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そんな祐羽と組員達がお茶をしている最中だった。 「姐さん、大変です!!」 組員のひとりが血相を変えて入って来た。 電話と防犯カメラをチェックする当番の田中だ。 「どうしたの?!」 祐羽はただ事ではないと、顔色を変える。 「いいいい、今…!外に山猫組の奴らが!!」 「えっ!?山猫組が…!?」 祐羽はガタッと立ち上がった。 山猫組は猫村組長が猫好きばかりを集めて作った組で、近年の猫ブームに乗っかって勢いのある敵対勢力だった。 「クソッ…会長の居ない時に限って…!」 組員が悔しそうに声を漏らした。 隠してはいるようだが、狼推しの犬好き九条。そんな九条は猫を一匹たりとも組事務所にも、もちろん家にも入れたことがない。 それなのに、留守の間に猫に侵入されたとなれば大ダメージを受けるに違いなかった。 「…ここは、僕が」 「「「姐さん…!?」」」 祐羽の決意に他の組員達が驚く。 いつも呑気で頼りないと思っていたのに、なんと頼もしい…!! 「ここは僕が交渉します!!」 こうして、祐羽は敵対組織である山猫組の猫村と相対することになった。

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