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八千代が離してくれない

 りっくんと啓吾が戻るまで滅茶苦茶に抱き潰してやると、青筋を浮き立たせた雄の顔で言われた。耳元で言われたわけでもないのに、身体がビクンと跳ねて軽くイッてしまった。反射的に、僕の身体は雌と化す。 「や、八千代····お尻きゅぅってしたぁ」 「ははっ。イイ反応だな」  八千代は嬉しそうに、僕のおへそから胸へと舌を滑らせる。すーっと身体を上がってくる快感が、一度胸へと留められる。 「んっ、やぁ····胸でイッちゃうよぉ」 「イけよ。ほら、抓るぞ」  くると思うと、勝手に腰が反って身構えてしまう。 「い゙っ、あぁぁぁっ!! 痛いっ、乳首痛いよぉっ! あぁ゙っ、イッちゃうぅ!!」 「良いイキっぷりだな。なんだよ、ケツゆるゆるじゃねぇか。もう入んじゃねぇ?」 「ひぅっ····きて、八千代。早く、八千代のおちんちん挿れてぇ。奥ずんずんしてぇ」  僕は、両手をめいっぱい伸ばして強請った。八千代は、僕をギューッと抱き締めた。そして、お尻を解しながら大きな溜め息を吐いて、何故か朔に頼み事をした。 「あー····、朔。結人がガン泣きしたら、殴ってでも止めてくれ」 「はぁ····。わかった」  朔が呆れた顔で了承した。一体、八千代は何をする気なのだろうか。 「結人、挿れんぞ。奥、すぐにぶち抜いてやるからな」 「んはぁっ····奥、ぐぽぐぽしてくれるの?」 「してやるけどな、やめてやんねぇからな」 「えへへ。奥まで八千代でいっぱいになる?」 「ばーか。溢れさしたるわ」  そう言って、八千代が僕の中に入った。いつもより硬く感じるのは、気のせいだろうか。 「ん゙あ゙ぁぁっ····お゙っきぃ····ガチガチだぁ」 「お前なぁ····一言一言煽ってんのわかってんのか? 後で説教だからな」  八千代はそう言いながら、早くもお仕置するかのように突き続け、息もできないほどイかせてくる。 「あっ、はぁっ、煽ってにゃいぃっ! ら、めぇっ!! 噴くの、止まんにゃっあ゙ぁ゙ぁ!!!」 「まだ奥入れてねぇぞ。そんなんで大丈夫か?」 「だいっ、じょばないぃ!! 待っへ、今奥らめっ! おぐぅぅっ····入れ、ちゃ····ん゙ん゙ん゙ぅっっっ!!!」  僕の甘ったれたお願いなんて聞くはずもなく、ぐぽんっと奥を貫かれた。 「おー、すっげぇ噴きっぷりだな。よーし、もっと噴かせてやるからな。ケツ向けろ」  カリを引っ掛けながら結腸から抜け出す。一度おちんちんを抜いて僕をひっくり返すと、即座に奥までねじ込んでくる。 「ふあ゙あ゙ぁ゙ぁぁっ!! 奥゙っ、や゙ぁっ、ん゙ん゙っ、んぉ゙っ····待っ、ぅぷ、んえ゙ぇ゙ぇぇ····んぶっ、ぅえ゙ぇ゙ぇぇ····」 「吐くの気持ち良いか?」 「ぎぼぢぃ····吐いで、イッぢゃう····い゙ぎっ、あ゙ぁ゙ぁ〜〜〜っっ!!!」  両方の乳首を思い切り抓られ、凄い勢いで潮を噴き上げてしまった。お尻は勝手にギュゥギュゥ締まって、八千代のおちんちんを立体的に感じる。 「奥出入りすんのに合わせて噴くのな、すげぇ可愛い。もっと滅茶苦茶に抱いてほしいか?」 「ふぁっ、もっと····もっと? 八千代のしゅきに抱いて····もう、壊れてもいいから····んあぁっ····めちゃくちゃに壊してぇ」  今の八千代に、こんな事を言ってはいけなかったのかもしれない。けれど、僕の本能が八千代を求めてしまった。 「いいぜぇ。