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小脇に三度目
「飯だ」
「…え?」
まさか自分に言っているとは思わず、間抜けな顔をしてしまう。
そんな祐羽に黙って背を向けた。
呆気に取られていたが、ここで立っているだけというのもなんなので、取り敢えず着いて行く。
まだ怖い思いもあるが、こうしている分には平気で九条を見ていられる。
基本的に無理矢理エッチな事をされた以外では、二度も助けてもらったし、こうして朝食に誘ってくれているのだから、優しい人なのではと思っている。
そんな人を無視する事は、祐羽には出来なかった。
それに、なんだか少し近づきたい気持ちもある。
けれど思いと裏腹に、体は言うことを利いてくれない。
チマチマと前進していると、九条が何処か呆たような雰囲気を醸し出して見ているのは気のせいだろうか?
すると、九条が踵を返してやって来た。
「えっ?!ひゃっ!」
そして、またしても小脇に抱えられてダイニングへと移動させられる。
こう何度もされれば慣れたもので、ブランとされるがままに椅子へと下ろされた。
「痛っ」
下ろされた瞬間に痛みを感じたが、一度座ってしまえば特に大きな動きをしなければ大丈夫だった。
「えっ…と」
椅子に腰を下ろした九条は、パンと皿、ジュースとグラスを祐羽の目の前に押しやった。
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