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3週間と数日後
「なんかもう治ったみたい。良かった…」
不本意ながら受け取った薬は、効き目も良かったのか無理矢理拓かれた場所の傷も癒えた。
初めは抵抗があったが塗らなければならず、塗る度に九条を思い出すという複雑なものだった。
そして傷も癒えたし、連絡も無い。
当たり前の毎日が訪れて、友だちと笑い部活を頑張り、授業にも集中出来た。
高校生活を送る上で、というか現代に於いてスマホは必需品である。
怖くて鞄にしまっている時間が長かったが、それも1週間過ぎてからは拍子抜けというのだろうか。
全く中瀬から連絡が無いので、安心が芽を出す。
普通に使いはじめて、それからまた2週間と数日が経つ。
これだけ連絡が無いのであれば、もう心配しなくてもいいのでは…。
祐羽はそう思う様になっていた。
昼休みに賀川と小野と昼食を済ませて、雑談に華を咲かせていた時だった。
机の上に置いていた祐羽のスマホが震えて、立て続けに着信を知らせた。
「あ、なんだろ?」
祐羽は何気なく手にして、ロックを外して画面を確認した。
数件入っていて、登録しているサイトからやお店のクーポンが届いた等。
「!!!!!」
ひとつずつ確認していた祐羽は、その中にある文字を見つけて、息が止まり全身が一気に硬直した。
今頃、何で…。
メッセージアプリの新着の通知。
そこに中瀬の名前があった。
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