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長い夜

 太陽が沈んでいく。暗闇が空を包んだその時、彼は長い眠りにつく。太陽の上がっている間しか目を覚まさない彼。対照的に、俺は暗闇の間醜い化け物と化す。運がいいのか悪いのか。愛しい人に醜い姿が見られない嬉しさ反面、本当の自分を伝えられない虚しさ。  素朴なベッドで健康良く息をたてる彼。長く伸びた爪でそっと頬を撫でる。もちもちの頬を照らす月夜、眠り姫がそばにいるかのようだった。  もし俺が彼にとっての王子様なら、愛らしい唇に鋭い牙を触れさせたら、目を覚ましてくれるのだろうか。  結果はどうであれ、野生化する中でさえ消えない俺の愛情は、永遠に続く運命にあった。

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