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ひめはじめ
聞くは一時の恥と思い、勇気を出して聞いてみた。
「ねぇ、さっきから言ってる“ひめはじめ”って何?」
皆の“あぁ····”って目、なんだか凄く腹が立つ。
「その年に初めてエッチする事だよ。つまり、今からするエッチの事ね」
啓吾が、押し倒した僕に馬乗りになって教えてくれた。
「そ、そうなんだ。へぇ····えー····」
僕は途端に恥ずかしくなり、啓吾の顔が見れなくなった。しかし、意地悪な啓吾は顎をクイッと持って、しっかりと目を合わせてくる。そのまま、激しいキスを交わす。
「んふぅっ····ふぇ····んっ······」
激しいのに、何だか優しいキスだ。いつもみたいに苦しくない。
「今日はねぇ、いつも以上に甘く抱いてやるからな」
「んぇ····いつも、いっぱい甘いのに? もっとなの?」
「そう、もっと。すげー大事に抱いてあげる」
そんな事を言われると、意図せずお尻がキュッと締まる。そして、お腹の底がキュンキュンして雌のスイッチが入る。
宣言通り、啓吾はいつもよりもゆっくりじっくりお尻を解してくれる。とっくに挿れても大丈夫なはずなのに、いつまでも弄っている。
僕がいつも通りふわふわしていると、りっくんが耳を責めに来た。僕の隣に寝転んで、反対側の耳を弄りながら囁き始める。
「ゆいぴ、お尻気持ち良い?」
「んぁっ、気持ちぃ····耳も····んっ、もう、えっちな声、流し込まないでぇ····」
「耳元で喋んの嫌? ホントはイッちゃうくらい好きなくせに」
「あぁっ! 好きっ、好きぃ····。背中ゾワゾワするの····イッちゃうよぉ」
「いいよ。俺の声でイッてくれるの、すげぇ嬉しい。ねぇ、俺の扱いて?」
りっくんは僕の手に、自分の硬く大きくなったおちんちんを握らせた。
「ひあぁっ! わ、わかった。んんっ、んわぁ····おっきぃし硬い····」
「んっ····ゆいぴ、反対の手で自分の弄って」
「んぇ? こう? あぁ····ふぅっ······なにこれぇ····自分でしてるのに、気持ちぃ」
「そのまま、イッていいからね。耳とお尻にも集中して」
「やっ、あんっ、やだぁ····イッちゃう」
「いいよ、イッて。結人の手気持ちぃから、俺もイクよ。そのまま、もうちょっと頑張って····んぁっ、イクッ」
りっくんが耳元で果てた。なんてえっちなんだ。と、思っていたら、これまで優しく弄っていた啓吾が、指を激しく動かした。たっぷりとつけられたローションの所為で、いやらしい水音が部屋に響く。
「んんんっ····ひあっ、啓吾待って! イッたから、待ってぇ」
「やーだ。そっちで盛り上がっちゃってさ、俺放置で寂しかったもーん」
「ごめっ、あぁぁぁぁぁっ!! やらっ、啓吾、激しぃのっ、いあぁぁぁっ、も、おちんちんでイケない! もぉ出ないからぁ!」
「まだ噴けるじゃん。イクの苦しい? やめる?」
「や、やめ····違っ、啓吾のおちんちん、欲しいのぉ」
「んも~、結人はえっちだなぁ。ほら、これ欲しかったらどうするんだった?」
啓吾は僕を見下ろしながら、おちんちんをぬちゅぬちゅと穴に滑らせて焦らす。
「ふぇ····? あっ····! ここに、ア、アナルに、啓吾の、おっきぃおちんちん····ください」
啓吾に向けて、アナルをくぱぁとしてお強請りをした。恥ずかしすぎて涙が浮かぶ。
「涙目でそれ言われんのやっべぇな。優しくできねぇかも」
「ん····いいよ? 優しくなくても。乱暴でもいいから、啓吾の好きにして?」
「はは····。んなエッロい顔で言われんの堪んねぇわ。ちょっと、煽りすぎなっ」
啓吾がばちゅんっと奥まで入ってきた。その衝撃の強さに、目がチカチカして意識が飛びそうになる。
声も出せずにイッているが、啓吾は手で僕の下腹部を圧迫しながらズンズン突き上げ続ける。
