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二人で一つ
足元に広がる、赤い血溜まり。
このまま放っておけば、愛する人は力尽きてしまい、死神に魂を渡すことになるだろう。
意識が朦朧とした自分に攻撃された、愛する人は、どこか居心地良さそうな眠りに落ちている。かのような表情だ。
一生目を覚ますことはないだろう。
なら、皮膚を貫く自分の牙で、愛する人の血液、細胞を吸い尽くせば、愛する人と繋がれるだろうか。一つになれるだろうか。
青白い首筋に顔を近づけば、耳に愛する人の息がかかる。愛してると伝えられたようだ。
「我も……愛してる」
一つも残したくない。優しく抱きしめ、愛する人全てを吸い尽くした。
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