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理性のないゴリラは····

「結人····結人······」  朔が僕を呼んでる。囁くような甘い声で。  重い瞼を持ち上げ、朔を探す。までもなく、目の前にいた。声が近いなぁとは思っていたけど、まさか鼻の頭がくっつきそうなほど近いなんて思わないじゃないか。 「んゎ····」  突然目の前に現れた美形に、思わず声を上げた。 「どうした?」  どうしたじゃないよ。近すぎてボヤけてるのに、それでもカッコイイなんて反則だ。そもそも声が良すぎるよ。  キャパオーバーした僕は、きゅっと目を閉じる。そうしたら、甘い甘いキスをされた。 「ん····ふ··ぁ····」  絡められた舌で朔の熱を感じとる。まだ抱き足りないのか、お尻の濡れ具合を確認すると、おちんちんの先を押し当ててきた。  亀頭がぐぷっと入りかけたとき、啓吾が朔の肩を掴み全力で止めた。 「はいストーップ。起こすだけつったじゃん」 「あ····わりぃ。結人に触れてたら止まんなくなっちまった」 「気持ちはよーくわかるけどさ、順番は守ってもらわねぇとなのよ」  啓吾が飄々と、饒舌に心境を漏らす。 「いや〜でも、さっくんでよかったわ。挿れる前だったら、止めたら止まってくれんもんね。場野だと止まんねぇもん」 「そうそ。俺ら力じゃ敵いっこないし」 「さっくんは理性があって助かるわ〜」  啓吾とりっくんが言いたい放題だ。そんなこと言ってたら···· 「ほぅ····ンじゃ、理性のねぇ俺(ゴリラ)は自由に結人抱いていいんだな?」  ほら。八千代がわけ分かんないことを言い出した。 「お前ら、学習しねぇな」  朔が呆れてる。けど、それには僕も同意だ。  りっくんと啓吾は、すぐ調子に乗って八千代を怒らせるんだ。そして、そのとばっちりを受けるのは、いつだって僕なんだから。  八千代が、ギシッとベッドを軋ませて迫ってくる。  獲物を捉えた雄全開の眼(め)で見下ろされてるし、ズボン越しでも分かるくらい反り勃ってるんだもん。普通に怖い。 「八千代、待って。優しくしてね? あと、順番は守らな──んぅ····」  八千代は、僕の後頭部をハンドボールみたいに持って、少し乱暴なキスで唇を塞いだ。  僕に言われたことは、極力守ろうとしてくれる八千代。だからって、言わせないなんて狡いや。 「ちょっと場野! 次俺でしょ! 代ーわーれってばー!」  りっくんが全力で八千代のシャツを引っ張っている。けれど、八千代はビクともしない。 「啓吾も手伝ってよ! 場野が満足するまで待たされたら朝になっちゃうよ」 「えー。無駄じゃね? たぶんシャツ破けるほうが先じゃん。てか、そのシャツ2万つってたぜ?」  シャツに2万!? またそんな高いシャツを買ったんだ。きっと、値段も見ずに買ったんだろうな。  注意しとかないと、僕の分とか言ってとんでもないのを買ってきそうだ。 「にまっ····そんなのどうでもいいの! ゆいぴとられるのは絶対ヤだ····ぐぬぅ····」 「わーったよ。でも俺、絶対弁償しないかんね?」  りっくんと啓吾が、二人がかりで八千代のシャツを引っ張る。それでも八千代は動きません。  なんだか『おおきなかぶ』みたいだ。 「なにニヤけてんだよ。キスしてんだぞ」  八千代は不機嫌を僕の耳に流し込む。  順番なんて、もうどうでもいいや。今すぐに八千代が欲しい。そう思ってしまうような甘くドロッとした囁きに、僕の下半身は甘イキで応えた。  そして、八千代はそれを決して見逃さない。 「イッたな? まだ挿れてねぇだろ。ちゃんと俺のでイけよ」  耳責めが続く。こんなねっとりと重い声を響かされたら、誰だってイッちゃうよ。おちんちんなんて待ってられない。 「ひゃ、やち、ぉ····らめ····耳、イクの、止まんにゃ····」 「じゃぁイけ」 「ひゃぅぅっ♡♡」  甘イキとは思えないくらい、お腹の奥がキュゥゥってなって、ち(・)ゃ(・)ん(・)と(・)イッたみたいな感覚だ。  八千代の声が脳に響いて、脳が命令を実行した。そんな感じ。身体が八千代に支配されてる。 「やぁ····八千代(やちぉ)、身体、変なの····ホントに、耳で、ちゃんとイッちゃうの····こわいよぉ」 「そんでいいんだよ。そんだけ、お前が俺に溺れてるっつぅことだろ。俺の声だけ聞いて、俺のちんこだけ受け入れて、俺にイかされろ」  耳元で囁きながら、八千代はおちんちんをひと息に奥までねじ込んだ。  セリフにキュンとして心臓がイッて、狡いくらいの甘い声でイッて、入り口から奥まで一気に押し拡げられる感覚でイッて、奥を強めにこつかれてイッて、死んじゃうかと思った。 「結人、息しとけよ。俺が壊すまで死ぬんじゃねぇぞ」 「····っっっ♡♡♡ ち、死ぬ(ちにゅ)ぅ····」 「ふは····死ぬなつってんだろ。こんくらいで死んでいいんかよ。もっと甘くしてやんのに」  どうしちゃったんだろう。八千代がいつもの数倍甘い。 「ねぇ、マジでビクともしないんだけどぉ! どんだけゴリラなんだよ!!」 「これマジできっつ。俺も早く結人甘やかしてぇ〜」 「俺だってゆいぴと1秒でも早く長くイチャついて甘やかしてイかせたいっつの! 啓吾、もっと気合い入れて引っ張ってよ!」 「これ以上ムリだって。マジで全力なの! 場野、マジでゴリラすぎ」  頑張ってる2人に、少しだけ視線をやる八千代。だいぶイライラが溜まってるみたいだ。 「チッ、テメェらいい加減にしろよ。悔しかったら鍛え直してこいや。おら、そんままシャツ引き千切ってみろよ。脱ぎてぇからよぅ」 「無駄にいいシャツだから千切れもしないんでしょ! ムッカつく! もういいよ!」  諦めたりっくんが啓吾を連れて走りに行ってしまった。走るのが好きじゃない啓吾は、文句を垂れながら引っ張られていく。可哀想に···· 「おい、いつまで余所見してんだよ。俺だけ見てろ」  そう言って、八千代は背中の部分が伸びに伸びたシャツを脱ぐ。それを下から見上げる僕は、八千代の色気に耐えきれず、しょろっと漏らしてしまった。潮なのかおしっこなのか、正直わかんない。 「ふ··嬉ションとか可愛すぎんだろ。マジで潰しちまうぞ」  なんだか楽しそうな八千代。物騒なことを、やらしい笑みを浮かべて言うんだ。 「お前が本気で壊しちまわないように俺が残ったんだからな。気をつけろよ」  冷静な朔。さっき引き剥がされて、朔もちょっとだけ不機嫌そうだ。  八千代は『わーってるっつの』と軽く流して、僕の奥をイジめ始めた。

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