47 / 1012

突き刺さる視線

九条も鋭くも二重のどこか甘い瞳を祐羽に注いだまま逸らさない。 ゆっくり頷くと、九条は目を逸らして身を起こした。 顔が離れたことでホッと安心した祐羽は、部屋の隅へ転がっている男に気がついた。 先程まで自分に無体を働こうとしていた男だ。 呻き声を漏らしながら、倒れていた。 それを見て、九条がやったことだと知る。 九条は特に気にする様子もなく、後ろから入って来た眞山に何事か声を掛けていた。 廊下でも数名の組員が店員と揉み合っているのが、分かる。 「…助かった…?」 そんな様子を見て、祐羽は安堵の溜め息をついた。 ベッドの上で座り込んでいた祐羽は、助かった安心感から気持ちが浮上していくのを感じていた。 このまま帰らせて貰おうと、九条を見た。 「‼」 すると、同時に九条と目が合う。 その瞬間、祐羽の心臓がドキッと緊張に締め付けられたのだった。

ともだちにシェアしよう!