「んぇ゙っ、ゔぷっ····」
「吐きそう? 吐く? ここ、奥の入り口強めに叩かれんの好きだよなぁ。あー、めっちゃ締まる。ナカ、ビクビク跳ねてんね」
「うあ゙っ、んぐぅっ····かはっ······あ、あ゙ぁ゙っ、ちゅぉい····奥、ちゅぶれるぅ····ん゙あ゙ぁぁっ」
「大丈夫、今日も朝までコースだかんね。初っ端から吐かしたりしないよ~」
「あ、朝まで····また、皆と、いっぱい繋がぇうの?」
「ずーっと誰かと繋がってられるよ。嬉しいだろ? 結人は俺らのこと大好きだもんねー?」
「だいしゅきっ。皆、だいしゅきぃ」
僕は精一杯、啓吾に手を伸ばした。啓吾はそれに応えて、優しくギュッと抱き締めてくれる。
「んぅっ、啓吾、好きぃ」
「俺も。愛してるよ」
と、意地悪く甘い声で甘い言葉を耳に流し込む。そして、耳輪を少し噛んだ。
「いぁっ」
「ははっ。めっちゃビクってした。耳噛まれてイッたん? やーっべ、可愛すぎな」
それから啓吾がイクまで、執拗に耳責めをされた。時折強く噛まれるのが怖くて、少しも気を抜けなかった。
僕と口を聞いていない間、えっちはおろか1人でもシていなかったらしい。どうりで、数日シなかっただけでこんなに溜まるものだろうかと思うくらい、大量の精液を僕のナカに注ぎ込まれたわけだ。
「啓吾長い。俺らも早くゆいぴとシたいの。1周目なんだからさ、遊ぶの我慢しなよ」
「ごめんごめん。いや~、結人が可愛すぎんのとさ、こういうシチュでなんかテンション上がっちゃってさぁ。って、莉久は邪魔しに来たじゃん!」
「邪魔って言うなよ。まぁ、気持ちはわかるけどさ、さっきから場野がすんごい機嫌悪いんだよね。さっさと変わってあげてよ」
「おゎ。こっえー····。場野ごめんなぁ」
「いいから、さっさと退け。結人、次俺とな」
八千代が僕の脚を開いて、エッチな顔で僕を見下ろす。早く挿れたいって顔をしているのに、啓吾と同じ様に焦らしてくる。
「ん。やちぉ、早く挿ぇてぇ」
「んなら、俺にもあれ言えよ」
八千代がヤキモチを発動している。ここで逆らうと、もっと恥ずかしい事を強要されたうえで抱き潰されるのだろう。合理的な僕は、両手で穴をくぱぁっと拡げて見せ、恥じらいを押し殺してお強請りをする。
「ぼ、僕のアナゥに、八千代のおっきぃおちんちん、挿ぇてくらはい····」
啓吾に奥で出された余韻が深く、呂律が回らない。
「ふはっ、やっぱすげぇ破壊力だな。大畠、いいもん教えたな。これマジでイイわ」
青筋を沢山浮かべた八千代は、雄の顔で笑みを浮かべた。そして、親指でさらに穴を拡げると、僕を味わうように捻じ込んできた。
「ひぁんっ、先っぽ····あぁぁっ、勢いよく、押し込んじゃらめぇっ!! やぁっ····コリコリしたら····出ないのにっ、なんか出ちゃいそうらよぉ」
僕が大きな亀頭でイジめられているのに、知ったこっちゃない啓吾はドヤ顔で八千代に答える。
「結人がさ、いつまでも恥じらってくれるからこその破壊力だよな」
「だな。恥らわねぇ結人も見てみてぇけどな。エロすぎてマジで潰しちまいそうだわ」
なんて悠長に、僕のえっちなお強請りについて啓吾と喋りながら、八千代は僕のナカを掻き混ぜる。徐々に奥に進んで、早くも奥の扉をねちっこく押し上げている。
「結人はいつまで経っても慣れねぇな。酔ってる時くらいじゃないか? 積極的に求めてくんの」
「そうだねぇ。けど、それでいいんだよ。ゆいぴには一生純情であってほしい。そこだけは汚されてほしくないなぁ」
「あっはは。俺らとこんな乱れた性活してんのに? 一緒に住みだしたらもっとヤバそうだよ? 特に場野が。まぁ純情は無理だろ」
「けどさぁ、もういい加減慣れてもよさそうなのに、あんま変わんなくない? ワンチャン、このままってのもあるかもよ」
