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守られて、愛されて、弄られて
朔の家にお邪魔する日。
僕はケーキを買いに、八千代と先に教室を出る。りっくんは、髪の色を指導されている啓吾と朔を待ってくれている。
そして、下足室を出てすぐの事。
「武居! 避けて!」
叫ぶ声が聞こえ、驚きそちらを見る。それと同時に、八千代が僕を抱き寄せ、とんできたボールを受け止めた。
「っぶねぇな!」
八千代は、慌てて走って来た、サッカー部の猪瀬 くんに怒鳴りつけた。
「ごめん! 場野、武居、大丈夫か!?」
猪瀬 駿哉 くんは、りっくんと同じクラスの気さくな爽やかイケメン。優しくて気が利くので、男女共に人気がある。
「ヘッタクソが! どこ蹴ってんだよ。結人に当たるとこだっただろうが」
「ごめんって····。お前らが見えて、ちょっと気が逸れたんだよ」
「集中しろや、サッカー部。デッケェ大会近ぇんだろ」
「へ、へぇ! そうなんだ。凄いね。頑張ってね!」
「おう! あんがとな!」
爽やかくんは、颯爽とグラウンドへ駆け戻っていった。
「八千代、サッカー部の大会の事なんて、よく知ってたね」
「は? 朝、担任が言ってただろ····あぁ、そうか。お前はそれどころじゃなかったもんな」
「それはっ······八千代と啓吾の所為でしょ」
遡ること、9時間程前。
八千代と登校した僕は、下足室で会った啓吾に誘われて、理科準備室へ向かった。
「今日も暑いね。うわっ····閉め切ってるから、もわっとしてるね」
「ちょっと窓開けようぜ」
「····で、面白い話ってなんだよ。ここに来るくらいだから、どうせそういう事なんだろ」
「おっ、さっすが場野! 察しが良いねぇ。昨日、帰ったら届いてたんだよな~」
「何? そういう事って何?」
「ジャジャーン」
啓吾の手に握られていたのは、紐の付いた黒色のカプセル状のものと、ダイヤルのついたリモコンみたいな物。一体、何なのだろう。
「てっててーん、ロ~タ~」
ドラ●もんだ。全然似てないけど。
「ローター······何それ?」
「結人、ローター知らねぇの? それでも健全な男子高校生か!?」
「えっ? えー····知らないよぉ。八千代は知ってる?」
「知らねぇ奴が居るとは思わんかったわ」
「それじゃぁ、純粋な結人の為に、使い方を教えてあげましょう」
鬱陶しい感じの啓吾が始まった。
「はい。それじゃ結人、下脱いで?」
「······はぁ!?」
「これねぇ、結人のナカに挿れて使うんだよ?」
「え····要らない······」
「え~? めっちゃ気持ち良い(らしい)よ~? 絶頂の極み(言い過ぎ)らしいよ~?」
そう言われると、俄然興味が出てくる。だが、ここは学校だ。
「お前、学校だから嫌なんだろ?」
「······八千代は、やっぱりエスパーか何かなの?」
「お前の考えてそうな事くらいわかるわ」
「結人····あのな、学校だからやるんだぜ? ドMのお前に、さらなる快感をと思って······。でも、やっぱこんなの嫌だよな。俺、浮かれすぎちゃって、なんか悪かったな」
「やっ、あの、啓吾は悪くないよ! 僕が怖気づいちゃって····ごめんね。ちょっとだけ、一瞬だけ挿れてみて、すぐ出すってのは?」
「いいのか? 無理はしてくれんなよ? 結人に気持ち良くなって欲しいだけなんだからな」
啓吾の狡い所だ。しょぼんな顔を見せられると、断れなくなってしまう。
「本当に、ちょっとだけね····」
意気揚々とポケットからローションを取り出すと、既にヒクついてる穴に馴染ませた。しっかり解し終えると、いそいそとローターとやらを手に取った。
八千代は我関せずといった感じでソファーに座り、片脚に肘をつきニヤけながら僕たちを眺めている。
「結人、挿れるよ」
「う、うん····ひぁっ」
なんの事はなく、パクッと飲みこんでしまった。異物感はあるけれど、特に変わった事はない。
「ん? これだけ?」
「ちょい待ってね~」
啓吾がカチッとダイヤルを回すと、挿れられた物が振動し始めた。
「にゃっ!? なに? うぁっ····そこダメぇ····」
いつもコリコリする所に当たって、微弱な振動で激しい快感が走る。
「····ちょっと奥まで挿れるぞ」
