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ひとりで行動しない、という約束を確認して祐羽達は観光の続きを楽しむことにした。 どこへ行くかは多数決で祐羽と外崎の希望で美術館へ行く。 時間があまり無いので特別展だけ見て、次は中瀬と祐羽希望の広島城へ向かい昔に思いを馳せながら見て回った。 意外にも中瀬も歴史は好きな様で、祐羽の知らない知識も教えてくれて楽しく勉強になった。 それから直ぐ側にある中央公園の方に人が流れて行くのを見て祐羽はキョトンとした。 「何かあるんですかね?」 「行ってみるか。時間もまだあるし」 中瀬の提案に「そうですね、見てみますか」と外崎が頷いた。 「それはいいんだけど…目立つよな」 祐羽達以外、旭狼会の他に紫藤組の組員もふたり着いて来ていたので、大人数になる。 おまけに大柄、強面揃いで目立ちすぎで、擦れ違う人が奇異な目で見てくる。 「確かにそうだな」 「ええ、そうですね」 中瀬の言葉に柳と外崎がウンウンと同意した。 そんな理由から祐羽、中瀬、外崎、柳のスマートなメンバー以外は少し離れて組ごとに分かれて着いて歩く事にした。 「これで周りの視線も気にならないな」 「えっ、気になりますよ…」 中瀬の清々したといった言葉に祐羽は頭を抱えた。 確かに白田達には悪いが、ちょっと強面な男達が居ると居ないでは違うが、今は中瀬をはじめとした外崎と柳が別の意味でちょっと視線を集めているのだ。 「おっ、フードフェスしてるらしいぜ」 中瀬が立てられている旗を指差し示しながら嬉しそうに言った。 「お腹いっぱいですけど」 柳が呟くが誰も聞いていない。 「デザート系みたいですね。美味しそう」 外崎が頬を緩めながらフフフッと笑う。 「あっ、あれ有名なプリンですよ!」 そんな外崎の腕にくっついて祐羽が揺さぶる。 「あっ本当だ。私も前から食べたかったんです」 「じゃぁ行きましょう!」 「よっしゃ、デザート食べまくろう!」 中瀬のことばに三人で「おーっ!」と掛け声を上げると、きゃいきゃい騒ぎながら会場へ向かった。 そんな姿を見守りつつ柳は不特定多数の会場に警護が大変だと気を引き締める。 お前らもしっかりしろよ!と思いながら組員達を振り返った。 しかし組員達はというと、三人組のはしゃぐ姿に(可愛いなぁ)といった心駄々漏れなだらしない表情を見せていた。 今度こそ柳は溜め息をついた。

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