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りっくんと朔との空気
待ちに待った週末。りっくんと朔とのデートの日。
今日はそれぞれの行きたい所に1箇所ずつ行く予定だ。まずは、僕の行きたい所。
ずっと気になっていた美術館に来た。興味がなかったら申し訳ないと思って聞いてみたら、2人も興味があったらしく快諾してくれた。
朔が凜人さんに優待券を貰ってくれたので、無料で入れた。今度、凜人さんにもお礼を言わなくちゃ。
絵画を見ていると、ゆっくりとした穏やかな時間が過ぎる。
「こんなおっきい絵描くの、大変そうだね」
「だな。この絵、すげぇ綺麗だな」
「ねぇ、あっちの絵、ゆいぴ好きそう」
「ホントだ。どれも綺麗だねぇ。こんな壮大な世界が額縁に収まってるなんて、変な感覚になるよ····。なんか、僕たちの世界の狭さを思い知らせてくれるんだよね」
「ゆいぴ、なんか疲れてる?」
「え、大丈夫だよ?」
「なぁ、おい。あれ····」
朔が指差した先には、土器のような物があった。
「これ、アレみたいじゃないか?」
「アレって?」
「バイブでしょ」
「そう、それだ。今度、こんなんで結人と遊びてぇな」
「前、場野にヤラれてたよね」
「本当か!? 俺もやりてぇな」
「アレは絶景だったなぁ」
「なぁ、結人····この後やっぱり、俺ん家行かねぇか?」
「こんな所でそんな話しないでよ。それに、朔の家は凜人さんが居るでしょ」
「追い出すから」
「やめたげて。そんな理由で追い出すのは」
「はーい。ゆいぴも朔も次行くよ。あんまりゆっくりしてると、全部行けないよ?」
「あ、待ってよ、りっくん」
呆れたりっくんが、次のコーナーへと向かう。それを追いかけようとした時、朔に腕を引かれた。
「わっ····」
「今度、本当に俺もヤるからな。俺だけ仲間はずれなんて嫌だ」
珍しく、朔が我儘を言った。普段はあまり、無理を言わない朔だからだろうか。なんだか、胸の奥がキュンとしてしまう。
「わかった····。から、早く次行こう。りっくん行っちゃったよ」
「ああ。楽しみだな」
(なんって良い笑顔してんの!? 僕にバイブ突っ込むのが、そんなに楽しみなのかなぁ····)
「もう、2人とも遅いよ」
「わりぃ。お、ここも凄いな」
「俺はこれが見たかったんだぁ」
「りっくん、昔からミイラとかエジプトの物好きだよね」
「うん。なんか、ずっと保存できるっていいよね。なくならないって凄いことだなぁって。小さい頃、初めてミイラ見た時に思ったんだ」
「それは何となくわかるな」
「りっくんも朔も、ロマンチストだねぇ」
この3人で居ると、時間の流れが急速にゆっくりになる。特に朔は、時間が止まっているような感覚に陥ることがある。
「ここで最後なんだね。次はりっくんの行きたい所だね」
「うん。けど、そろそろお腹空いたんじゃない? 先にお昼食べよっか」
「食べるー!」
子供の様にはしゃいでしまった。この3人だと、安心して素に戻れてしまう。八千代や啓吾が居ると、僕がツッコミ役になる事が多いからだろう。
「何食べる? りっくんと朔は、食べたいものある?」
「この辺にね、美味しいオムライスの店があるんだって。ゆいぴ、オムライス好きでしょ?」
「す、好き!」
「そうなのか。それなら今度、凜人のオムライス食べに来てくれ。絶品なんだ」
「そうなの!? 行くー!」
「ゆいぴは元気だねぇ。見てるとこっちまで元気になるよ」
なんだか、自分がすごく子供っぽくなっている気がする。
「ん゙ん゙っ····。よし、オムライスに行こっか」
咳払いをして、気を取り直し大人っぽく振る舞った。筈だったのに、間違えた。
「ぶはっ····オムライスに行くってなんだ····」
