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第189話 気になる名前
え?
九条って言った?
「…」
九条の名前を聞けば条件反射になる。
まさか関係はないだろうが、どうしても気になってしまう。
「お、お父さん…。九条グループって何?」
祐羽がそう訊くと、亮介は自分の仕事の話に興味を持ってくれたと喜んで説明してくれる。
「あぁっ、あのな。KUJYOって会社があって、色んな分野に進出してる今かなり勢いのある会社だぞ?関連会社が多いからグループってなってる。まぁ、大抵子会社は別の名前名乗ってるからな。会社勤めしてなくて仕事に関係ない祐羽とか若いヤツらはKUJYOグループがどれだけ関連してるか知らないかもな~」
「へぇ…。そんなに大きな会社なんだ…」
偶然?
名前が同じというだけで、関係ないはずだ。
九条さんはヤクザだし。
ヤクザは風俗とかホストクラブの店したりだから関係ないよね…。
「あなた、張り切るのはいいけど無理しないでね」
「分かってるよ~!でも今が一番の頑張り時だし、俺も物凄く遣り甲斐感じてるんだ!!」
「あなた…」
亮介は真剣な顔で宣言した。
「絶対に上手く纏めてみせる!!だから、少し仕事で忙しくなるし迷惑かけることもあるかもしれないが、頼むな」
そう言われて、自然と口が開いた。
「うん…。頑張ってね」
けれど祐羽の意識は既に別のところへあった。
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