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第197話 相手は

「そうだよ!中瀬さんなら部下だから契約の事も知ってるだろうし教えてくれるはず」 名案だぁ~と呑気に切れていたスマホの電源をオンにした。 もう中瀬達には二度と会わないとか何とか内心で豪語していたが、これは病むに病まれない事情だ。 そう自分に言い聞かせ画面が浮かび上がるのをジッと見た。 スマホが起動すると、そこには通知が幾つも来ていた。 そこにメッセージアプリの通知もあって、ここにきて漸く級友が自分にメッセージを送ってくれていた事を思い出した。 そうだった。 心配かけてたんだよね、昨日。 「返事しとこ…っと」 アプリを開いて何気に目に飛び込んだ見知った友人のアイコン。 いつも連絡を取り合う馴染みのアイコンで判断した祐羽は、半ば無意識にタップしメッセージに返事をする。 終えてから後に回していたアイコンを見た。 「うわぁぁぁ…っ!!!!!?」 そしてそれを見た祐羽は驚きに目を見開き叫ぶと同時に、熱い物に触ったかの様に持っていたスマホをベッドへポイッと投げた。 「…っ、…、な、なんで…?」 反射的に椅子の上に両足を乗せた祐羽は、膝を抱え丸まってビクビクしながらベッドに放り投げたスマホを見た。 止まるかと思うほどに心臓が大きく拍動して、全身に熱が回る。 スマホから視線を外せないし、何も考えられなかった。 そうして暫くして心臓が落ち着いてから、祐羽は緊張に唇を舐めると漸く椅子から足を下ろし立ち上がった。 それから恐る恐る近づくと、ベッドの下に座る。 そっと手を伸ばして、指先でサッとひっくり返した。 「嘘だ…嘘。み、見間違いだよね…?」 それはアプリに組み込まれた未設定用のアイコンだった。 祐羽のアイコンは、祖父母の家で飼われている柴の仔犬『コロ兵衛』だ。 そのモコモコした可愛さとは対称的に、相手の物は紫に中心を白い人の形が切り抜かれた無機質なアイコン。 それなら祐羽の所属しているバスケ部員にも二人ほど居るので、そこまで驚くような事ではない。 何がそんなに驚いたか。 「ホントに、九条さん…?」 そこに九条の名前があったからだった。 ※アンケートの結果、企画は

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