらないのだが、男の子側はそういうものなのだろうか。これは嫌味でも何でもなく、経験のない僕には知り得ないところだ。 「ほら結人、水飲め」 「あ、ありがとう、朔」 「ゆいぴ、大丈夫? 滅茶苦茶されてたけど、どっかしんどくない?」 「あはは。大丈夫だよ。それに····す、凄く気持ち良かったから····へへっ」 「はぅぁっ! ゆいぴが日に日に淫乱になってる····」  りっくんは両手で顔を覆い、天井を仰ぎ嘆いた。 「はっ····バーカ。結人はハジメテん時からド淫乱だわ」 「八千代! 大丈夫?」 「わりぃ。一瞬トンでたわ」 「しんどくない? どこか辛くない?」 「ああ、問題ねぇよ」  八千代は僕の頭を撫でて、髪をくしゃっとした。 「やっぱお前、もうちっと体力つけようや。心配だわ」 「そうだな。俺も、もう少し遠慮なくシてみてぇ」 「朔、あれで遠慮してたの? マジでゆいぴ殺さないでね····」 「そうならない為にも、俺らで結人を鍛えるんだろ~。頑張ろうな、結人!」  啓吾がやけにノリノリだ。強引に体力作りを勧めてくる。 「お前、何か下心あんだろ」  八千代が鋭く指摘する。啓吾は明らかに動揺して返す。 「ぅえっ!? べ、別にぃ? 俺ぁ純粋に──」 「大畠も、奥貫通したいんだってよ」  朔がしれっと言ってしまった。啓吾は顔面蒼白になって、八千代の顔色を窺う。 「俺もヤっちまった手前あんま言えねぇけどな、あんま結人に負担····あ、その為の体力作りか」  八千代はまだ、ぼーっとしているようだ。いつもの迫力が無い。えっちの後の人畜無害そうな八千代は、ただの色気満ち溢れたイケメンだ。 「僕、体力作り頑張るよ。いつも僕ばっかり悦くしてもらって、ヘロヘロになって何もしてあげられないでしょ? 僕も、もっとみんなに気持ち良くなってほしいから」 「お前、俺らに何かしてぇの?」  八千代が惚けた顔で聞いた。 「えっ、して欲しくない?」 「「「「欲しい」」」」 「····ふっ、あははっ。もう······白状するね。あのね、僕、みんなの事好き。大好きだよ」  思わず、本当に思わず、本音を吐露してしまった。みんなが僕を求めてくれて、それに応えたくなった。みんなの想いが押し押せてきて、心に隠しきれない程の幸せが溢れてしまったんだ。  りっくんと啓吾は涙ぐんでるし、朔は呆気にとられた顔をしている。八千代は、言っちまうのかよって、少し不満そうな顔だ。 「僕の我儘でこんな事になっててさ、本当に申し訳ないと思ってるんだ」 「ゆいぴ····」  りっくんが、心配そうな目で僕を見る。 「あっ、でもね。でも、皆がそれを踏まえて僕と居てくれる事も、もうわかってるよ。それでね、また僕の我儘なんだけど····皆が許してくれるなら、もう少し····このままいさせてもらってもいいかな?」 「俺は、結人と居られるんなら何でもいい。最後に仲間入りさせてもらったわけだしな」 「俺も、もう今の関係に慣れたわ。俺だって途中参加だしな。つーか今更! 選ばれなかった時なんか耐えらんねぇって」 「俺もだよ、ゆいぴ。ゆいぴと居れるなら、ゆいぴが幸せなら、結構何でも許せちゃうみたい」 「みんな····」 「俺は今でも、俺だけを選んで欲しいと思ってんだけど。本音はな」 「おい、場野····ゆいぴ責めんなよ?」 「おう、最後まで聞けや。でもな、無理に選ばせて、万が一にも選ばれなかったら····俺も耐えらんねぇ。もう、お前が居ねぇのなんて、考えらんねぇんだわ」 「なぁ。もう少しって事は、やっぱ誰か選ぶつもりなんだよな?」  啓吾が真剣な顔で聞く。核心を突かれたようで、言葉に詰まってしまう。 「そ、それは····いつかは決めなくちゃダメでしょ。それも、そんなに長くは····みんなを弄んでるみたいで、ホントは心苦しくて、でも、みんな好きで、どうしても1人だけって決められなくて······」  自分のあまりの不誠実さと甘えように、腹が立って涙を堪えられなくなった。 「僕がいい加減なのが悪いのに、こんな、泣いちゃってごめんなさい····。ホントに、なんでみんな僕なんかと居てくれるの? もう、わかんないよぉ」  みんなは、何も言わずに最後まで聞いてくれた。そして、一様に呆れた顔をして言った。 「俺はゆいぴのね、全部が好きだよ。可愛い所は勿論、真面目な所も辛辣な所も、すぐ流されちゃう所も優柔不断な所もね。それが、俺たちが惚れたゆいぴなんだもん。仕方ないよねぇ」 「だな。俺はまず、お前の容姿の愛らしさに惚れた。けど、今は中身も全部愛おしいと思う。お前が嫌じゃなければ、俺は一生このままでもいいと思う」 「俺も俺も! 俺は、なんか成り行きっぽい感じもあったけど、もう日に日に結人の事好きになってくの。こんなん、他の女の子に感じた事なかったわけよ。新感覚! 俺もねぇ、ぶっちゃけ今のままでも不満はねぇよ。お前らとわいわいしてんのも楽しいしな」 「俺は結人さえ居れば····。結人が俺の傍から離れねぇんなら、あとは何でも良くなった。こうなったらもう、独占欲とか二の次だわ」  どこまで優しい人達なんだろう。こんな僕を愛してくれて、あまつさえ僕の我儘をのんでくれるなんて。  本当にこれでいいのか疑問は残るけれど、やっぱり結局、誰か1人に決める事はできないけれど。今はまだ、皆の優しさに甘えさせてもらおうと思う。いつか、この恋に終わりが来るまで。

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