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僕はご機嫌ナナメです
体育祭が終わってからというもの、僕の彼氏たちは女の子にモテまくっている。とは言え、元々おモテになるのだ。だから今更なのだが、あのリレーで博した人気はダテじゃない。
りっくんと啓吾は、本当に毎日、数人から呼び出されて告白されている。だからここ数日、りっくんと啓吾とは殆ど喋っていない。
そんな中、八千代の家に集まると、モテ男2人が僕の機嫌を取りに寄ってきた。僕は八千代の膝に乗せられ、りっくんと啓吾がその前に正座して小さくなっている。
「ゆ、ゆいぴ様は、どうしたのかなぁ? 怒っておいでの様ですが····」
「女からの呼び出しにいちいち応じてるバカ2人に、いい加減愛想つかしたんだろ」
「ぅええっ!? ゆいぴ、俺の事嫌いになったの!? ごめっ、ごめんねぇっ! もう二度と女の子と喋らないから、嫌わないでぇぇ」
りっくんが、僕の腰に抱きつき懇願する。思わず吹き出しそうになるのを、ぐっと我慢する。ご機嫌をナナメにしているのだから、簡単には許さない。
「二度とって····もし喋ったら? できない約束しないでよ」
「結人、マジで機嫌悪いな。ホントごめんって。呼び出されても、もう絶対行かないからさ。機嫌直してよ~。俺らがどんだけ結人の事想ってるか、ちゃんと知ってんだろ?」
「わかってるよ。別に、怒ってるんじゃないもん。ちょーっとだけ嫌だっただけだもん。八千代と朔は、呼び出されても1回も行かなかったのに。りっくんと啓吾はいーっつもニコニコして行ってたから、ちょーっとだけ心配になっただけだもん」
ブツブツと、面倒臭い彼女みたいな小言を並べ立ててしまった。僕の悪い所だ。小言を言い始めたら止まらなくなってしまう。
そんな厄介な僕に、りっくんが真面目な顔で、真っ直ぐ目を見て言う。
「ゆいぴ。本当に、女の子から呼び出されても二度と行かないよ。ゆいぴを不安にさせない。約束する。破ったら切腹する」
「莉久····重い。切腹って侍かよ。まぁ、俺も結人以外とどうこうするつもりないから。そもそも、全部キッパリ断りに行ってただけだし」
「ゆいぴに捨てられたら俺、切腹するしかないもん。マジだよ」
「りっくんは、本気っぽいのが本当に怖いね」
「本気だもん。ゆいぴが手に入った今、もう他に何も要らないから」
「りっくん····」
「なぁ、結人。俺だってそうだぜ。軽く見られること多いけど、結人だけって決めてからは女の子と連絡も取ってないの。これマジだぜ?」
「そうなの? そっか····えへへっ。なんか嬉しいな。けど、友達じゃないの?」
「俺、友達より恋人優先するタイプみたい。結人に本気になった時点で、女の子の連絡先ぜーんぶ消したし」
「そうだったんだ。啓吾も、りっくん程じゃないけど重めだね」
「あれ、嫌だった?」
「ううん。嬉しいんだけど、申し訳ない気持ちがある。けど、やっぱり嬉しいし安心した。····って、僕が1番重いよね」
「愛されてる感じがして嬉しいぞ」
朔が恥ずかしい事を言っている。
「ははっ。もう、お互い様だねぇ····」
照れてしまって、顔が上げられない。なのに、八千代が僕のほっぺを挟んで顔を持ち上げる。
「にゃ、にゃに?」
「恥ずかしがってる顔、可愛いから見てぇなって思って。お、涙目んなった」
「はにゃひへぇ 」
「よーし、そろそろ行くか」
「やだぁ~、降ろしてぇ~」
八千代の背中をポコポコ叩いても降ろしてもらえず、身ぐるみを剥がされてしまった。
鼻歌を歌いながら、手際よく綺麗にしてくれる八千代。初めからスマートに洗浄できた事に、今更ながら疑問が浮かんだ。
「ね、八千代は····なんで洗浄とか、えっと、色々できたの? 経験あったの?」
「お前、それ今聞くんか? ······んなもんねぇよ」
「んぁっ、嘘だぁ······だって最初から、やぁっ、気持ち良かったもん」