ぶっ壊してやる」 「ひぐっ····」  興奮しきった顔で舌なめずりをして、八千代は僕の首をギュッと絞めた。顎の下辺りを、指で摘ままれただけなのに息ができない。イキ過ぎて息ができないのとは違う。 「場野、それは大丈夫なやつか?」 「ハッ、余裕。見ろよ、朔。すげぇイッてんの」 「····すげぇな。それ、潮じゃねぇよな」 「違ぇな。離したらたぶん、もっと出んぞ」 「タオル、もっと持って来とくか」 「や、待て。見てから行けよ。離すぞ」 「ハッ··カハッ、ケホッ····あ、あぁ····やらっ、止まんにゃい、ごめっ、なさ····おしっこ止まんないよぉ」 「大丈夫だ。漏らしてる結人も可愛いぞ。タオル替えてやるから、奥突かれながらイかないで待ってろよ」 「ははっ。どっちが鬼畜だよ」  朔がタオルを替えてくれるまで、是が非でもイけない。ベッドが大惨事になってしまう。なのに八千代ときたら、少しの遠慮もなく奥をぐぽぐぽし続ける。  これでイかないなんて不可能だ。けど、限界まで頑張るんだ。朔に、甘い命令を下されてしまったのだから。 「お、ほんとにイかなかったのか。すげぇな。ご褒美やらねぇとな」  そう言って、タオルを敷きなおしてから僕の口をキスで犯す。八千代はと言うと、奥の奥までねじ込み、一突きでイかされてしまった。意図的にイクのを我慢させられていたことに気づく。 「んぅ゙っ、ふっ····ぅ、ぁ、んぇ····」 「ンはぁ····結人、愛してるぞ」  朔が耳元で囁く。 「んあぁ····。朔、僕もね、愛してぅ····」  僕は、ここで意識が飛んでしまった。  お尻がとんでもなく熱くて目が覚めた。僕は八千代にもたれ掛かっていて、目の前には啓吾が居た。 「あぇ? 啓吾····おかえぃい゙っっ!? 」 「ただいま。寝てるからさ、緩んでて挿れやすかったよ」 「ん゙····はぁっ····おひり、苦ひ····動、かないれ····壊れちゃ····」  僕は啓吾の肩にしがみつき、大きく拡げられたアナルを想像してしまった。全身に力が入ってしまい、2人も動きづらそうにしている。すると啓吾が、キスで強ばった身体を弛めてくれた。 「ん、ふぁ····」 「お、緩んだ。動くよ? もうちょい踏ん張ってね〜」  啓吾は前立腺を擦りながら、交互に奥まで突き上げる。僕が締めつけてしまうから、2人も苦しそうだ。  なのに、啓吾は凄く楽しそうな顔をしている。僕の大好きな、Sっ気全開の顔だ。 「ひあぁぁっ、んぅっ、あ゙あ゙ぁ゙ぁっ!! らめぇっ、イ゙ッちゃゔっ! イ゙ッくぅぅ····あぁぁっ♡ イクイクイクッッ♡♡ やぁぁあ゙ぁぁっ」 「出すぞ。んぁっ、締めすぎんな····」 「あ〜、俺もイクよ。んゎ、ちんこ千切れそ····」  2人はいつまでも、ドクンドクンと射精している。いつにも増して長い。  僕のナカに出し切った2人は、またもや一気にズルルッと引っこ抜く。 「ひあぁぁっ!! も、もぅらめ····むりぃ······」 「あ? まだヤんぞ。もっと泣かす」 「ふぇ!? むりらよぉ····死んじゃ──わぁっ」  八千代は、四つ這いで息を切らしている僕をクルッと半回転させ、容赦なく奥までねじ込んだ。数回扉をノックして、グンッと奥を貫く。 「お゙ぁ····奥、もうやだぁ····イキ過ぎて、イけないよぉ····んぇぇ······」  吐くものも無いようだ。潮も殆ど出ない。精液なんて、とっくに空っぽだ。 「俺のがおさまんねぇんだよ」  随分と自己中な言い分だ。僕なんて、とうに限界を越えているのに。  