354 / 384
甘々は何処へやら
頑張って息を吐き、できる限り力を抜く。じゃないと、朔の化け物級なおちんちんと一緒に、啓吾の完勃ちしているおちんちんを飲み込めないんだもの。
僕の苦労も知らないで、グッと一気にねじ込んでくる啓吾。アナルを無理やり拡げられている熱さと、ナカをゴリゴリ抉られる衝撃で、僕は獣の様な声をあげて深く深くイッた。
「んぁ゙、お゙ンッ··ぁ、はっ、ふっ、んぃ゙っ! ひあ゙ぁ゙っ!!」
2人が小刻みに動く度、汚い声が漏れてしまう。こんな声を聞かれるのは、甘い声を聞かれるよりも恥ずかしい。
皆の思う“可愛い”からは掛け離れているはずだ。こんな僕を見せても嫌われないのだろうか、なんて毎回心配になっちゃうんだもん。
けれど、そんな心配は無駄だと、いつも早々に思い知らされる。だって、2人とも僕の声を聞く度におちんちんが脈打って、もっともっと昂っていくんだもの。
朔が僕の足を抱えていて、啓吾は僕の下腹部を手で圧迫しながら腰を振っている。そこを押されると、いつもよりキツくイッてしまうから勘弁してほしい。
僕がキュウキュウ締めつけるからだろうか。啓吾は、とても苦しそうな顔をしている。どうにも動き辛そうだ。
どうしたものかと思っていると、啓吾が一旦おちんちんを抜いた。僕がキョトンとしていると、察した朔が僕を抱えたままソファに深く座り、僕ごと背もたれに身を預けた。僕は、朔に言われるがまま体勢を整える。
これを、それほど言葉を交わさずにやってしまう2人が凄いや。僕なんて、何をどうしていいか全く分からないのに。
····で、何この体勢。朔の上に乗ってるんだけど、重くないのかな。
勿論、朔のおちんちんは入ったまま。時々ナカを抉られて、潮を撒き散らしてしまう。一応、ソファに手をついてはみるけれど、僕の短い手では朔への負荷を軽減できないらしい。
とりあえず、朔の上で正常位みたいな体勢で落ち着いた。そこへ啓吾が挿れる算段なのだろう。という事は想像がつく。
(んー··なんかちょっと怖いな。え··わ、うわー··、啓吾すっごくえっちだぁ····)
頬を紅潮させ、心做しか目をとろんとさせた啓吾が、色っぽい雰囲気を纏って僕へ迫ってくる。本当に、このまま挿れるつもりらしい。
一度挿れたものだから、入り口はさっきよりも緩い。少し苦しいけれど、啓吾の亀頭がぬぷっと入った。そこからは、容赦なく奥を目指す。
鍛えられた朔の身体は、僕が上で暴れても何ら問題はないらしい。啓吾がどれだけ激しく動こうが、朔はしっかり僕を支えてくれている。
安定していれば、慣れない体勢でも問題はないようだ。2人のおちんちんの所為で、体勢なんて気にしている余裕などないのが原因かもしれないが。
意識が薄れてきて朔にもたれ掛かると、耳元で『起きろ』だの『頑張れ』だのと、甘い声で囁かれる。そして、朔から命令を下された。
「結人、自分で胸弄ってみろ」
これだもの。皆、昂ると僕にあれこれしろと命じてくる。どうすればいいのか分からない僕は、とりあえず皆にシてもらうのを思い出しながら乳首を摘まむ。
しかし、例の如く自分でシても気持ち良くなれない。
「おち、んち··ヨすぎて、おっぱい、分かんにゃ──んぁ゙っ、お゙ん゙ッ! イ゙ッ··ひにゃあぁっ!!」
啓吾が大きく動いて、僕の乳首をもいじゃいそうなほど強く抓る。その痛みで、僕は潮を噴き上げてイッた。
どうして、皆が触れるとこんなにも気持ちイイのだろう。
「イ、ぁ··皆 が触 ってくれたら 気持ちィ····やんっ··朔 、耳らめぇ」
沢山イッてしこたま噴き、ヘタった僕は朔の肩に頭を預ける。すると、内側から僕の側頭部の髪をくしゃっと持ち、強引に耳を晒され食べられた。
耳に挿れられた舌が熱い。ぴちゃぴちゃ、くちゅくちゅと、いやらしい音が脳に響いてくる。
そんな中、2人は容赦なく腰を振り続け、啓吾はまた下腹部を押さえながら僕のおちんちんを扱く。絶え間なく叩き込まれる快感で、僕の脳が焼かれていくみたいで怖い。
「ら、め··も····おかしくなっちゃ··んぅ····やぁっ♡ おちんちん、も、出 にゃいぃ····」
「何言ってんのぉ、まだ出んだろ? 出なくなっても出さしてやっからな」
啓吾がワケの分からないことを言う。出なくなったら、もう出ないんだよ?
