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可能性とすれば風呂かトイレだが、今の行動履歴から考えて不特定多数が出入りして祐羽の下半身を見れる場所はトイレしかない。 一体いつ何処で遭遇したのか…やっかいな相手に目をつけられたな、と九条は舌打ちした。 「眞山、悪いがうちの律も絶対ひとりにしないように中瀬に頼んで欲しいんじゃけど。できたら祐羽くんと中瀬のセットで行かせてくれ。他の組員は駄目だ…気ぃ抜くと、すーぐ律をエロい目で見るけぇの」 紫藤の言葉に眞山は外崎を思い出して納得したが、加えて祐羽と中瀬のスリーショットは余計に人目を引きそうで大丈夫だろうかと不安にもなる。 「伝えておきます」 しかし他に組員も居るから大丈夫だろうと思い眞山は頷いて通話ボタンを押した。 「おいしかったですね!」 「そうですね」 お好み焼きを食べ終わり店を出たところで満足そうに溢した祐羽の言葉に外崎が応え、中瀬も満足そうに頷いた時にスマホが震えた。 「あっ、眞山さんだ」 ちょっと待って、と電話に出ると道の端に寄って話を始める。 暫くして通話を終えた中瀬に祐羽が興味津々で視線を向けた。 「何だったんですか?」 「いや、全員行動で絶対に離れるなってさ。トイレも俺とお前と外崎さんが行くときは必ず3人セットで中まで行けってさ」 「迷子になりそうだからですかね?」 祐羽が首を捻ると、中瀬も少し首を傾げる。 「たぶん。お前なんか特に迷子になるタイプだろ」 「私は迷子になりませんけど…」 「俺もです。けど、社長と紫藤さんからの指示だそうなので」 外崎は戸惑った様子だったが、中瀬のその言葉を聞いて頷いた。 「隆成さんがそう言うのなら守ります」 普段勤務中は殆どトイレに行かないし、外で行く時は必ず紫藤が一緒に行っていた。 生活の中心は紫藤で、外崎の人生の90%は紫藤が占めている。 その外崎にとって命令を受け入れるのは当たり前のことだった。

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