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そのうち発車のベルが鳴り、思わず走り出そうとした外崎の肩を紫藤が止める。 「外崎さんっ、またっ、また会いに来ますからーっ!!」 思わず叫んだ祐羽。 無情にも新幹線はホームを離れ、東京へと走り出したのであった。 暫くわんわんと泣きながらくっついていた祐羽と中瀬。 そのうち泣きつかれてしまい、お互いがお互いに寄り掛かる形で眠ってしまった。 今日ばかりは中瀬もお目こぼし。 九条は別の席に座り、流れる景色の向こうへと視線を投げるのだった。 ◇◇◇◇◇ 広島から戻って三日。 祐羽は九条の家にお泊まりで、午後の時間をソファでまったりと過ごしていた。 スマホのファイルにある皆で撮った写真、といっても主に中瀬と外崎しか写ってないが…を眺めては、思い出話をしていた。 これで何度目だろうか。 九条は祐羽の繰り返される話に、文句も言わず付き合ってくれている。 特別旅行について語り合うことはないが、祐羽が何か言えば、定期的に「そうだな」とか「よかったな」等、簡単に返してくれるのだ。 そのせいで、九条は耳タコ状態であったが。 「本当に楽しかったです!また会いに行きたいなぁ…」 祐羽がそう言いながら寂しそうにガックリ肩を落として寄り掛かると、それを聞いた九条が思いも掛けない事を言ってきた。 「楽しいだけじゃなかっただろう」 その一言に、祐羽はビクッとして九条を見た。 見つめる瞳は動揺に揺らめき、それを九条に見返される。 九条さん…?

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