「大人になってもあのままの結人か····、いいな。色んな言葉は覚えたみたいだけど、殆ど意味わかってねぇもんな。まぁ、アイツの口からエロい言葉が出るだけで充分だけどな」
「あー、ね。わかってなさそうだとは思ってたけど····。まぁ、聞かれないから教えてねぇし。結人のスマホスキルじゃ検索もできそうにないしな」
八千代でいっぱいいっぱいだから相手をする余裕など無いが、なんだか失礼なことを言っている気がする。やはり多少なりと悔しいので、八千代にひとつ我儘を言ってみよう。
両手を伸ばすと皆、一様にギュッてしてくれる。それを利用して、八千代の耳元でコソッと言うんだ。
案の定、僕が両手を伸ばすと、八千代は優しく抱きしめてくれた。
「八千代····んぁっ····僕ね、いっぱい、えっちな事覚えたい」
「んぉ······はぁ? ····おい、お前らが余計な言ってっから、結人がアホな事言い出しただろうが」
「えー? なになに、結人。どしたの?」
「八千代、なんれ言うのぉ? 内緒れ覚えて、いつまれもお子ちゃまじゃないもんって、言いたかったのにぃ」
「は? あー······ははっ、わりぃわりぃ。そういう事か」
「何? 何覚えんの?」
「エロい事だろ。俺らを見返したかったんだよな、結人」
最近、朔の察する能力が跳ね上がっている。まさに、その通りだ。
「んぅー····。らって、皆言ってたれしょ? 僕がえっちな事に慣れてないって。僕らって、教えてもらったられきるもん」
「ゆいぴは今のペースでいいんだよ? 俺ら別に、ゆいぴにえっちな事させたいわけじゃないからね。それにさ、たまにしてくれるから余計クるんだよ」
「くる····の?」
「ほら、結人はこんな感じがいいんだよねぇ」
「え? 何? なんれ皆、僕がわかんない事ばっかり言うのぉ?」
「そうやって、テンパって泣くのが可愛いからだ、ろっ」
「ひあ゙ぁ゙ぁっ!! やぢぉ····奥゙っ····ん゙ぅ゙っ、んえ゙っ····」
「お前が泣くと、こっちも加減きかねぇんだよ。けどもっと泣かしてぇ。いつかマジで壊しちまいそうで怖ぇ。なぁ、こんな俺から離れたいか?」
八千代は僕の頬に手を添えて、不安そうな顔でわかりきった事を聞く。
「そ、んなの、無理に、ぅぷ····無理に決まってぅれしょ····壊さぇてもいいから、一緒に居たいよ」
「そうか。壊さねぇように気ぃつけるけどな。お前見てると自信無くすわ」
「その為に俺らが居るんだろ? 場野がゴリラ化した時に結人助けれんの、俺らしかいねぇじゃん?」
「だねぇ。俺はずっと、場野がゆいぴ壊さないように監視してたつもりだし? 壊すんなら俺だし?」
「莉久、そうじゃねぇだろ。結人を壊すのがダメなんだぞ」
「いや、朔は普段から壊しちゃいそうだからね?」
「僕、皆にぃっ、壊さぇないように、ちゅぉくなぅね。頑張ぅえ゙ぇ゙ぇ゙ぇぇ」
「場野ぉ····お前ねぇ、喋ってんだからやめたげな?」
「いや、喋る余裕あんだなって思って」
「だいじょ····ゔえ゙ぇぇ····ごほっ·····も、奥やらぁ····なんぃも出ないよぉ」
「空イキしてたらいいだろ。ここ好きだもんな。ほら、イケよ」
「あっ····んくぅっ····あ、はぁ······」
「場野さぁ、1回休ませたげなよ。結人、息できなくなってきてんじゃん」
「場野も長いからね。朔が待ちきれてないんだけど」
りっくんが朔を親指で指差した。見ると、朔がガチガチに勃ったモノを弄っている。その顔の雄みがエグい。今すぐにでも、犯されたくなってしまう顔だ。
「わりぃ。苦しそうな結人見てたら、なんか····すげぇ勃っちまう」
「あぁ~、マジもんのドSだねぇ。ホントさぁ、結人いつか壊されそうだな」
「僕、壊さぇてもいいって、んぅ゙っ、言ってぅのに····」
「じゃぁ、場野と一緒に俺のも挿れてやろうか?」
朔の飛び抜けた発言に、りっくんと啓吾は言葉を失った。八千代もポカンとしている。
