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誰も待ちきれないや

 プラグをぬぽっと引っこ抜いた啓吾は、僕のお尻におちんちんを滑らせて焦らす。僕のお尻がヒクヒク涎を垂らし始めると、たっぷり仕込んだローションが溢れるくらいの勢いでナカをいっぱいにした。 「ン゙あ゙ぁッ··!!」  一気にナカを押し拡げていき、リズムよくぱちゅぱちゅ僕のお尻を打つ啓吾。水音が浴室に響き、僕の羞恥心を掻き立てていく。啓吾は遠慮がちに僕のナカをかき回し、加減を探っているようだ。  いつも優しい啓吾だけど、お清めの時は一層優しい。啓吾は誰よりも、身体だけじゃなくて心に気遣ってくれる。そんな啓吾だから、守れなかった後悔と穢された嫉妬心さえ隠してしまう啓吾だから、僕は啓吾の本能を引きずり出したいと思うんだ。  啓吾の気性も癖だって大概知っている。いまだって、傷ついた僕にきっと酷くシたいはずなんだ。  僕を抑え込んで滅茶苦茶に抱き潰したいって顔をしてるんだもん。それなのに、啓吾はどこまでも優しすぎるから、自分よりも僕の心を優先してしまうから、弱い僕が間違わないように抑えてくれる。   「啓吾、僕のナカ、もっと啓吾でいっぱいにして····」 「ダーメ。まだ優しくシたいから煽んなよ」 「でも····」  僕の心を見透かして、啓吾は耳元に唇を寄せて言う。 「心配しなくても、これつまみ食いだって言っただろ? あとでちゃぁんと滅茶苦茶に抱き潰してやっから。泣いてもやめてやんねぇよ」 「ひぁっ、あぁ··やんっ····」  奥をコツコツノックし、耳をはみはみして言うものだから、声の甘さとナカの刺激で深くイッてしまった。僕が潮を噴いたのを見て、啓吾は嬉しそうな声で『俺も1回出すよ』と言った。  僕のナカにどぷどぷ注がれる啓吾の精液が、凄く熱くて一気に逆上せてしまったみたいだ。膝の力が抜けて、ガクンと崩れ落ちてしまった。 「わっ··と。っぶね、結人? 大丈夫? あ〜、立てない?」 「ごめ····立てにゃい····」    後ろから僕の胸を抱えている啓吾は身動きが取れず、外で見ていた朔が見かねて救出に来てくれた。 「やっぱ啓吾に任せるんじゃなかったな。ヤルだろうとは思ってたけど、もうグズグズじゃねぇか」 「えっへへ~、ごめんて。ちょっと可愛がりすぎちった♡ いやだってさ? 結人すげぇ不安そうだったんだもん。しょうがなくね?」 「見てたから知ってる。まぁ、俺でもこうしただろうからしょうがねぇ、な。別に怒ってるわじゃねぇぞ。ただ俺がやりたかったってだけだ」 「ぉわ~····、さっくん雄出しすぎぃ。ちょっと落ち着こうね?」  啓吾が宥めるけれど朔は返事をせず、僕を回収するとタオルに包んで一言も発しないままベッドへ運んでくれた。  僕をベッドへ寝かせると、朔は僕のお尻に指をねじ込む。けど、これは愛撫ではなく触診。毎度の事ながらとても丁寧に、僕のナカが傷ついていないか違和感がないか感じ方はどうかって、優しく触れながら聞くんだ。  ナカを確認し終えたら、次は全身をまさぐって痛い所を探す。隠したってどうせバレるから、僕は包み隠さず白状する。思っていたよりも、あちこち痛くて自分でもビックリした。  昨日、八千代としてる時に触れられても痛くなかったと言ったら、それは僕がドMだからだと言われた。なるほど、痛いのも気持ちイイってね····。  待ちきれなくなったりっくんが、僕の唇を求めてベッドに上がってきた。胡座にハメると、僕の背中を抱えて小さな溜め息を吐く。 「はぁ····やっと触れられた。ゆいぴ、おかえり」  僕は、その言葉に涙ぐむ。上手く『ただいま』って言えないくらい、声が震えて喋れない。だから、りっくんの腕をキュッと抱き締めて、ただいまのつもりで腕にキスをした。  僕がりっくんと甘々していたら、触診を終えた朔にグイッと手を引かれ、ひょいとりっくんから奪い取られた。ふわっと優しく、それでいて力強く抱き締めてくれる。耳元で、何度も小さく名前を呼ばれ、その度に『うん』と返事をして『朔』と呼び返した。  少し震えているのは、僕なのか朔なのか分からない。けど、ようやく全員と触れ合えて、僕はやっと本当に安心できた。皆も同じなのだろう。  それじゃぁそろそろと、今度はりっくんが僕を奪い取ってコロンと仰向けに寝かした。  内心穏やかじゃないはずなのに、皆は僕を動揺させないようになのか平静を装って僕に触れる。慎重なのにいつもより少し乱暴だと思ってしまうのは、きっと皆も緊張しているからなのだろう。  僕に触れて壊れてしまわないか、そんなビクビクした緊張感が窺える。