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「お前が九条のツレか」 「祐羽と申します。九条の留守に勝手に上がられては困ります。お引き取りを」 山猫組の猫村は九条よりは低いものの山猫だけあって大きい。 祐羽は見上げる形で対峙している。 極道の妻ならコレでしょ?!という思い込みから着物姿の祐羽。 一生懸命に極妻らしく睨みを効かせる。…あまり効いてはいないが。 「そいつは聞けねぇお願いごとだな」 猫村が鼻で笑う。 「なら、全力で排除するまで!狼の力を舐められては困ります!!」 「そうか…。犬っころが素直にしてればいいものをよ」 その言葉と共に銃声が鳴り、祐羽の側の組員達が倒れた。 「うっ、、、」 「み、みんな…!!」 不意打ちで手足を撃たれ、もう動くことも出来ない。 ここは自分が守らねば!と祐羽は庇うように立ちはだかった。 「これ以上は好きにさせない!!」 「ほう。負けると分かっていてその態度。威勢がいいな」 丸腰の祐羽には勝つ術は無い。 けれど、ここを守らずして九条の妻を名乗ることは出来ない。 「よし、そいつを捕まえろ」 「えっ?!」 「威勢がいいのが気に入った。俺のオンナにしてやる」 そう言うやいなや山猫組の組員達が襲い掛かって来た。

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