「オ、オムライス食べに行こうって言いたかったの! もう朔、イジワル言わないでよ」
2人は凄く大人っぽいのに、どうして僕だけこうなんだろう。啓吾と八千代が居たら、2人も張り合ったりして高校生らしく見えるのに。今は大学生か、それ以上にも見えてしまう。
普段は大人しい2人だから、ボケ担当が不在の今日、美術館に居る時も様になっていた。キラキラ輝いて見えたのは、僕の目がおかしくなった訳じゃないと思う。
また1人でぐるぐる考えているうちに、美味しいオムライスのお店に着いた。
「わー、すっごい高級レストラン感」
(お小遣いとんじゃいそうだなぁ····)
「ゆいぴの分は、俺らが半々で持つからね」
「えっ、なんで?」
「デートだからだろ。俺が出すって言ったら、莉久が狡いってキレた」
「狡いって何なの····? あれ? 朔、りっくんのこと莉久って呼ぶようになったんだ」
「ああ。こないだ結人みたいに“りっくん”って呼んだら、気持ち悪いって言われたんだ。そんで、莉久って呼べって言われた」
「そうだったんだ。そう言えば、りっくんって呼ぶの僕だけだよね」
「当然でしょ。ゆいぴ以外に呼ばれたら鳥肌が立つんだよ」
「へぇ~····じゃなくて。僕、自分の分は自分で出すよ」
「ダメ。それじゃデート感出ないから。それでなくても3人なんだから、ランチくらい奢らせてよ。ね?」
りっくんもまた、啓吾に負けず劣らずお強請りが上手だ。
「わかったよぅ。お願いします。ご馳走様ですぅ」
唇が触れてしまいそうなほど、ぐいぐいと顔を寄せてくるイケメンに負けた。
評判通りの美味しいオムライスだった。デザートに苺のパフェまで頼んでくれて、それを食べている僕をうっとりと眺めている2人のイケメン。お腹も胸もいっぱいだ。
お店を出ると、雨がパラついていた。
「結人、駅まで走れるか? 無理なら俺が抱えて行ってやるけど」
「走れるよ。僕の事、幼児か何かだと思ってない?」
「······思ってないぞ」
「何、今の間!? 絶対思ってたでしょ。駅までくらい走れるよ!」
「そうか。じゃ、行こうか。転ばないように、気をつけろよ」
威勢よく走り出したものの、数メートルで地面の出っ張ったタイルに躓いてしまう僕。僕に合わせて隣を走ってくれていた朔に、ひょいっと受け止められた。
「やっぱ抱えた方が····」
「ごめんね! もう大丈夫だからぁ」
恥ずかしさのあまり、涙目で抱っこを回避した。どうせまた、お姫様抱っこのつもりだろう。海よりも人の多い場所で、それだけは勘弁してほしい。
「ゆいぴ、雨強くなってきたから、これ被ってて」
りっくんが、自分が羽織っていたカーディガンを被せてくれた。ふわっと香るりっくんの匂いで、りっくんに抱き締められているような感覚に陥る。
店から駅までたいした距離はなく、結局朔に手を引かれ、転ぶことなく駅に着いた。
「結構降ってきたね。ゆいぴ、大丈夫?」
「うん。僕は大丈夫だけど、りっくんのカーディガン濡れちゃった···」
「気にしなくていいよ。ゆいぴが寒がった時に貸そうと思って着てきただけたから」
「りっくん····彼氏力高すぎだよぉ」
顔が火照ってしまったのは、決して走った所為ではない。りっくんのカーディガンで顔を隠すと、りっくんの甘い匂いがして、余計に熱くなってしまった。
「この後どうする? りっくんの目的地、遊園地でしょ?」
「遊園地は今度でいいよ。この雨じゃ遊べないもんね。今度、啓吾と場野も連れて、みんなで行こうか。その方が、ゆいぴも楽しいでしょ」
「そうだね。凄く賑やかになりそうだね。えーっと、それじゃ、朔の行きたい所だね」
「俺の行きたい所····」
「そう言えば、悩んでるって言ってたけど決めた?」
「ああ。こんな天気だし丁度良いと思う」
