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「あれ、部長?副部長も」 どうしたんですか?なんて呑気な祐羽に宇佐美と高橋はニッコリ笑う。 「あぁ、丁度良かった。月ヶ瀬に用事があったんだ」 「先生、もういいですか?」 返答を待つこともなくサッサと教師から祐羽の腕を強引に取り返すと、宇佐美と高橋はガッシリ祐羽の肩に手を回した。 「じゃぁ行くか」 「え、あ、はいっ。し、失礼します!」 祐羽は教師にペコッと頭を下げると、引かれるままに歩き出した。 その後ろでは「ありがとな、月ヶ瀬」という声に混じって「残念でした~」という楽しげな他の教師からの声が聞こえた。 部活の先輩二人に連れられた祐羽は、バスケ部顧問への練習試合の確認等の話に付き合わされた。 話を側で聞きながら(早く試合に出られる様に練習もっと頑張ろう)と思いを強くした。 そんな決意を新たにして目をキランッとさせる祐羽を宇佐美と高橋はヘラッと見つめるのだった。 話が終われば解放かと思いきや。 職員室を出てから昼食を一緒にしようと言われる。 「あ、はい。じゃぁお願いします」 「よっしゃ!!」 「じゃぁ中庭にあるテーブルん所で待ち合わせな」 先輩からの誘いに、たまにはつき合おうと頷くと、二人とも大喜びだ。 祐羽もせっかくだしバスケについて色々訊いてみようと思いながら教室へと戻った。

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