「う····なんか気持ち悪い······」
「ここだな」
「えっ、なっ!? やだぁっ····うぅっ、あっ····そこ、気持ちいぃ······」
「じゃ、教室に戻ろっか」
「えっ、このまま!? 何言ってんのぉ····やだよぉ····抜いてよぉ」
「シーッ。窓空いてっからね? 昼休みに、またここでな」
「お前、変態っつぅか鬼畜だな。俺でもそこまでしねぇわ」
「何とでも言うがいい。俺は欲に忠実なんだよ」
正直、このまま昼休みまで耐えられる気がしない。八千代も止めてくれないところを見ると、充分欲に忠実だと思う。
「無理だよぉ。歩けない····」
「このまま1限サボる?」
「······それはダメ。お願いだから抜いて!!」
危うく、僕まで欲に負けてしまうところだった。
「わかったよぉ。その代わり、昼休みは覚悟しとけよ?」
「····っ!? ダメッ。今日は朔ん家行くんだから、あんまりトロトロにさせないで!」
「ん~~~っ、可愛いなぁ」
「俺も、昼休みちょっと可愛がってやるよ。お前の練習がてらな」
そう言って八千代は、口の前でオッケーサインを出しながら、舌を出した。何かの合図だろうか。と言うか、何の練習をするのだろう。ただ、八千代のその仕草がやらしくて、暫く頭から離れなかった。
おかげで、お昼休みまで落ち着かなかったのだ。授業も何も、全く頭に入らなかった。
そして、いよいよお昼休み。当然、朔とりっくんも巻き込んで、理科準備室に連れ込まれた。
「ねぇ、八千代。朝言ってたのって何の練習?」
「口開けてみ」
言われるがまま口を開けると、僕の眼前に八千代の熱 り立ったモノがボロンと投げ出された。
「······ん?」
「咥えろよ」
「練習って、口使う練習!? 学校で!?」
「どこでも良くね? バレなきゃオッケーなんは何処でも一緒だろ? ほらお前、ちんこ見るだけで目ぇトロけてんぞ」
「だって、こんな筋の浮き立ったおっきいの····。仕方ないでしょ····。うーん······お尻に挿れたり、激しいのはダメだよ? 朝も言ったけど、あんまりトロトロにしないでね」
以前、啓吾に覗かれた事があったので、扉にカーテンをつけた。いつの間にか、新しい内鍵までつけてある。
用意周到な八千代のことだ。きっと他にも、簡単には見つからないように、あちこちに色々な物を隠しているのだろう。
「ん。わーったから、唇舐めて濡らして、ゆっくりいけるトコまで咥えてみ」
(こんなエロい顔で言われて、激しくしねぇとか無理だろ····つぅか、もう顔もケツもトロけてんじゃねぇか)
八千代が、何か含みを込めた目で見つめてくる。
「ん····」
「マジで口小せぇな。そのまま舌動かせるか?」
「ふぅ····ふっ、はっ····ほぉ ?」
「んっ····上手。頑張って吸えるか?」
「んー····」
じゅるじゅるっと、下品な音を立ててしまった。
「んぁっ····やべぇな。そのまま頭動かして····そう。あー····これマジで良いわ」
八千代が眉間に皺を寄せ、僕で感じてくれているようだ。
「ゆいぴ、手で俺の扱ける?」
「んふぅ····へひふほ 」
「ゆいぴの手、やっぱ小さいし柔らかいね。気持ちいいよ」
「ふへへぇ····んっ」
突然、八千代が僕の頭を押さえた。
「咥えながら喋んな」
「ほへんへ ····」
「だっ、から····イッちまうから」
「ゆいぴ、もう少し強く握って? あっ、上手いよ。そのまま····」
「結人、ローター挿れんぞ?」
啓吾が僕のお尻を解し終え、くぽっと挿れてしまった。朝よりも少し強めに振動させ、全身に快感が走る。
「ふあぁぁっ」
「おまっ、待てって····んっ」
「やっ、ゆいぴ····強っ······あっ」
慣れない刺激に驚き、舌と上顎で八千代のモノを挟んでしまった。突然の刺激に反応した八千代が、僕の喉の奥に突っ込んだ。そして、その勢いのまま喉に直接流し込まれた。
その衝撃でりっくんのモノを乱暴に扱いてしまい、一緒にイッてしまった。後にりっくんは、視覚的にエロ過ぎたからと言っていた。
「俺のもいいか?」
朔が、待ってましたと言わんばかりに、大きくしたモノを手に乗せてきた。
「おっき····両手でする?」
「お、おう。それ、上目遣いエロいな」
