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第385話 番外編『九条一臣の1日』★
※九条の過去話。全く甘くない九条。
※社長とヤクザな生活のある1日の出来事。
※以下の注意事項に抵抗ある方で読みたくない人は★ページだけ読んで下さい。
【注意】
※女との絡みシーンあり(恋愛関係なし)
※女への扱いが酷い。
抵抗ある人は読まないで下さい。
★・・・・・・・・・・
九条一臣の朝は基本、比較的ゆっくりとしている。
無駄に広いベッドは、高身長の九条には必要不可欠。
九条が寝ても左右に十分な余地がある。
アラームが鳴ると同時にスッと目を開けた九条は、直ぐに止めた。
それから悩ましげに落ちた前髪を長い指で掻き上げると、ムクリと起き上がった。
浴室へ向かう姿は下着1枚。
見事に鍛えられた上半身を晒している。
シャワーを浴びて準備を整えると、朝食にとりかかる。
とはいえ、主にとるのはコーヒーだけだ。
コーヒー片手に情報収集がてらテレビを点ける。
しかし耳で必要なワードだけ拾うが、そちらへは目もくれず。
タブレットから政治・経済、株や海外の動きを確認する。
メールが届いているので、こちらも内容を確認。
いつも朝から忙しなく、九条の脳が落ち着く暇は無い。
小一時間もして最終の仕度を済ませてしまえば、丁度いい時間になる。
そこへ、時間ぴったりに玄関のインターホンが鳴った。
「社長、おはようございます」
部下の眞山が迎えに来たのだ。
こうして眞山が迎えに来るのは、九条が会社を興してからほぼ変わることがない。
九条は荷物を眞山に預けると、地下駐車場へと向かう。
そして、車の後部座席に身を預けると会社へと向かった。
「今日のスケジュールの確認を致します」
「…頼む」
そう言って九条は窓から流れる外の景色に目をやる。
そうこうしているうちに、車はスムーズに会社へと辿り着いた。
九条の会社は都内の一等地にある高層ビルにある。
若い頃に起業してから、メキメキと頭角を表し業績を伸ばすと、それからも業界で注目を浴びる程に会社を大きくしていった。
そして30代で高層の自社ビルを建てたのだ。
目立ちたくはないとはいえ、若くして多角経営で業績をここまで伸ばしたという事で注目を浴びてしまった。
そこで直ぐに九条は表舞台から姿を消した。
なので、九条の容姿が世間一般に大きく知られることは無い。
社員や取引先のトップしか会うことはないからだ。
とはいっても目立ちすぎると裏家業に支障が出るので、目抜き通りからひとつ中に入った道沿いにビルを建てているし、大きいプロジェクト等では自らが出て契約を確実にしている。
こうすることで、威厳は持たせてもあまりハデな事は控える形をとっていた。
出る杭は打たれる。
打たれる前に『へし折る』タイプの九条には問題ないが、面倒は避けるに限る。
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