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力を合わせて制覇だ!

 お風呂から出て、ロッカールームで湯上りのミックスジュースを飲む。僕は一気飲みして、そそくさとロッカーに向かう。  そして、着替えている最中につい気になってしまい、ジュンくんのタオルを手に取り改めて見る。かっこいい····。思わず、タオルを抱き締めて顔を緩めてしまった。  ハッと気づいた時にはもう遅かった。背後に迫る圧を感じずにはいられない。  けれど、皆は何も言わずに着替え始めた。逆に不気味だ。 「えっと····、ねぇ、この後どうする? 何か食べに行く? あ、先にゲームとかする?」 「飯でいいぞ。コラボメニュー食ったらグッズが貰えるんだろ? それ目当てに来たんだから、いっぱい集めねぇとな」  朔が頭をポンポンとして、優しく笑ってそう言ってくれた。さっきの圧は気のせいだったのだろうか。皆が機嫌を損ねていないのなら良かった。  僕は、楽しみにしていたコラボメニューをどれから食べようかと心を弾ませていた。皆の本心に気づくこともなく。 ((((後で絶対犯す))))  なんだか背筋を悪寒が駆け抜けた気がしたが、大丈夫だろうか····。  食堂はコラボ目当ての女の子でごった返していた。こんな中に皆を連れて入るのは申し訳ない。諦めようかと思った時、啓吾がスッと順番待ちの列に並んでくれた。 「結人、ここ最後尾だって。俺並んどくから遊んできていいよ。結構かかりそうだし。ゲーセンにも推し居るんだろ?」 「そ、そんなのダメだよ! 僕の我儘で来てるんだし、それに····こんな女子ばっかりの所に置いていけないよ····」  学校とは違い、外に出ると声を掛けられるのは相変わらずなのだ。心配しないわけがない。 「んじゃ、皆でここ並ぶの? すげぇ目立つよ?」  それは確かに。既にめちゃくちゃ見られている。 「僕が並んでるから、皆こそ遊んできてよ」 「それはない」  りっくんが食い気味に返す。言うと思ったけど。 「皆で待てばいいんじゃないか? 見られんのくらい気になんねぇし」  こうして、僕たちは男5人、溢れ返る女子の中で長蛇の列に並ぶことになった。  回転が早く、思いのほか待ち時間は長くなかった。  いよいよ、コラボメニュー制覇の時だ。と言っても、どうしても無理そうな物もいくつかあった。仕方がないから、ジュンくん関係の物だけでも制覇しよう。 「うっわ、何だよこれ····。すげぇ数あんのな。こんなん女子だけじゃ絶対食いきれねぇだろ」 「俺らでもキツイぞ。ん? なんだこの地獄の激辛餡蜜って····。どっちなんだ」 「それカイトくんが好きなやつだよ。食べれるか不安だったんだけど、とりあえず頼んでみようと思ってるの。カイトくんとジュンくんのツーショットフォトが貰えるからね」 「なんかゆいぴ、目つき違うね。周りの女の子たちと同じ目してる····」 「オタクの目だな。俺コレにするわ。鬼辛ナポリタン。結人食えねぇだろ」 「んじゃ、俺らは激辛系処理したらいいんだな? つっても、あとは激辛····かき氷······?」  朔がメニューを見ながら固まってしまった。 「朔、無理しなくていいからね。皆も、食べたいヤツ食べてね?」  と言ったのに、皆は僕が食べられそうにない物を全て引き受けてくれた。朔なんて、辛いものは得意じゃないと言っていたのに頑張ってくれたんだ。  おかげで、本当にコラボメニューを制覇できてしまった。 「こんなに食べたの初めてかも····。最後ムキになっちゃった····」  りっくんがベンチに座り、頭をゴツンと壁に預けて言った。 「マジでもう食えねぇ····。んだよあのジュースの数。種類エグくね?」 「腹たぷたぷだな。ちょっと休もうか」 「ゲーセン行くか?」  みんな食べすぎてぐったりしているが、僕と八千代はまだまだ元気だ。 