けれど、それを僕に悟られまいと、甘さと快感で誤魔化してしまうんだ。狡いなぁ。  りっくんは、僕がどうされたのか覚えてる限り教えてと言った。向かい合って頬に手を添え、真綿に触れる柔らかさで撫でてくれる暖かい手。僕はその手を握り、すりっと甘えて見せた。  初めに怖かったのは、頭皮が剥がれそうなくらい強く前髪を掴んで持ち上げられた時。そう言ったら、りっくんは僕を抱き締め頭を撫でてキスしてくれた。  痛みはもうぼんやりとしか覚えていない。ちゃんと、りっくんの優しさで上書きされている。そう感じると、心が少し軽くなった気がした。  胸を弄られたり指でナカを掻き回された、と言うと押し倒され、アイツらとはまるで真逆な愛情たっぷりの触れ方をしてくれた。熱くなっていく身体は、純粋にりっくんを求めている。大丈夫、あの瞬間を思い出しはしない。  もう解す必要なんてないけど、それでもりっくんは僕に触れたいんだと言って、りっくんの指を僕に感じさせてくれる。すらっと長くて綺麗な指。長い指で、前立腺をくりくりしてイジメるのはいつも通り。  何度か噴かされベッドが水浸しになったところで、僕は『りっくんのおちんちん、頂戴(ちょーらい)』と甘えて強請った。  りっくんは、僕の腰を分厚いクッションに乗せて浮かせると、おちんちんの先をアナルに滑らせて焦らす。 「んふ··、ヒクついてる♡」  そう言って、先っちょをピトッとアナルに吸いつかせた。クパクパと飲み込もうとする僕のアナル。なんてはしたないんだ。けど、りっくんはそんな僕のアナルを、いつも通り可愛いと言って愛でてくれる。   ぐぷぷと亀頭をねじ込ませると、りっくんはゆっくり奥を目指す。少しずつ奥へ進み、ナカの壁をゴリゴリ抉っていく中で前立腺を捉えた。  とんでもなくえっちな顔をして、僕を見下ろすりっくん。小さな声で『見ぃつけた♡』と言うと、先っちょでぐりっと前立腺を潰した。僕が止め処なく潮を噴くものだから、りっくんは嬉々として腰を振り続ける。 「ん、ゆいぴの前立腺(イイトコ)()くなっちゃうまでトントンしようね。ほら、いっぱい噴いていいよ」 「んゃっ、りっく··待゙っ、ンあ゙ぁ゙ッッ♡♡ それダメ(そぇらめ)ぇっ! お゙っぎぃのキぢゃ──イ゙ッ··ぐぅぅぅ♡♡♡」 「あ〜はは♡ 白目のゆいぴも可愛い」  腰を反って、自分で奥を抉りながら勢いよく潮を噴き上げる。腰が勝手に振れて、ナカイキと潮噴きが止まらない。それなのにりっくんは、まだイッてる僕をゆっくりと半回転させ四つ這いにした。あちこち潮まみれじゃないか。 「んぎゅぅっ♡」  ナカをグリンと捻じられる刺激に耐えられない。 「んはっ♡ イイ声····。もっと乱れて。俺のちんちんで、俺の射精で、結人を俺の全部でいっぱいにしてあげる♡」  りっくんは、僕が逃げられないよう背中に覆いかぶさって、耳輪に歯を立てながら言った。僕は、脳が焼き切れそうになりながら、手足と腰を震わせてイキ続ける。イキ過ぎて腹筋が痛いや。  僕が息も絶え絶えに声を漏らしていると、りっくんは僕の二の腕や背中を指先で撫でた。 「ゆいぴの綺麗な肌を····。下手くそな縛り方だったんだろうね。痛かったでしょ、可哀想に····」  りっくんの悲しそうな声が僕の心に刺さった直後、僕の二の腕に残る縄の縛り痕を掴んで上体を持ち上げた。ギュッと握られた腕が痛い。 「ふぇ····りっくん、腕、痛いよぉ」 「ごめんね。ちょっとだけ奥潰すから、痛かったりしたら言ってね」  ダメだ、噛み合ってない。これはマズイやつじゃないかな。 「んぐっ、あっ、イッ··あぁぁっっ」 「あぁ、良かった。気持ち()さそうだね。もっと奥でイこっか」  背後から聞こえる声は、いつもの優しいりっくんそれなのに、肌で果てしないヤバさを感じる。いつも見せるただの変態ちっくなやつとは違うヤバさだ。そう、歯止めが利かなくなっている時みたいな。  僕は、恐る恐る振り返ってりっくんを見る。あぁ、やっぱり。瞳孔がハートになっちゃってるよ。これは、僕が失神するまでイかされ続けるやつだ。  噴けなくなってメスイキがツラくなって息もできなくなって、苦しくて泣いても喚いても結腸責めをやめてくれない。こうなったりっくんは、誰の声も届かなっちゃう。僕の声さえも。    皆の溜め息が聞こえた。夢中で僕の奥を抉るりっくんは、恍惚と妖艶な雰囲気を纏って僕を独占する。  皆いつもなら、諦めてりっくんが落ち着くのを待つんだ。けれど今日は違う。待ちきれずに朔が参戦してきた。

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