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「お前ら…、このっ!足下ろせ!!」 篠崎が呻きながら上に乗っている原を押し退けた。 「お前らが片付けるの体育館の入り口で待ってるのに、戻って来ないもんだから」 「そりゃぁ何かあったかと心配するでしょ」 滝本がムスッとして、原がニヤッと笑った。 「何もねぇよ…っ!」 己の愚行を見られてしまい篠崎は投げやりに言った。 このふたりに見られたのは誤算だ。 誤算…といえば…。 「ごめん、ふたり共」 3人のやり取りを見守っていた祐羽が割って入った。 「僕がちょっと背中ぶつけちゃって、それで怪我してないか篠崎くんに見て貰ってたんだ」 「えっ、怪我?!」 「大丈夫なのか!?」 滝本が目を丸くして、原が乗り出した。 「ちょっとした擦り傷と打ち身だよ」 篠崎がぶすっと不機嫌に怪我の状態を伝えた。 その時だった。 キーンコーンカーンコーンというチャイムが鳴り響く。 「え?これって…」 滝本が視線を体育倉庫の外へ向ける。 時計を見ると、次の授業の始まりのチャイムだった。 「やばっ!おい、早く戻るぞ!!」 原の声に他の3人も慌てふためく。 「月ヶ瀬早く!!」 「うんっ!!痛…っ」 「大丈、…!!!」 祐羽も立ち上がる。 着ていた体操服は、傷の確認で見事に捲り上がったままで…。 乳首…!! そして篠崎は目眩を起こした。 「篠崎くん?!どうしたの、大丈夫?!!」 服を下ろした祐羽は、その場に蹲った友人に駆け寄る。 「篠崎くん?!ねぇ、篠崎くん…っ!!」 祐羽の必死な声に申し訳なく思いつつも、間近に見た乳首の威力は絶大で…。 下半身が元気になりつつあり、暫くその場から動けなかった篠崎だった。

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