それでも僕は、無理矢理に叩きつけられる快感を拾ってしまい、雌イキし続けている。なんなら、その自己中な言い分にさえ、被虐心を燻られてしまった。 「奥らめ····も、挿れないれぇ····。もうイけないからぁ······んぶっ····ぅええぇぇぇ····」 「これで最後にすっから」  片脚を持ち上げ、さらに奥までねじ込む。 「ふぶぇぇぇ····かはっ、ゴホッゴホッ····深っ····深いよぉ······も、やら、なんにも出ないよぉ····ひっ、うっく····」 「お前、マジで泣き顔やべぇな。お前のそんな顔見てっと腰止まんねぇんだわ」 「ふぁっ、やぁぁっ、深いのっ、奥、それ以上入んないぃっ! んぅ゙、ひぐっ、イ゙ッあ゙ぁぁぁっっ!!!」 「ははっ、すげぇイキ方。今のめちゃくちゃ気持ち良かっただろ」  八千代の言う通り、物凄く深くイッた。全身の力が抜けて緩んだからか、八千代はもっと奥まで入ってくる。僕のお尻の形が変わるくらい、腰を押し付けて奥をグリグリ抉る。 「んぁ゙っ····そごっ、ら゙っ、め゙ぇ····んに゙ゃぁあ゙ぁぁっ!!」  さっきよりもさらに深く、お腹の底が弾けたようにイッた。そこに、八千代が精液をぶち撒ける。熱くて重くて、声も出せなくなってしまった。 「結人、大丈夫か? 抜くぞ」 「へぁ····待っへ、らめ、抜いららイく····って、言ってぅにょにぃぃぃっ」  僕を弄ぶように、ズルンと一気に引っこ抜く。皆、いつもこれで最後のひとイキをさせてくれる。 「結人、俺と風呂行こうか」  僕は朔に抱えられてお風呂に入る。もう、身体のどこにも力が入らない。 「随分派手にヤられたな。大丈夫か?」 「まだ力入んないけろ、大丈夫····たぶん。気持ち良かったぁ····」 「なぁ結人、俺らに抱かれるの辛くないか?」 「え、なんれ? 全然ちゅらくないよ。皆の方が辛くないの?」 「それこそ何でだ?」 「らってね、皆まだまだできそうなのに、僕がへばっちゃうから、我慢してくれてぅのかなって」 「あぁ、そういう事か。大丈夫だぞ。俺らは、結人が気持ち良くなってくれたら満足だからな。それに、結人は充分過ぎるほど相手してくれてるぞ」 「そうなの? 僕で足りてるの?」 「あぁ、お前以外要らねぇしな」 「えへへ〜。そっかぁ····良かったぁ······」 「あ! おい、風呂で寝るなよ」  朔は、慌てて呼び出しボタンを連打した。 「朔ぅ····起きてぅよ。らいじょーぅ······」  ものの数秒でりっくんが駆けつけてくれた。 「どしたの? 大丈夫?」 「結人が寝そうだ。あげてやってくれ」 「あはは。目開いてないじゃん。おいで、ゆいぴ」 「ん····りっくん、しゅきぃ」 「あっはは。寝ぼけながら告白されちゃった。可愛いなぁ」  僕は、りっくんに優しく抱えられて部屋に戻る。ふかふかのベッドに寝かされ、隣に寝っ転がったりっくんに抱き締められる。  僕は、ギュッと抱き返して心の内を吐露する。 「んぅぅ····みんな、愛してるよぉ」 「んはぁ〜····結人ふわっふわしてんなぁ。大丈夫?」 「らいじょぶぅ」 「あー、たぶんアレの所為だな。お前らが行ってる間にヤッた時、首締めてみたんだけどよぉ····」 「えっ、マジでやったの? ····で、ゆいぴどうだった?」 「イキ狂ってた。あれはハマらせるとやべぇぞ。結人の場合、自分で引き際わかんねぇだろうからな」 「あ〜、なるほど。そりゃやべぇな。んーっ、見たかったなぁ」 「撮ってるぞ」  お風呂から戻ってきた朔が、しれっと盗撮を暴露した。 「いちゅの間に撮ってたの····?」 