「八千代と、一緒に····って?」
「····アホか。マジで結人のケツぶっ壊す気か」
「冗談だ。流石にしねぇよ」
「びびったぁ····。朔だったらヤっちゃいそうだもんな。あ! でもさ、俺と莉久のならいけそうじゃね?」
「啓吾、バカが過ぎるよ。二輪挿しはまぁ、興味なくはないけど····ゆいぴの負担が大きすぎるでしょ。最悪、マジでケッ壊だよ? それ以前に、ゆいぴ以外のちんことくっつくとか無理」
ケツと決壊を掛けたのだろうが、全く笑えない。つまり、2本同時に挿れるってこと? そんなの絶対無理だ。
「あぁ、そういう····ケッ壊····ブハッ····くくっ······」
りっくんのさり気ないボケに気づいた朔が吹き出した。安定の沸点の低さだ。
「俺と大畠でもキツいか····」
「なん、れ、八千代は挿れる気なの? 無理らよ。僕のお尻、死んじゃうよぉ」
「ちょっとだけ挿れてみていい?」
「マジでやめろって。ゆいぴのケツ壊す気かよ」
りっくんがマジギレしだしたので、八千代と啓吾は諦めた。僕も、流石にそれは怖い。本当に閉じなくなったら、どうしてくれるんだろう。って、お世話してくれそうなのが余計に怖い。
「んじゃ、そろそろ俺もイクぞ。朔に代わってやんねぇと、アイツまでキレそうだしな」
そう言って、八千代は腰を打ちつけるスピードを速めた。再び奥の扉をこじ開けられる。何も吐くものは残っていないはずなのに、ぐぽぐぽされる度に吐き気が込み上げる。
「んお゙っ、あ゙ぁ゙っ、んぅ゙····ゔえ゙ぇ····い゙あ゙ぁぁぁ!! お゙腹、ギュンって、お゙尻イ゙ッでぅ!! じゅっと、イ゙クの止まんに゙ゃ····ん゙あ゙ぁ゙ぁぁ」
ラストスパートを掛けた八千代の勢いは、きっと誰にも止められないだろう。どれだけキツいイキ方をしてても、絶対に容赦してくれない。それでも、僕の身体は快感を拾い続けてイッてしまう。
「場野、イク時マジでエグいよな。そんなんでよく今まで女の子壊さなかったね」
「大畠、テメェ結人の前でふざけた話すんじゃねぇぞ」
「あ、ほらぁ。ゆいぴが膨れてる。もー、年始早々バカ啓吾ぉ」
「ヤだけど····。それは僕もたまに思ってた」
「そうなんか? あー····、俺がイクまでシたことねぇからな。女が満足したらやめてたし。つーか、俺がイクまで女がもたねぇのな。まず興味もねぇ女でイケねぇ。だから、結人以外でマトモにイッたことねぇんだわ」
なかなかのジョークをかましてきた八千代に、啓吾が興味本位で問う。
「そういや場野って、バイなん?」
「あ? たぶん違ぇ。そもそも惚れたんが結人だけだからな」
「初恋かよ。俺はゆいぴ一筋だよ。過去は全部、ゆいぴを気持ち良くする為の練習だったと思ってる」
「めっちゃポジティブね。俺は女しか興味なかったなぁ。だから、今でもビックリしてる。自分で新境地ってヤツ見つけちゃった感?」
「場野と莉久は女性に対して、人として失礼だと思うぞ。いくら結人が1番だからって、そういうのは結人が気悪くするだろ」
「まぁ····気持ちは凄く嬉しいけろね。これまれの、ホントに2人を好きらった人には、申し訳ない気持ちにはなるよね」
りっくんが振り切っているのは分かっていたけど、八千代は単に興味がなかっただけなんだろう。理由は違えど2人とも、失礼だとかそんな事は露ほども思っていなさそうだ。
「これまれの······」
自分で言っておいて、ドス黒い気持ちがお腹の中をぐるぐる廻る。皆のことを言えないくらい、僕だって嫉妬深いんだ。
「八千代は興味もない女の人抱いてたの?」
「············お前、とんでもねぇ事聞くな。気になんのか?」
「りっくんと啓吾はなんとなく知ってるけど、八千代の事は全然知らないからさ。それに八千代、興味なかったら構わないって、前に言ってたでしょ? 抱いたってことは、興味とか好意があったんじゃないの?」
