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決戦の帰り

 戦場からの帰り道、薬局に寄って応急処置の薬や包帯を買う。無傷なのは僕と朔だけ。  八千代と啓吾、りっくんは先に八千代の家へ向かわせた。夕飯を買って、僕たちも八千代の家へと急ぐ。  八千代の家に着くと、啓吾は既に爆睡していて、りっくんが八千代のお世話をしていた。りっくんだって、沢山殴られたのだから安静にしていなくてはいけないのに。 「場野、傷見せろ」 「りっくんはほっぺ見せて。湿布貼るよ」 「俺も結人に手当てされてぇんだけど」 「結人にこんなグロい傷見せんのか」 「いや、さっき見てただろ。つぅかグロいとか言うなよ」 「結人には綺麗なもんしか見せたくねぇつっただろ。さっきはな、テンパってたからそんなに見てねぇらしいぞ。それに結人な、血苦手なんだってよ」 「血が苦手って言うか、僕まで痛い気になっちゃうんだよね。て言うか、綺麗なものなら毎日みんなの顔見てるんだから充分だよ」 「····お前、自分が何言ってるかわかってるか?」 「何が? それより朔、八千代も僕がやるよ。りっくんのが終わったら代わるね」  りっくんの両頬に湿布を貼りながら喋っていたから、あまり頭が回っていなかった。湿布越しにりっくんの頬にキスをして完了。  次は、八千代の傷を塞ぐようにテープを貼って包帯を巻く。改めて見ると、傷は大きくないけど深いようだ。傷口を見て、一瞬意識がフワッとした。  明日、千鶴さんに診てもらうまでの応急処置だ。トンズラしてきたのに、普通に病院へ行くわけにはいかないもの。幸い、大きな怪我ではなかったからよかった。  啓吾の頬にも湿布を貼って、僕は朔とお風呂に入る。当然、えっちはお預けだ。これ以上体力を消耗させるわけにはいかない。  そう思っていたのに。何やら興奮した朔に、あれよあれよと洗浄されて解されている。喧嘩の後で昂っている所為なのか、いつもよりも激しいキスでトロットロにされて流されてしまった。 「お前、さっき俺らの顔綺麗だって言ったの覚えてるか?」 「んぇ? そんな事言ったっけ?」  ついさっきの会話を、朔に言われて思い出す。確かにそれらしい事を言った気がする。途端に恥ずかしくなって、僕は湯船に逃げ込んだ。  すぐに朔も入ってきて、浴槽のヘリに手をつかされた。ぐぷっとおちんちんをねじ込まれる。やはり興奮が冷めないのか、初めからいささか激しい。 「んっ、朔····おっきい····はぁ··ん····お尻、熱いよぉ」 「痛くねぇか?」 「痛くない。気持ちぃ····。朔、キスしたい」 「こっち向け」  朔は深いキスをしながら、奥をぐんぐん突き上げる。息ができなくなり、お尻がキュゥっと締まる。締めすぎてしまったからなのか、朔は奥を貫く前にイッた。  部屋に戻ると啓吾が起きていた。浴室から響く、僕の嬌声で目が覚めてしまったらしい。非常に申し訳ない。 「ね、今日はダメだよ。皆、大人しくしてないと」 「大人しくしてるほうがカラダに悪そうなんだけど。ゆいぴ、今日は優しくしてあげらんないかもしれないけど、いい?」  りっくんが僕の顎を持ち上げて聞く。 「んふっ、だ、ダメだよ。りっくん、いっぱい殴られて····ほら、ほっぺ····両方湿布に······ぶふっ」  りっくんの湿布には、それぞれ赤い渦巻きが描かれていて、凄く可愛くなっている。そんな顔で迫ってくるものだから、どうしても笑うのを我慢できなかった。  八千代に押さえ込まれ、啓吾に書かれたらしい。騒がしいとは思っていたけど、こんな事になっているとは思わなかった。 「りっくん、その顔でえっちするつもりだったの?」 「貼ったばっかだから剥がすの勿体ないでしょ。けど、こんな顔じゃえっちできないよね····」 「えっちしないのはほっぺの所為だけじゃないんだってば····」 「後ろからだったら顔見えねぇし、結人はいけんじゃね? 俺らは笑うけど」 「そういう啓吾だって、おんなじ顔してんだろ!?」  そうなのだ。啓吾も、りっくんと全く同じ渦巻きを描かれている。あんな顔で向かい合ってえっちはできない。流石の僕でも、笑って集中できないだろう。  それにしても、思っていたより元気そうでよかった。