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反撃だ!
いよいよ夜を迎え、そこはかとなく緊張が高まる。
だって、やっとお尻に触れてもらえるのだ。皆には内緒で、こっそり準備もした。
なにを期待してるんだって、笑われてしまわないか一抹の不安が拭えない。皆はむしろ喜ぶんだと、頭では分かっているのだけれど。
りっくんから、今日はいつもよりお尻に触らないだけの愛撫で、他は普段とさほど変わらないと説明された。そんな事は分かっている。
けれど、今日こそは“僕だけがシてもらう”というところから脱却したかった。なので、恐る恐る声を振り絞る。
「あ、あのね、僕も··皆に寸止めしてみたい··な。グデグデになっちゃう前にね、僕がシてあげたい、の····え、なに?」
ほんの少し、僕の苦しみを味わってもらおうという魂胆もある。だから、勇気を出して言ってみたのだけれど、皆はポカンとしたかと思えばニヤニヤし始めて、なんだか不気味だし不穏だ。皆の中で、どういう感情が渦巻いているのだろう。
皆は顔を見合せ、ほんの一瞬考えを巡らせた後、啓吾が第一声を放った。
「それって俺らになんもすんなって事? 咥えんのもさ、頭ガポガポしてあげないけどいいの?」
「ガポガポ····うー····」
そうか、そうなってしまうのか。イジめてもらえないんだ。て言うか、今日はもう咥えていいんだ。
「イくタイミングとか教えたほうがいい? ゆいぴ、俺らのイく瞬間分かる?」
「あっ、それなら分かるよ!」
「「分かるんだ····」」
啓吾とりっくんが驚いた様子で感激している。そりゃ毎日のように犯されていれば、いやでも分かるようになるよ。
口を犯されている時も、ナカを掻き回されている時だって、声や表情 、動き方でちゃんと分かる。僕だって、もう知らない事ばかりじゃないんだ。
「けどね、どういう風にシてほしいとか、そういうのがあったら教えてほしいな」
正座で皆に向き合い、改まってこんなお願いをするのは照れくさい。だけど、僕だってこの挑戦で一歩くらい踏み出したいんだ。
そんな恥を忍んでのお願いに、皆が乗ってくれないはずがなかった。
「分かった、なら俺からシてくれ。早く結人に触りてぇ····けど、咥えんのはまだな。喉奥使っちまいそうだから、結人がやりてぇ事終わってからにしような」
なんて言うお疲れで寂しんぼな朔。既にハァハァ気味で、そそくさと僕の前へ迫ってきた。
そして、禁断症状を振り払うかのように触れ始める。僕からすると言っているのに、しっかりと舌を絡めるキスで堕としにきた。
「ん、はぁ····ぁ··待っ、へぁ····朔 ····」
僕が胸を押し返すと、朔はハッとして唇を離した。
「お、わりぃ。ガッついちまった」
「も··ばかぁ····。次は僕からするからね」
僕は、朔の胸に添えたてを頬へ移し、見つめ合いながらゆっくりと唇を交わす。また拙いけれど、舌と熱い吐息を絡め合う。
朔の舌に集中するだけで、気持ちはどんどん高まってゆく。それは、朔も同じようだ。
そんな中、そっと朔のおちんちんに手を伸ばす。指先がちょんと触れ、ピリッとした緊張感が走った。
遠慮がちに優しく持って、加減を間違えないようゆっくりと扱き始める。
「啓吾、ローション頂戴」
「おっけ。垂らしてやっからそのままシコシコしてていーよ」
「ん、ありがと」
啓吾が朔の亀頭にトロトロとローションを垂らす。僕は、それを馴染ませるように全体へ塗り込む。バカみたいにたっぷり垂らすから、ぬちゅぬちゅといやらしい音をあげている。
日頃、音を立てないでと文句を言う僕が、今はえっちな音を響かせているんだ。変な感じがして、変な気分になって、なんだか今日はいけそうな気がして、衝動的に朔の乳首を舐めてみた。
「ん゙っ!?」
朔が、聞いた事のない声をあげた。けれど、僕は無視して乳首を舌で転がす。
これも、皆みたいに上手くできていない気がする。舌の動きがかたいのかな、上手く動かせていないみたいだ。
「朔 ぅ、気持ちぃ ?」
「わ、かんねぇ··変な感じだな。····けど、なんかイイ」
「んへへ♡ そっかぁ ··」
朔の好みに合わせ、強く握ってしこしこシ続ける。こんなに強く握って痛くないのかな。
僕は、柔らかく握られるほうが好きだ。まぁ、強く握られたほうがイッちゃうんだけど。
「ン··、お前、初っ端からそんな頑張って大丈夫か? あと3人待ってるんだぞ? 腕、しんどくねぇか?」
熱のこもった瞳で僕を見つめてくるのに、優しく頬を撫でて心配してくれる朔。その艶っぽい表情 を見るだけで、蕩けてしまいそうになる。
けど、今日は気をしっかり持って皆にご奉仕 するんだ。
「このくらい大丈夫だもん。僕だって、皆のこと気持ちくシたいの。グデグデにされなかったら、まだまだできそうだから大丈夫だよ」
「はっ··そうか。ならその調子で続けてくれ」
朔は、僕の後頭部を持ちグイッと引き寄せた。
「すげぇ気持ちイイ」
「ひあぁっ♡」
耳元で放たれる甘ったるい声。脳に響くそれの所為で、僕は甘イキをして腰が引けてしまった。