「ねぇよ。ねぇけど······、聞いて後悔すんなよ?」
(新年早々、なんつー話させんだよ。あれ言って、嫌われねぇんか······けど、嘘つくんも違ぇしな····)
「······しない」
((((絶対するパターンだな····))))
「中学ん時、やべぇ先輩とつるんでて、乱交みたいなんがよくあったんだよ。別にどーでもいいわって感じで、言い寄ってくる女の相手してた。断ったら、女も先輩もしつこいしウザかったからな」
「へぇー······別世界の話しすぎて、ピンとこないや······」
「お前が生きてきた世界は、多分マトモだからだろ。影から見守ってたストーカーも居たみてぇだしな」
「誰がストーカーだよ」
(たぶんりっくん自身、自覚あるんだよね····)
八千代はチラッとりっくんを見た。そして、視線を僕に戻すとあの顔を見せた。時々見せる、物寂しそうな顔だ。
「八千代は、そういう自分が嫌なの? 僕が妬くと困るから? 僕に聞かれたくなかった?」
「一気に聞くなぁ。まぁ、あえて言う事でもねぇだろ。こんな話、お前が聞いて気分いい訳ねぇよな」
「聞いたのは僕れしょ」
「お前に出会って、本気で好きんなって、これまでのいい加減さに後悔はした。お前が妬くような過去を持ってる自分に、すっげぇ腹が立った。けど····」
「けど?」
「お前を諦めんのは無理だったんだよ。だから、過去を消せる訳じゃねぇけど、お前だけを一生大事にするって誓った。自分自身にな。お前が、こんな俺が嫌だってんなら、俺にはどうしようもねぇけどな」
「僕が嫌ら、無理らって言ったら、僕の事諦めるの? 離れちゃうの? 別れるの?」
「無理だって思ってんのに我慢して一緒に居ても、お前が辛いだけだろ」
「ふーん····。僕以外の人とって考えたら、嫌な気持ちがぐるぐるするよ。ヤらよ。無理らよ。れもね、それは八千代らけじゃないれしょ?」
「待って待って。ゆいぴ? 俺と啓吾に飛び火してない?」
「してるよ。させてるの。らって、僕ヤキモチ妬きらから無理らもん。過去の人の事は、どうしても消えて無くなるわけじゃないれしょ。けどね、らからってそれが離れる理由にはならないよ。もし離れる時がくるとしたら、好きじゃなくなった時らけって思ってるからね」
「······はは。お前、メンタル強いな。そんじゃ、まだ俺と居てくれんの?」
八千代は僕の髪を指先で撫でながら、優しく縋るような目をして聞いた。
「ずっと一緒に居るもん。りっくんと啓吾も。そういうのひっくるめて、今の皆があるんれしょ? 正直すっごい妬いちゃうけろ、皆の猛アタックのおかげで? 皆の事簡単に手放せないくらい好きになっちゃったし」
「なぁ。それじゃ、経験不足な俺は物足りねぇか?」
朔まで不安そうな顔をしている。新年早々、なんて空気だろう。
「あははっ。僕がヤキモチ妬かなくて済むのは朔らけらよ? それに、朔は皆からの吸収が凄いから、物足りないなんて事ないよ」
「そうか。じゃ、そろそろ挿れていいか? 場野が真面目な話しだしたから、ずっと待ってたんだ」
まぁ、待ってたと言いながらタイミンは凄いわけで、皆一瞬固まった。けど、朔らしくて安心もした。
「わりぃな。ほら、挿れてやれよ」
八千代が、僕を後ろから抱き寄せ、朔に向けて僕の脚を開いて見せた。
「ひぁあっ」
「おまっ、これは目に毒だ。エロ過ぎんぞ」
「わはっ、ケツひくひくしてる。えンろ~い」
「朔、ジャンケンしよ? 俺もすぐ挿れたい」
朔とりっくんがジャンケンをして、朔から挿れる事が決定した。負けたりっくんは、ベッドの横で項垂れてヘコんでいる。
改めて言うが、これは後半戦でなく、まだ1周目なのだ。こんな調子で朝までなんて、先が思いやられるな····。
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