そう言って来たのは、ラブホテルでした。このメンバーでするの····? 僕、大丈夫かな。
手馴れた様子で部屋を決め、すたすた進むりっくん。
「ん? ゆいぴ、どしたの? なんか機嫌悪くない?」
「····別に」
「結人、妬いてんじゃねぇか?」
「え、なんで?」
「莉久が慣れてるからだろ」
「あ····あーっ····そういう····へぇ~。そっかそっかぁ」
りっくんがニヤニヤと、いやらしい顔で何かロクでもない事を考えていそうだ。
「ひゃぁっ。りっくん、何するの!?」
個室に入った途端、僕を抱き上げベッドに腰を下ろした。
「ごめん朔、お風呂お願いしていい?」
「おう、わかった」
「え、何? 降ろしてよぉ」
「やだよ。ねぇ、妬いたの? 俺がゆいぴ以外と、こういう所に来た事を想像して?」
「うっ····そんな事は····」
「こういう所で何をしたか····。俺が、ゆいぴ以外にどんな事をしたか、想像して妬いたの?」
「も、なんでそんな意地悪言うの!?」
勝手に涙が溢れてきた。だって、りっくんの言う通りだったから。考えたくないのに、そういう事ばかりが頭を過ぎって、頭もお腹の辺りもぐちゃぐちゃで嫌なんだ。
「おい、莉久。お前、意地が悪すぎるぞ」
浴室から戻った朔が、僕を抱き上げてりっくんを窘めた。
「ごめんって。だって、ゆいぴが妬いてくれてるんだもん。嬉しくって」
「結人、意地悪な莉久なんか放っとけ。俺が綺麗にしてやるからな」
「ん。朔にしてもらう····」
朔の首にしがみつき、りっくんに背を向けてやった。僕を妬かせた罰だ。
「ゆいぴ、ごめんねっ。ちょっと意地悪し過ぎたね。俺の事、嫌いになった?」
「······なってない。好き····」
「結人、俺は?」
「好きだよ」
朔がゾクッとしたのがわかった。
「朔、お尻に硬いの当たってる」
「耳元で、そんな事言う結人が悪い」
耳が熱くなっている朔に連れられて、丁寧に洗浄してもらった。途中でりっくんも来て、2人がかりで僕をぐずぐずに仕上げた。
「お湯溜まったけど、ゆいぴ入れる?」
「ん····入る」
朔に抱えられたまま、湯船に浸かる。かなり大きいお風呂とはいえ、3人で入ると流石に狭い。
「せっま。けど、ゆいぴが俺にぎゅってしてくれんの、すっげぇ気持ち良い」
「僕も気持ちぃ。あっ····朔、そのまま挿れたら、お湯入っちゃう····」
そう言って僕の上半身をりっくんに預けると、朔は僕のお尻を持ち上げてお湯から出し、穴を舐め始めた。
「ふあぁっ、朔、汚いよっ。だめっ」
「綺麗にしただろ? それに、結人に汚ぇトコなんてねぇぞ」
「そういう事じゃないよぉ····んっ····」
「ゆいぴ、舌出して」
「ん、ほぉ?」
「ちっさ····もうちょっと出せる?」
「んー····んぁ」
りっくんが僕の舌を吸い、口内を犯すように舐める。
「んっ····はぁっ····んん······」
朔の舌が激しくなってきた。もう挿れたいのだろう。
「朔、ダメだ。出よ。ゆいぴ逆上せそう」
「そうだな」
僕の恋人たちは、僕よりも僕の事をわかっているようだ。自分が逆上せてきている事にも気づかず、痺れた頭で考えもせずに『もう挿れて』なんて言いそうになっていた。
「ゆいぴ、水飲んで」
「ありがと。んっ····ぷはぁ」
「ゆいぴ、ふわふわしてくれるのは良いけど、体調には気をつけてね?」
「ごめ····も、挿れて欲しくて····ここ、うずうずしてて、ごめんね」
僕は、トロトロになった自分のお尻の穴を指で弄り、くぱぁっと開いて見せた。
「ゆいぴ、バカなの?」
そう言って、りっくんがバチュンッと入ってきた。
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