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九条の視線を受けても何のそので、塔ノ沢はククッと笑う。 何も知らない女性が見ればカッコイイだろうその笑い方も本性を知っている九条と紫藤からすれば、心底吐き気がする。 「怖い怖い」 「目障りだ。どっか行け」 大して怖いと思ってもいないその口振りに、九条が話しは終わったとばかりにポケットへ手を突っ込むと塔ノ沢は口を尖らせた。 「え、残念。じゃぁ最後に、」 まだ何かあるのかとジロッと睨むが勿論相手が怯むこともなく、口をニィッと意地悪く歪ませた。 「あのちっちゃい口に咥えさせてんの?それとも、あの可愛いおちんちん九条が咥えてあげてるの?」 「どういう意味だ」 セックスしてるのは事実だが、咥えさせるのは早いと思いまだ何もしていない。 祐羽が慣れてからと思っているので、今は気持ち良いことだけをしてもっと自分からセックスを求める様にと大切にしている。 しかし、そんなことよりも「あの可愛いおちんちん」発言は聞き逃せない。 「あっ、どっちもか~!無理矢理咥えさせて喉まで突っ込むのも気持ち良さそうなだよな。そのまま口に出して…ってお前のデカイちんこ入るの?」 「お前、祐羽に会ったな?」 九条の問いかけに一瞬言葉を止めて目をパチクリさせた塔ノ沢は笑った。 「は?何のこと?」 先程までのヘラヘラとした態度は何処へ行ったのか、最後にはいつもの外面良しの賢そうな優男へと戻る。 「あっ、近藤組長!お久し振りです!!」 「おお、塔ノ沢」 塔ノ沢はそのまま部下と共に別の組長へと挨拶へと向かっていった。 「眞山」 「はいっ」 「報告あったか?」 「特に何も聞いておりませんが…」 あの内容からして祐羽と会った可能性が高く、それも下半身も見たということになる。 けれど報告は無いということは、祐羽に異変は無かったということだ。 祐羽は分かりやすいタイプで、喜怒哀楽がはっきりしている。 何かトラブルで怖い思いや困れば話をするか相談するだろうし、顔に出るだろうが今回はそれがない。 ということは、祐羽にとっても大ごとにする必要が無く自然な形に近いということだ。 「おい。アイツを絶対ひとりにするなと言っとけ。トイレも中まで中瀬に着いて行かせろ」 「はい、分かりました」 眞山は頷くとスマホを取り出した。

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