「休むつってんじゃん。バカなの? つぅかお前あのナポリタンよく食ったよな。アレ食えんなら、前に俺がタバスコかけまくったヤツ食えただろ」  啓吾の話を聞き流し、八千代は僕を連れてゲーセンに向かう。皆は少し休憩してから来ると言っていた。  僕と八千代はゲーセンに向かう。向かっているはず····なのだが。  何故か僕たちは今、2階の隅っこにある人があまり来ないトイレに居る。手を引かれ、あれよあれよと連れ込まれてしまった。 「その館内着イイな。浴衣みてぇでエロい」  なんてバカな事を言いながら、個室で僕の鎖骨に八重歯を食い込ませる。 「いぁっ····八千代、ダメだよ····」  僕は拒もうとするが、どうにも力が入らない。だって、今日はあまり触れていないから、触れ合えるのが嬉しいんだもの。  けど、ここで致すのは本当にマズい。 「僕、絶対声我慢できないよ」 「なんの自信だよ。ぁんでそう思うんだ?」 「きょ、今日まだね、皆にあんまり触ってもらってないし、それに····」 「それに?」 「お風呂で皆のおちんちん見てたら欲しくなったの····。皆隠さないんだもん····」 「ふはっ。可愛い事言ってくれんな。止める気ねぇだろ」  八千代は、服を捲りあげて中に手を忍ばせた。太腿からお尻を撫で上げ、腰をグイッと抱き寄せる。  それだけで、この先を期待して先走りを溢れさせてしまう僕は変態なんだ。 「準備は?」 「えっと、家でシてきた····」 「マジかよ。え、マジでか?」 「こ、こうなる可能性も、ゼロじゃないかなぁって····思ったりして」  本当にする気は無かったが、万が一に備えてのつもりだったのだ。 「チッ····お前だけイかせてやるつもりだったのに、ンなん無理だろ。わりぃ、口ちゃんと塞いでやっからな」  耳を舐めながらそう言って、八千代はお尻を解し始める。ある程度解してきていたから、そんなに時間はかからなかった。  壁に手をつかせると、八千代は僕の口を強く手で塞ぐ。そして、完勃ちしたおちんちんを一気にねじり込んだ。  一突きで奥まで達しお尻でイッて、前は勢いよく潮を噴き上げる。床に水溜まりができてしまった。 「ふ··ゔぅ゙っ····」 「すぐ終わらせっから····もうちょい我慢な」  二突き目からラストスパートに入っていた八千代は、一切ペースを落とすことなく僕のナカで暴れ回る。  イクのなんて一突き目から止まらない。八千代がイク頃には意識が半分飛んでいた。奥に出し切った八千代は、満足そうに僕の肩に噛みつく。 「い゙ぅっ」  おかげで意識がハッキリとした。痕はつけていないようだが、それよりも後始末をどうするかだ。  僕はくてっとしたまま、八千代に抱えられて洗面台に座らされた。『ちょっと待ってろ。落ちんなよ』と言って、八千代は個室に戻る。ものの数分で、片付けを終えた八千代が戻って僕にキスをした。 「ダメって言ったのにぃ····」 「よく言うわ。お前も挿れて欲しかったくせによぉ」  甘ったるい声で僕の耳を誑かす。ビクッと跳ねると、お尻から八千代の精液が溢れ出した。 「お風呂··入らなくちゃ····」  そう言って、僕が八千代の首に手を回した時、トイレの外扉が開いた。  若い男の人が2人、にこやかに話しながら入って来る。そして、僕たちを見て固まってしまった。 「あ゙? ぁに見てんだよ」  八千代の必殺、低音威嚇だ。お兄さん達は何も言わず、後退るように出ていった。キスをしたくて堪らなかった僕としてはありがたい。 「僕たちが悪いのに、よくそんな堂々とキレられるよね」 「お前のンなエロい顔見たアイツらの運が悪ぃんだよ」  なんて勝手な事を言って、再び僕たちは唇を重ねる。暫くキスをやめられなかった僕たちは、啓吾からの着信で現実に引き戻された。

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