33 / 384

煽った僕が悪い

 りっくんが入ってくると、ズンッという衝撃が走り抜けた。目がチカチカして、一突きでイッてしまった。 「あはっ、トコロテ~ン。ゆいぴ、あんま煽っちゃダメだよ? いい加減、壊しちゃいそうなの我慢すんの辛いんだからね」 「アレ見せられて、挿れてない俺はもっと辛いけどな」 「ごめんね、朔。一瞬キレて挿れちゃった」 「ごめっ、ごめんなさ····い゙ぁ゙っ····り゙っくん待っで、ダメ、ゆっくり····ぐぽぐぽ、ゆっくりして····」 「ゆいぴがエッチな事ばっかり覚えるから、こうなってるんだよ? くぱぁってするの、誰に教えてもらったの?」 「け、啓吾に····。ひぁん、やっ、あ゙っ、んんっ」 「そっか、啓吾ね。そんな気はした····。あ~、純粋だった頃のゆいぴも大好きだったけど、えっちなゆいぴも好きだよ」 「莉久、ちょっとペース緩めてやんねぇと、ガン泣きしてるぞ」 「うん····。ごめん、ゆいぴ。ちょっと夢中になっちゃった」 「ひぅっ····ぅえっ······りっくん、怒ってんのかと思った····嫌われちゃうのかと思ったぁ······」 「えっ、ご、ごめんね? 俺がゆいぴの事嫌いになるわけないでしょ。何があっても、そんな事一生ないから。泣いてるゆいぴ見たら、止まんなくなっちゃって、ホントにごめんね」 「ううん、僕が、煽ったのが悪いのぉ····ごべん゙な゙ざい゙······」 「莉久、やり過ぎだ。結人が可哀想だろ」 「もう泣かないで。ゆっくり気持ち良くしてあげるから」 「うん。····んっ、そこ、コリコリ····ゆっくりされるの好きぃ」 「結人、1回顔拭くぞ。熱かったら言ってくれ」  朔が蒸しタオルで、ぐしょぐしょになった顔を拭いてくれた。とても気持ち良い。 「朔、ありがと。あぇ····? 朔のは、口とか手でしなくていいの?」 「おい、莉久。結人が何も学んでねぇ····」 「期待はしてないよ。気持ち良い時のゆいぴは、啓吾以上におバカだから」 「そうだな。それじゃ、結人····口でしてくれるか?」 「ん、わぁ····おっきいな。全部入るかな····んあー····」 「んっ····結人、やっぱ口小さいな」 「朔、そのままゆっくり奥まで」 「····こうか?」 「ん゙ぇっ····がはっ····ゔぅ····」 「だ、大丈夫か?」 「いいから、そのままゆっくりね。オエッてしてねばねばしたの出てきたら、もう少し奥まで挿れたげて」 「お、ああ。でもこれ、結人の喉大丈夫か?」 「ゆいぴ、無理ならタップしてね」 「ふっ····ん····ん゙ん゙っ····」 「結人、挿れるぞ」 「お゙ごっ····あ゙っ····」 「朔、早めに抜いたげてね。俺もイクから」 「ん。こんなの······ふぅっ····もたねぇ」  朔は僕の喉に押し込み、精液を注ぎ込んだ。りっくんも同時にナカで果てた。僕はもうイキっぱなしで、自分がどういう状態なのかわからなかった。  目が覚めた時、朔が後ろから僕を抱えるように腕枕をしていて、僕はりっくんを抱き締めていた。 「えへっ····幸せぇ······」  起きたらこの状態だったのだ。自然と心の声が漏れてしまった。 「結人····挿れるぞ」 「え····えっ!? 起きてたのぉ゙っ、あ゙っ····」 「寝起きに挿れるとか、朔ったら鬼畜~」 「りっくん、も、扱かなっ····いっ、でぇ····んぁっ」 「おっ、すげぇ締まる」 「りっくん、りっくん!? な、何してんの!?」 「|ふはへへふ《咥えてる》」  初めて、フェラというものを経験した。こんなに気持ちいいなんて、想像以上だ。 「ダメ、イッちゃゔっ····りっくん、離してぇ、莉久ぅっ」 「んっ······ははっ。ごちそーさま」 「ちょっ、飲んだの!?」 「結人も俺らの飲んでくれるだろ? ······莉久だけいいな。俺も今度····飲みてぇな。はぁ····、そろそろ奥挿れていいか?」 「待って待って待って! 