「あれ、結人起きてたんだ。大丈夫? しんどくない?」 「大丈夫····。まだふわふわしてるけろ」 「ケツは? 腹とか痛くねぇ?」 「ん。全然大丈夫。気持ち良いだけらったぁ」 「そっか。良かった。結人の耐性すげぇな。······んじゃ、朔さん。撮ったやつ見せて」  僕は毛布に包まって、鑑賞会の間この場から存在を消していた。せめて、音量を下げてほしい。 「こーれはヤバいな。俺もヤりたいわ」 「俺は加減がわかんねぇから怖ぇな」 「俺も。俺はゆいぴがマジでトぶまで離せないだろうからやらない。啓吾も多分危ないと思うよ」 「えぇ〜、そっかなぁ。んぁ〜ヤリてぇ〜。生で見たい〜。おしっこ漏らすの見たい〜」 「啓吾、そんなにシたいの?」  僕は、毛布から頭だけ出して聞いてみた。 「かーわい。結人、カタツムリみてぇ。俺も結人の首締めてみたい。おしっこ漏らすくらい気持ちくなってんの見たい。けどなぁ····場野がね、結人がクセになったら危ねぇってさ」 「なんか言ってたね。······シたい?」 「シたい!」 「また今度ね。おしっこはヤだけど」 「やったぁ〜!!」  子供の様なはしゃぎっぷりに、思わず胸がギュンと締め付けられた。なんて可愛いんだ。 「それで、啓吾は服決まったの?」 「決まったよ。なんか堅苦しいの。見たら莉久じゃんって言いたくなるよ。つか、希乃ちゃんに言われた」  既に希乃ちゃんと呼ぶほど親しくなったのか。啓吾のコミュ力は本当に凄い。 「見たいな」 「良いよ。着替えてくるわ。莉久、手伝って」 「しょうがないなぁ」  暫く待って、りっくんが戻ってきた。下手くそなドラムロールが始まり、バンッとドアを開けた。啓吾が、それはもう決めポーズを決めに決めて立っていた。 「わぁ····ホントにりっくんだ。チャラさどこに置いてきたの?」  僕は、スマホのカメラを慣れない手つきで向ける。モタモタしていると、頬を紅潮させた啓吾から苦情が入る。 「結人、撮れた? このポーズ、いい加減恥ずかしいんだけど」 「あれ? 保存できてないや····。この前はできたんだけどなぁ。朔、これどうやるの?」 「結人、写真も取れねぇのか····。今度スマホの使い方教えてやるから、そろそろ覚えような」 「えぇ····。でも確かに、写真が保存できないのは困るなぁ」 「ね、いいから早く撮って? この態勢しんどい」 「あ、ごめんね。········やったぁ! 保存できたよぉ」 「はぁ····。で、どう? 似合う?」 「うん。似合うしカッコイイんだけど······」 「「「違和感」」」  朔と八千代、りっくんが口を揃えて言った。僕も同感だ。決して変なわけじゃないのに、どうにも啓吾らしくない。  やはり、いつもの啓吾が良い。薄々自覚はしていたが、僕は啓吾の服装が凄く好きなのだ。 「啓吾はサルエルパンツ似合うよね。パーカーも好きだなぁ。あとね、ファーがすっごいもふもふしてた上着も好き。めちゃくちゃカッコ良くてね、なんか色っぽくてドキドキしたの。学校のジャージですらカッコよく気崩しちゃうもんね。啓吾のチャラさはね、慣れただけかもしれないけど、なんか凄く好き」 「そうなの? なんかめっちゃ照れるんだけど。褒め過ぎじゃね? マジで照れるわ。大丈夫だよ。挨拶ん時しか着ねぇから」  赤面した啓吾は、僕の頭をポンポンとして撫でた。 「あ〜。ほらぁ、結人が俺ばっか褒めるから····」  見ると、りっくんと八千代があからさまに不機嫌そうだ。この2人は本当に面倒臭い。 「八千代のチンピラみたいなのも好きだよ。