だけど、ここでヘロヘロになっていてはいつもと同じだ。歯を食いしばり深呼吸をして、おちんちんを扱く手を休めないよう踏ん張る。
朔が気持ちイイと思う舐め方を模索する。舌で強く舐めあげたり、乳首の周りを焦らすように舐めてみたり、色々シてみた。けれど、どれもイマイチらしい。僕とは感じ方が随分違うみたいだ。
諦め半分で朔の乳首をちゅぱちゅぱ吸うと、これに反応したのかおちんちんがビクビク跳ね始めた。そろそろだ。
扱くスピードを上げると、朔の下腹部に力が入ってゆく。
(あ、くる──)
「おい──」
朔が慌てた様子で声を掛けてきた。それと同時に、僕はピタッと手を止める。
大丈夫、ちゃんと分かってるもん。
「ン゙ッ··くっそ····マジか····」
「んへへ♡ どう? 寸止め、上手?」
「犯す」
「ひぇ····」
瞬時に雄を剥き出しにした朔が、僕を睨みつけて言う。同時に、荒ぶった呼吸を整えることなく、片手で僕の肩を掴んだ。
「んぁっ」
ガシッと掴まれた肩の痛みと朔の迫力で、僕の雌スイッチが入りそうになる。
(あ、ダメ····スイッチ入ったらまた何もできなくなっちゃう。けどぉ! 朔カッコ良すぎだよぉ····)
僕の理性がグラついた瞬間、啓吾が止めてくれた。
「さっくんストーップ。それ以上は我慢ね。犯しちゃめーよ〜」
「··っ、くそっ····分かってる」
絶対に分かってなかったでしょ。なんて、淡い期待を抱いた僕に言えたセリフではない。
けれど、朔がまだ声の届く状態でよかった。もしも朔が押し切ってきていたら、きっと僕には拒めなかっただろうから。
このサイクルをあと2回して、計3回の寸止めで完全に自我を失いかけている朔。おちんちんが痛そうで可哀想になってきた。
けれど、寸止めがどれほど辛いか、これで分かってもらえると嬉しいな。まぁ、分かったところで、これからも変わらずにされるんだろうけど。
おちんちんが痛いのか、朔は俯いたまま動かなくなってしまった。片膝を立てて肘を乗せ、僕から距離をとって肩で呼吸している。
理性が死にかけている朔の目が、獲物を捉えた猛獣のそれに見えた瞬間、りっくんが後ろから僕を抱いて引き寄せた。
「朔、そんな目してたらゆいぴが怯えちゃうでしょ」
僕の肩に顎を乗せ、諭すような口調で朔を宥めるりっくん。朔相手に勇気があるなぁ。なんて、感心している場合じゃなかった。
何故か、胡座に収めた僕の足を広げ、アナルをクパッと拡げて見せつける。
「ひゃぁっ! りっくん、なにしてるの!?」
「可愛いお尻の穴、見せびらかしてる」
って、僕のなんだけどな。
「····あれ? あぁ··ふ〜ん··へぇ〜····。ねぇ朔、ここ、早く挿れたいよねぇ」
りっくん反応、こっそり準備したのがバレたかもしれない。そんな事より今は、指の腹をアナルに吸わせ、見せつけるようにピトピトするのをやめてほしい。
僕は恥ずかしさのあまり、両手で顔を覆い隠して涙ぐむ。
「チッ····」
「りっくぅん··、朔煽るのやめてぇ····」
荒ぶった朔は、舌打ちだけで縮み上がるような威圧感を放つ。雄みに加えての苛立ちだ。
僕はこのまま、あの熱 り勃ったモノを捩じ込まれてしまうのだろうか。
「あは♡ 可愛いお尻、緩んでヒクヒクしてる。期待してるんでしょ? ほら、朔のあのおっきぃちんちん、お尻に吸い付かせたらゆいぴのお尻喜んじゃいそうだね。見て、ゆいぴのお尻見てまたおっきくなったよ。あれ、一気に奥までどちゅって挿れられんの想像してみて」
りっくんが長々と話していると、朔が寄ってきて僕の下腹に手を添えた。これって、朔の理性は生き返ってるのかな。
あぁ、あの屹立したエグイのを挿れる気なのだろうか。僕は、ここで雌に落とされてしまうのだろうか。僕の挑戦はもう終わりなのだろうか。
りっくんの言葉に耳を傾けながらボーッとそれを見ていると、りっくんが言い終えるが早いか、朔が僕を見下ろしながらぐーっと下腹を加圧していく。身体に教え込まれたイクやつだ。
「んぁぁ····や··らめぇ····」
下腹を押されると、お尻がきゅぅぅっと締まって下腹でイッてしまう。朔のが入っているのを想像して、いつもより深くイッた。
「りっくん··なんれぇ····」
「え〜、だってぇ··。俺、トロトロのゆいぴに寸止めしてほしいんだよね。自分で言い始めたのにずっと不安そうで、でもたまに楽しそうにしてさ、反応見て一喜一憂してるゆいぴも可愛いんだけどね、俺はトロトロで涙ぐんで必死にシコシコしてるゆいぴが見たいの。そのほうがイけるんだもん♡」
なんて勝手なんだ。それに巻き込まれて煽られた朔が可哀想じゃないか。
なんて思ったけど、僕をイかせて少し落ち着いた朔を見て気が変わった。僕に意地悪をして気が晴れるなんて、やっぱり朔も意地悪だ。
この調子であと3人。朔には偉そうな事を言ったけれど、本当に大丈夫だろうか。
なんだか釈然としないまま、僕はりっくんのおちんちんへご奉仕を始める。
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