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おまけ・2
「あぁーーーっ!!何するんですかーっ!?」
驚きと悲壮な声で半ベソ祐羽が抗議をする。
「バイトはしなくていい」
「酷いっ!僕だってそろそろ自分で働いて、…」
「何だ」
「……欲しい物があるんです。だから、バイトしてお金が欲しいんです」
「何が欲しい?言え。買ってやる」
「九条さんばかりに出して貰うのは申し訳ないです。それに、今欲しいものは自分で買いたいんです。
…それに自分のお金じゃないと意味ないもん」
祐羽が少し顔を俯けて、ボソボソと何か言っている。
どうもハッキリとしない。
「とにかく僕、バイトしますから。週末は外して貰えるように聞いてみますし…」
「酔った客に絡まれたらどうする」
「大丈夫です。その時は対処します」
むんっと両手をグーにして、自信満々に顔を輝かせる。
「居酒屋は大きな声で挨拶して沢山の注文を熟さなければならん上に、空気も悪い…。お前にできるのか?」
「はい、頑張ります!だから、お願いします!!」
「…いいだろう」
九条のオッケーの言葉に祐羽は笑顔を浮かべた。
しかし、ことは簡単には運ばなかった。
「これから居酒屋・祐羽の開店だ」
「は?」
祐羽は怪訝な表情を浮かべた。
「面倒な客を俺が演じてやろう。それを上手くあしらえれば、お前のバイトを認めてやる」
そんなわけで、祐羽は九条相手に居酒屋ごっこをすることに。
しかし、これは巧妙に仕掛けられた罠だったのだ!!
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