最初はちょっと怖かったし、ガラ悪いな〜とか思ってたけどね。それでもカッコよく見えちゃうのは八千代だからだろうね。ジャケットも良いけど、正直言うといつもの八千代のほうが好き。えーっとね、りっくんも好きだよ」 「なんで俺だけそんなテキトーなの!? もっと感想頂戴!」 「えぇ····ホントにめんどくさいなぁ。なんだろ····スタイリッシュ? えっと····とりあえずカッコイイよ」 「ぶはっ····わ、わりぃ。なんで結人は、莉久の扱いだけそんなに雑なんだ?」  朔が涙を滲ませて笑っている。 「幼馴染だからかな。服なんて····ねぇ。ずっと成長過程見てきたから、皆ほど新鮮みとかないんだもん」 「なるほどな。それじゃ、俺は?」 「朔はねぇ、なんでも似合うよね。大概ラフな感じだけど、大人っぽくて落ち着いてて好き。2人で出掛けたらね、大人の人とデートしてるみたいだった」 「そうか。結人にそう言われんのは嬉しいな。····なぁ結人、莉久にももう少しちゃんとした感想言ってやれよ。ヘコみすぎてて鬱陶しい」 「もう····しょうがないなぁ。僕ね、りっくんはTシャツ着てるのが好きなの。夏にね、2人乗りで八千代の家まで乗っけてくれたことあったでしょ? あの時にね、汗だくでシャツが透けててえっちだなぁって思ったの。それから、りっくんが普通のTシャツ来てる時が1番ドキドキするの。····満足した?」 「····した。俺もう、一生Tシャツしか着ない」 「出掛ける時のお洒落なりっくんも大好き」 「んあぁ····お洒落もするよ!!」 「あっはは! 莉久、めちゃくちゃ単純だな。結人中心に生き過ぎだろ〜」 「俺、ゆいぴの為だけに生きてるもーん」  りっくんは本当にブレないなぁ。 「あはは····。それで挨拶だけど、いつにする?」 「それな。やっぱ春休みの間が良くねぇ? 時間も取りやすいし、休み明けからガンガン広めれんじゃん」 「そうだな。結人のご両親の都合のいい日に行こうか」 「あぁ····、僕もう緊張してきたよ····」 「アホか。俺らのが緊張しとるわ」 「えぇ? 全然そんなふうに見えないよ」  けど、そりゃそうだ。僕よりも、皆のほうが緊張していて当然だ。  この後、りっくんにご褒美のフェラをしてあげたら、あからさまにTシャツアピールをしてきたりっくんに犯された。  僕を見下ろしながらガバッとTシャツを脱ぐだけで、どうして心臓が弾けてしまいそうなほどカッコ良くてえっちなんだろう。まぁ、皆そうなんだけど、だから心臓がもちそうもなくて困るんだ。  せっかく朔に綺麗にしてもらったのに、仕方ないなぁなんて言いながら、もう一度りっくんとお風呂に入ってイチャついたのだった。  りっくんの嫉妬深さは、たぶんストーカーさん程じゃないのだろうけど、まぁ相当なものだ。そんな所も愛しいと思える僕だって、きっと相当なものなのだろう。  皆は、僕とりっくんの重症ぶりには呆れつつも、完全に慣れたようでスルーしてくれている。皆もそれぞれに重いところがあるんだ。それを愛情の深さだと思えるのだから、互いの業の深さを感じざるを得ない。  そして、僕たちは山積みの問題とそれぞれの想いを胸に、来たる日に備える。緊張しているなんて言ったけれど、いつも通りな皆のおかげで僕の緊張は少し解れた気がする。  帰宅した僕は、夕飯を食べながら母さんたちに大切な話がある事を伝え、日程を相談した。

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