後ろでぇっ、もぉ····いっぱいイッてるからぁ······かはっ······んぎぃっ」 「奥の入り口でボコボコすんの、やべぇな。ちんこ溶けそうだ」 「も゙っ····ダメ、あ゙っ····あ〜〜っ、やぁぁぁっ」  毎度の事ながら、潮が止まらない。僕の水分、全部これで出している気がする。 「り゙っくん·····先っぽ、グリグリ····やめ゙でぇ······」  りっくんが、イッたばかりのおちんちんの先をグリグリし続けるから、潮があちこちに飛び散る。 「い゙あ゙あ゙ぁ゙ぁぁぁっ、死ん、死んじゃうっ、イキっ····ぱなし、でっ····死゙ぬ゙ぅ」 「結人、イクぞ。····んあっ、あぁっ」  確実に、2人がかりで僕を殺す気だった。もう、何処にも力が入らない。 「······ゆいぴ~? 生きてる?」 「なん、とかぁ····」 「お風呂どうする? 入れる?」 「入えなぁい」 「だよねぇ。朔は? 先入る?」 「いいのか? それじゃ、シャワー浴びてくる」 「行ってら~。ゆいぴは水飲ませてあげるね」  と言いながら、りっくんは自分で飲んだ。と思ったら、口移しで水を飲ませてきた。 「んんーっ!? んっ、んくっ····」 「んはぁ····。飲めた?」 「な、なんで······」 「だって、起き上がれないんでしょ?」 「まぁ、はい」 「だったら仕方ないじゃない。で、おかわりは?」 「ほ、欲しいです」  その後、溺れるほど水を飲ませてもらった。苦しいのだが、なんだか癖になってしまう。 「お前ら、何やってんだ」 「ゆいぴに水飲ませてたんだよ。起き上がれないって言うから、口移しで」 「なるほどな。俺も飲ませてやる」 「いや、朔は先に自分で飲んでね。そ、その後でなら、飲ませてくる?」  朔は一気飲みして、すぐに僕にも飲ませてくれた。 「最近、ゆいぴ普通にデレてくれるね」 「デレ······デレてないもん」 「デレてると思うぞ。俺は嬉しい」  着衣を整えながら、2人がまた意地悪を言い出した。デレているつもりはないのだが、前よりも少し、素直になれているような気はする。 「僕もね、皆が優しくしてくれるのが嬉しくて、つい調子に乗って甘えてるなって思う時はあるよ。けど、デレてるつもりはないもん」 「そうなんだ。無自覚か····ゆいぴは手に負えないなぁ」  りっくんが、困ったように笑って言った。朔も、同じように笑っている。なんだろう、この擽ったいような甘い時間は。幸せ過ぎて怖くなってしまう。  ホテルを出ると、ひとしきり降った雨はやんでいた。  雨上がりの澄んだ空を、夕焼けが朱に染めていた。それが、2人と居られる時間が残り少ない事を思い知らせる。  帰りの電車に揺られながら、今日の幸せを振り返る。 「今日、凄く楽しかったね。て言うか、なんかずっと幸せだった。遊園地は残念だったけど、また次の楽しみができたね」 「ゆいぴは、さらっとそんな事言うんだから····」 「まったく、帰したくなくなるだろ」 「僕だって帰りたくないけど····。早く、一緒に住めたらいいね····なんちゃって。えへへっ」 「絶対住むからね。本当に、絶対ね」 「あぁ。決心が日に日に強まってくな」 「2人とも、目が怖いよ」  2人の本気に気圧されてしまった。けど、僕だって本当に、一緒に暮らせるようになれたらいいと思っている。いや、一緒に暮らせるように、僕も沢山頑張らなくちゃいけないんだ。まずは、父さんが帰ってくるのを待とう。話はそれからだ。  朔が言うには、再来月には家に帰ってくる算段だと言っていた。が、どうやってそうなっているのか、未だによくわかっていない。  朔と八千代が、裏でコソコソしている程度しか、僕にはわからない。りっくんと啓吾も、何か知っているようだけど、知らぬ存ぜぬを通している。僕にできることがあるのなら、些細な事でもさせてほしいのに。  これは今度、ちゃんと話をしなくちゃいけないと思う。  けれど、とりあえず今日は、この幸せに身を委ねてしまおう。りっくんと朔の作り出す穏やかな時間から、いつもの慌ただしい日常へと戻ってしまうまで。

ともだちにシェアしよう!