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「お前もだよ?学校帰りとかいつも男に囲まれてるだろ?!」 「いや、それは部活の…」 その言葉に祐羽が勘違いだと眉を垂らし反論しかけると、中瀬がキッと睨んでくる。 「それを自覚が足りないって言うんだよ!可愛い顔してるし小さいし、そんな困った顔するな~っ!」 「いや、可愛いくはな、」 祐羽の声は中瀬の勢いに遮られる。 「ふたりとも男が変な気持ち起こすからそういう顔は禁止!!ったく、もうっ」 中瀬にプリプリと指摘されて怯んだふたりだったが、我に返るとほぼ同じタイミングで口を開いた。 「中瀬さんもアイドルみたいなイケメンですよ?!」 「中瀬くんも綺麗な顔してるから同じだよ!?」 だから中瀬には言われたくない、何を言っているんだと、ふたりがプリプリすると今度は中瀬が怯んだ。 「なっ?!」 同時に同じ様なことを言ったことで祐羽と外崎は顔を見合わせて笑い、中瀬は恥ずかしさから言葉に詰まった。 「とにかく、脱出の時は本当に気をつけようね」 「はいっ!」 外崎の言葉に祐羽が頷くと、中瀬が「とにかく、助けを求める相手はよく見てくださいね」と力なく念押しした。 「まぁとにかく、隙があれば誰かひとりでも逃げる!他のふたりは気にしない、振り返らない!で行きましょう」 「嫌だけど…それしか方法ないもんね。やるしかない」 「ひとりでも脱出できれば、会長に助けを求められるから、解決も早いと思うんで」 「交渉して確実に解放されるとは限らないし。それなら直接ここを特定して貰った方が早いよね」 三人で逃げたいけど…もしもの時は、頑張って逃げて助けを求めよう。 捕まっても九条さんが助けに来てくれるはずだもん。 祐羽は恐ろしさに内心大きく震えながらも、顔には出さない様に歯を食い縛った。 ふたりが頑張っているのだから、これ以上心配させたりしてはいけない。 自分も自分なりに頑張らなければ。 ここから逃げ出せれば、九条に会えるのだから。

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