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いつも一緒に食べる友人に断りを入れて中庭へ向かうと、もう既に二人は座って待っていた。 「先輩!!すみませんっ」 慌てて駆け寄ると優しい笑顔で迎え入れてくれる。 「いいよ、全然待ってない」 「お腹空いたし、早く食べようぜ」 祐羽も座るとさっそく弁当を開いた。 ここは人気スポットだが、昼食時間を少し過ぎたからか、有り難いことにテーブル席は少しだけ空いていた。 「外で食べるのもいいですね。僕、いつも教室なんです」 「俺たちも教室か食堂だな」 宇佐美と高橋は同じ部活の部長と副部長。 おまけに同じクラスだから自然といつも一緒らしい。 「あとは好みも一緒なんだよな」 「そうそう。そうなんだよな~」 何故かバチバチと火花を散らす二人。 「あっれ~?先輩達なぁ~に楽しい事してるんですか?」 そこへ現れたのはバスケ部イケメン代表の渋谷。 そしてドカッと祐羽の隣に座り込む。 「「渋谷~~~っ!!!」」 ニヤッと笑う渋谷を宇佐美と高橋が睨み付ける。 賑やかなお昼ご飯になったな~と呑気に思いながら祐羽はおにぎりを口に運んだ。 そんなこんな祐羽の日常だった。

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