僕が『出ない』と喚くも、啓吾はひたすら僕のおちんちんを扱いて、僕のナカを2人で掻き回して、何度も何度も僕をイかせる。おちんちんが溶けちゃいそうで、いよいよお尻が閉じなくなりそうで、涙が止まらないくらい怖い。
なのに、快楽に焼かれた僕の頭は、もっともっと堕ちていく事を望む。もっともっと、2人を求めて縋る。
「んぁ、啓吾、遠いよぉ··。ぎゅ、て、して····」
僕が我儘を言うと、奥へグッと押し込んで僕を抱き締めてくれる啓吾。朔も後ろから強く抱き締めてくれる。なんて幸せなのだろう。
ほわほわと多幸感に浸っている僕に、2人は本気のピストンを見舞う。2人して奥を抜こうと深く入ってくる。それは本当に死んじゃうやつだよ。
そう思いながらも、僕には止められない。だって、もっとひとつになれそうで、もっと欲しくなっちゃうんだもん。
「テメェらそこまでにしとけ。マジで壊れんぞ」
「ゆいぴ、それ以上はダメだよ」
理性など微塵も残らない僕たちを、りっくんと八千代が止めてくれた。
朔と啓吾は、ハッと我に返ったように冷静さを取り戻す。ふわふわの中で戻れない僕が『もっと強 いの····』と強請るけれど、2人は僕を宥めながら甘いピストンでナカを熱くしてくれた。
動けなくなった僕を、りっくんがベッドに運び八千代へと引き渡す。お怒りな様子で、啓吾に文句を投げながら。
「はぁ····、乳首噛まれたくらいでキレて朔と一緒に突っ込んであんな乱暴にするとかホンッッット信じらんないんだけど」
りっくんが相当プンスコしている。言葉尻がキツく、トゲトゲしさがいつもの1.5倍増しくらいだ。
けれど、啓吾は飄々といつもの調子で答える。
「ん? 別に怒ってねぇよ? 結人が苦しそうなんとか見てさぁ、んで結人に痛 ぇ事されてるって思ったらさ、なんか興奮しちった♡」
そう言われれば、だ。僕に対して冷たくはなかった。極甘のキスをくれたし、話し方も優しかったのに。
興奮した啓吾の雰囲気が怖くなるのなんて、それこそいつも通りじゃないか。どうして気づかなかったのか、今思えば情けない限りだ。
だけど、それを聞いてなお、りっくんの怒りはおさまらない。むしろ、火に油が注がれたようだ。興奮したからってやりすぎだと、口酸っぱく注意される啓吾。それに対し、啓吾は『どの口が言ってんだよ』と話半分に聞いている。
そこに輪を掛けて、八千代が『賢者に何言ってもだろ』と茶化す。啓吾が賢者って、どういう事だろう。
そして、賢者と呼ばれる啓吾がぽけーっと話を聞いているものだから、りっくんがどんどんヒートアップしていく。見かねた朔が間に入り、朔自身も反省しつつりっくんを宥める。反省しなきゃいけないのは、僕もなんだけどね。
3人がわめく中、僕は待ちきれない八千代にお尻を揉みしだかれている。早く挿れたいのだろう。起き上がるだけでも精一杯なのだが、僕は八千代の指示に従い向かい合って膝に乗った。
八千代は僕の首筋に埋もれ、たくさん痕をつける。所有印だ。以前そう言われてから、痕をつけられるのが一層好きになった。
言いたい事を言い切り僕のもとへ来たりっくんは、ヤキモチを垂れ流しながら背中を甘噛みする。仰け反ると、お尻で挟んでいた八千代のおちんちんがゴリッと擦れて、お尻の奥までキュンキュンしてしまう。
「八千代 、おちんちん欲ちぃ··。挿ぇて?」
「ン゙ッ··くっそ··、人の気も知らねぇで····」
八千代が何を考えているのかなんて、いつも僕には分からない。いつだって予想外な事ばかりなんだもの。啓吾もそうなんだけどね。
りっくんが、鼻で笑って八千代を揶揄う。
「余裕ないんなら俺が代わってあげよっか? ゆいぴのこと、ゆ〜っくり愛でてあげれるよ。1回シたから、ねー♡ ゆいぴ♡」
背後から聴こえるりっくんのねっとりとした話し方が、腰に響いて仕方ない。いつもより少し低めの声で話すのは、僕を耳でも感じさせる為だろう。
「るっせぇ、調子こいてんじゃねぇぞ。結人は誰にも渡さねぇ。····あとなぁ、余裕 なんざいつもねぇわ」
りっくんは、ベタなセリフだと揶揄う。けれど、僕の心臓は弾けそうなくらい跳ねている。
挿れられる前からこんな調子で、僕の心臓は持つのだろうか。そうだ、僕も八千代をドキドキさせればいいんだ。けど、どうやったら八千代をドキドキさせられるのだろう。りっくんなら簡単なのに。
はぁ、難題ばかりだ····。
ともだちにシェアしよう!