「そりゃまぁ、な。女の経験はあったけど、男はねぇから····調べたおしたからな」
「あっ、んんっ····」
「ってお前、洗浄されながらでも普通にイクようになったな。ド淫乱が····あ、おい、今締めんな」
「はぁっ····勝手にきゅってするんだもん。全部、八千代の、所為でしょっ····」
「ははっ。そりゃどーも。もうちょいで終わるから頑張れよ」
今日も愛情たっぷりの洗浄を終え、既に沢山イッてヘロヘロになっていたので運ばれる。そぅっとベッドに寝かされると、朔がおずおずとある物を取り出した。
「なぁ、場野····これ使っていいか?」
「見つけたんか。そういうのは結人に聞けよ」
「だって、お前の部屋にある物なんだから、まずは所有者に聞くべきだろ」
「そ、そうか。解し終わってからなら好きにしろよ」
「おお。わかった」
朔が目をキラッキラ輝かせている。八千代が気圧されるくらいに。
朔は、手に持ったバイブのスイッチを入れ、うねり具合や振動の強さを確認している。以前、八千代に突っ込まれたアレだ。
「ぁえ? それやだぁ····みんなのおちんちんがいぃ······」
「お····おぉ、そうか。場野、どうしたらいい? これ突っ込んでいいのか? 俺の突っ込んだほうがいいのか?」
「ブハッ····好きにしろよ」
「まずはバイブ突っ込んでみ。朔も、バイブでヨがってるゆいぴ見てみな。理性とか全部ぶっ飛ぶから」
りっくんが、朔に余計な事を吹き込む。真に受けた朔は、迷わずバイブの挿入を決めたようだ。
うずうずしている朔に、解し終えた八千代が言う。
「ん。そろそろいいんじゃねぇか」
「やっとか。挿れるぞ、結人。痛かったり苦しかったら言ってくれ。······おぉ、吸い込んでくな。····はは。確かに絶景だな」
「いやいや、ゆいぴはこれからだよ」
「マジか。これ以上か。やべぇな。もう、ちんこ痛てぇんだけどな」
「やっ、おもちゃヤだよぉ····抜いてぇ····朔のおっきいの挿れてぇ····」
「い、挿れていいのか?」
「朔、我慢。こっからイキ始めた結人はマッジでやべぇから。ほら、ちょっと動かしてみ」
啓吾に促され、朔がバイブをゆっくり出し挿れする。その動きが焦れったくて、いつもみたいにガツガツ突いてほしくなる。
「んっ、んんっ、んぁっ····うー······」
「どうした? 気持ちくないか?」
「き、気持ちいいんだけどね、もっとね、いつもみたいにいっぱいして欲しいなって······」
「····こうか?」
朔のおもちゃをピストンさせる手が速まる。こんなの、すぐにイッちゃうじゃないか。
「あっ、激しっ····イッちゃう······やぁんっ」
「朔、あと1回イッたら放置してみろ。勝手にイキまくって噴くから」
「そうなのか。わかった」
朔は、八千代の指示に従う。そして、八千代の言った通りになってしまった。
ひとりでにうねり続けるバイブ。その刺激でイキ続け、潮が止まらない。上半身に力が入らず、朔に持ち上げられ突き上げたお尻でバイブが踊る。
「俺らも、場野ん家来たらこうだった事があってね。あん時はゆいぴに何かあったのかと思って、マジで焦った」
「場野も、人の事言えないくらい鬼畜だっつぅのな」
「そうか? まぁ、結人が気持ちイイつってんだから、ちょっとくらい良いだろ」
「で、これいつ挿れていいんだ?」
「結人が泣きながら『挿れて』って懇願したら挿れてやれ」
やっぱり、八千代は鬼畜だと思う。僕は、初めから挿れてって言ってたのに。朔が僕をぐるんと仰向けにすると、激昂した朔の顔が目に入った。その雄々しさたるや、見るだけでイッてしまいそうだ。
「ひあぁっ······しゃ、朔ぅ····も、ひゃっ····挿ぇっ····挿れてぇっ」
八千代の思惑通りに、泣きながら懇願してしまった。悔しいけれど、今はそんな事どうでもいいくらい、早く朔が欲しかった。
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