こうして、多少バカな事をしていてくれると安心する。  りっくんと啓吾がぎゃぁぎゃぁ揉めている中、八千代は僕を膝に乗せた。甘いキスをしながら、僕の身体中をまさぐる。 「ん、ふぁ····八千代、傷····あんまり腕動かしちゃダメだよ」 「わかってる。あん時····、お前が俺に飛びついてきた時な。すげぇ嬉しかった」 「八千代が刺されちゃうと思って、ホントに怖かったんだからね。····無事で良かった」  八千代の胸に顔を埋め、また心臓の音を聴く。 「震えてるお前、めちゃくちゃ可愛かったな」 「し、知らないよ····。あんまり覚えてないもん」  八千代の怪我が心配だったから、無我夢中で駆け寄ったのだ。自分の事なんて本当に覚えていない。ただ、八千代が生きている事を確認して、ひたすら安堵したのだけはよく覚えている。 「ゆいぴに意地悪言うなよな。怪我人は大人しく寝てろっつぅの!」  りっくんが僕を抱き上げ、自分の膝に乗せた。自分だって怪我人なのに。 「ゆいぴはドコも怪我とかしてない? 昂平に連れて行かれた時、嫌な事されなかった?」 「····キスされた」  皆が一斉に僕を見る。言おうか迷ったが、隠すのも違うと思って言った。 「腕、縛られてて抵抗できなかったんだ。ごめんなさい。僕が昂平くんを好きになる事はないって言ったらされたの。すぐに八千代たちが来て、昂平くんは僕を連れて隠れたから、それ以上の事はされてないよ」 「なんですぐ言わねぇの?」 「場野、あんま責めんなって。お前があんな状態だったから、結人だって焦ってたんだろ?」 「ゆいぴ、それ黙ってるつもりだった?」 「ううん。ホントに言うタイミングがわかんなかっただけ。皆に隠し事はしないよ」 「そっか。ならよかった。ゆいぴ、口開けて」  僕が薄く口を開くと、りっくんは舌を差し込んでえっちなキスをした。熱い吐息を漏らしながら、僕の顔を包み持って食べちゃいそうな勢いだ。 「へへっ、消毒ね。今日はいっぱいキスしてあげる。昂平のキスなんか、俺たちが忘れさせてあげるからね」  照れたように笑って、りっくんはキスの続きに戻る。苦しくならないような、ずっとシていたくなる甘いキスだ。  気がつくと、後ろから啓吾がお尻を弄っていた。挿れる気満々じゃないか。ダメだって言ってるのに。  けれど、ダメダメと言っている僕の受け入れ態勢が整っていた所為で、啓吾は易々と侵入してきた。皆はかなり興奮しているらしく、いつもよりも激しく荒い。それでも気持ちが良いのは、僕も昂っているからなのだろうか。  啓吾が僕の腰を押さえ、強く擦りつけるように角度を調節する。前立腺を甘く擦りながら奥を叩く。そして、りっくんのおちんちんを頬張ると、啓吾がズンと奥を叩いて抜いた。 「んんんっ!! んぐ····ぅえっ····」  啓吾が奥をぐぽぐぽしているのに、りっくんまで喉奥を責めるものだから、吐くのも噴くのも止まらない。幸い、お昼から何も食べていなかったから、水以外吐くものはなかった。だが、それでもりっくんのおちんちんには申し訳ない。  しつこい2人はハイになって、僕がぐしゃぐしゃになって泣いていてもやめてくれない。僕はとっくに何も考えられなくなっていた。  そして、りっくんがおちんちんを抜くと『やだ』と言って自らの飲み込んだ。啓吾に前を扱かれイキすぎて苦しいのに、もっと酷いことしてなんてお願いもした。  すると、りっくんがおちんちんをねじ込んできた。 「ゆいぴ、大丈夫? そんなに酷くされたいの? 優しくできないって忠告してあげたのに」 「皆に、滅茶苦茶にされたいの。気絶するまで····気絶してもね、好きに犯して? いっぱい、僕のこと愛して?」  僕がふざけた事を口走ったものだから、2人のスイッチが入ってしまった。動きが激しさを増した時は少し怖かったけれど、それでも『やめて』とは言わなかった。そのまま、僕は2人に壊してほしかったのだろう。  きっと、昂平くんに何もしてあげられなかったモヤモヤが僕の中で渦巻いていて、どうしようもなく自分が許せなかった。こんな理由で酷く抱いてもらうなんて、僕は最低だ。

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