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第427話 2

ジャーンと披露した表紙は、人気マンガ家が繊細なタッチで細かく丁寧に描いた男キャラが。 パープルとブラックがメインの色使いが綺麗で、整った顔の男キャラの謎めいた雰囲気がよく伝わってくる。 「悪役として出てくるけど本当にカッコよくて、でも実は悪いだけじゃないんだよ!時々主人公を助けてくれたりして優しい所が好きなんだよね。あと謎だらけでさ」 祐羽が珍しく鼻息荒くフンフンと語っている。 「きっと何か理由とかあると思うんだけど…名前はマッドネスって通称で呼ばれてて、」 「分かった」 そこまで一気に捲し立てると、篠崎が制止する。 「月ヶ瀬がそのキャラが大好きなのはよーく分かった。で、興味湧いてきたから俺も読みたい」 「えっ!?本当に?」 篠崎のことばに祐羽は目を輝かせた。 マッドネスの良さを伝える絶好のチャンスだ。 仲間が増えるとルンルンになる。 「じゃぁ、僕の持ってるマンガ1巻から貸そうか?あ…いらなかったらゴメンね」 あまりの嬉しさについつい勢いづいてしまったが、強引に薦めるのは違うだろう。 そんな祐羽の気遣いはどうやら無用だったらしい。 「えっ、マジでいいの?じゃぁ貸して」 「うん。それじゃあ今度持ってくるね」 「えっ?!俺も貸して欲しい!!」 そのやり取りを聞いていた滝本が俺も俺もと割り込んで来た。 「お前は原に借りろよ」 「いや、お前が原から借りろよ。俺は月ヶ瀬から借りる」 「誰がお前に~、バカ本!!」 まさかの争いが始まり、気がつけば周囲からの視線が痛いことになっていた。 「待って、ちょっと、ほらっ他の人に見られてるから!」 「「「!!!」」」 そこで漸く3人も自分たちが注目を浴びていることに気がついて、口を閉じた。

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