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第428話 3

そして肘で小突きお互いのせいにしあう。 「取り敢えず本買ってお店出てから決めようよ」 祐羽の提案に全員がすぐさま頷き店を出た。 「あっ!!」 祐羽は映画館の前のポスターに足を止めた。。 そこには祐羽の好きな例のマンガのキャラが大きく描かれていた。 九条と食事を終えて店を出て車の停車された場所へ向かう途中。 その側に映画館が隣接しており、告知ポスターが祐羽の好きなマンガの映画上映中のものだったのだ。 あの時アニメ化した作品は、さらに人気が火がついて3年後の今、映画化もされて絶好調。 コマーシャルで流れて以来、絶対に観に行こうと決めていた。 あの時の友人3人とは高校が離れてしまったので、会うことはない。 祐羽は部活をはじめて、おまけに週末は九条との貴重な時間の為、なかなか予定が合わないのだ。 周囲はマンガは読んでいてもアニメの話は一切出ないので、誰にも声が掛けられなかった。 これはひとりで今度観に行こうかと思っていた矢先、こうしてポスターを目の当たりにすると勝手に体が反応してしまった。 「す、すみません」 急に声を上げて立ち止まってしまった自分の隣で、九条もまた黙って立っている。 今はそんな時では無かったと祐羽は謝った。 「それがどうした」 九条がポスターを一瞥して、それから自分を見たので説明を求められていることに気づいた。 祐羽は、この作品がずっと好きだったことや映画を観に行く予定なのだと話して聞かせた。 「なら今から観るか」 「え?」 今、九条さん映画観るって言った!? 祐羽は思わず九条の顔をガン見してしまった。

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