「これ、食べてもいいの?」
「んぐぅ····頼む」
朔は、僕の頭に添えているのと反対の手で目を覆って天井を仰ぎ、ぐんぐんとさらにJrを大きくした。
「うぁっ、またおっきくなったぁ····こんな凄いの口に入らないよぉ」
「無理はしなくていいから。手でいいぞ。何ならいっそ、ケツの方でもいい」
「ん····こっち、挿れる?」
脳が快楽にやられ、ふわふわしてしまっている。自分で提示した約束も、自ら違える事になるとは····。
朔にお尻を向けると、息を荒くした朔が入ってきた。
「待て朔! まだ──」
八千代が慌てて朔を止めたが、時すでに遅かったようだ。
「えっ、あっ、待って!? ローター····ぅあ゙っ」
ズブッと押し拡げて、コリコリを何度も擦ってくる。その奥に押しやられたローターを振動させたバカ啓吾の所為で、潮を噴くのが止まらなくなってしまった。
「啓吾っ、止めてぇ。ブルブルさせないでぇっ! やっ、あ~~~っ······だめ、止まんない····んんっ」
「一旦抜くぞ」
そう言って、朔が僕のナカから出ると、ローターを出そうと指を挿れてきた。
「やべぇな。結構奥までいっちまってんな。指····4本は入んねぇか」
「ふぅ····ん····もっ、朔の指、太いよぉ····ぐりぐりしないでぇ······」
「おっ、紐っぽいの掴めたぞ。結人、抜くぞ」
抜く瞬間、腰から背中へかけて、ゾワゾワっと何とも言えない感覚が走り抜けた。
「ひあぁんっ」
「よし、これで奥まで····」
そう呟くと同時に、朔は一突きに奥まで抉り込んできた。
「ん゙お゙っ····かはっ······ん゙ん゙ん゙ぉぁっ」
「ナカ、すげぇ痙攣してんぞ。ははっ。イキっぱなしだな」
「いやいや、さっくん。痙攣してんのナカだけじゃねぇよ? 結人、脚も腰も手もガクガクだよ? これじゃ練習になんないでしょ?」
「······わりぃ」
「はぁ~····これだから巨チンは······。兎に角、もうすぐ昼休み終わるから、ちょっと急げよ」
啓吾が呆れ顔で、僕の頭を撫でながら朔を諭した。八千代とりっくんも、呆れた顔で悠長にパックジュースを飲んでいた。あまりの気持ちよさに涙が滲んで、薄ぼんやりとそれを眺めていた。
何しろ、僕のナカではまだ、朔が暴れ回っているのだ。イケばイクほど、快感に比例して涙が止まらなくなる。おかげで、いつもお尻だけじゃなく、顔もぐしゃぐしゃなのだ。
「も、イク····からっ····んっ」
「やあ゙ぁぁぁっ、ん゙ん゙っ····」
「······結人、こっち来い。綺麗にしてやるからな」
「ん····ありがと、八千代」
僕は、力なく八千代の腕の中に倒れこんでしまった。
「ほら~、賢者も綺麗にして? ほい、タオル」
「大畠····俺は賢者じゃねぇぞ」
「····だねぇ。ごめんごめん。とりあえず、ちんこ周り拭きなよ。結人に負けず劣らずぐしょぐしょだよ? 場野~、結人綺麗になった?」
「おー、もう終わる。結局、練習どころじゃなくなっちまったな」
「ゆいぴが可愛いから仕方ないね。ゆっくりやってけばいいよ。ね、ゆいぴ」
「ふぇ? うん、ゆっくりねぇ····」
「あっ、結人寝る時間ねぇよ? 頑張って起きて~」
「ん····大丈夫。頑張えう····」
啓吾が声をかけてくれたので、なんとか意識を保てた。目を擦って、重い身体を必死に起こす。八千代が背中を支えてくれて、何とか立ち上がった。
5限目は古典だったな。これは、確実に寝てしまうやつだ。とりあえず、呼吸を整え教室に戻った。が、やはり授業の半分は眠ってしまった。
放課後になっても身体の火照りは鎮まらなかった。八千代たちが無遠慮に触れてくると、震えるほど感じてしまう。それを、どうにかバレないよう平静を装った。
ボールが飛んで来た時は、凄くびっくりして少しだけ気が逸れた。本当に焦ったのは、猪瀬くんが話しかけてきた時だった。普通に話せていただろうか。どこか、おかしいと思われなかっただろうか。ぐるぐると考える事をやめられない。
いいや。僕は今からケーキを買いに行って、普通に朔の家にお邪魔するんだ。周囲はもちろん、執事さんに怪しまれる訳にはいかないのだから。
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