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お尻の下のアレが既に硬いのは気のせいでないからだ。
恋人とのセックスは嫌では無いのだが、既にお疲れモードの祐羽。
お風呂気持ちいいなぁ…。
できるなら、このまま入っておきたいかも。
大きく逞しい九条の体に背中を預ければ、とても楽だし心地がいい。
これなら、本当にいつまでも入っていられそうだ…と、あまりの気持ちよさに目がトロンと落ちてくる。
こっくりと船を漕ぎ始め湯にポチャンとなって慌てて顔を上げる。
「おい。大丈夫か?」
「は、い…」
再び船を漕ぐのを九条が支えてくれ、益々心地よさに拍車がかかる。
何度か目を瞬きさせるものの睡魔には勝てず。
そうして案の定。
まだまだ続く夏に思いを馳せつつ、心地よい眠りの世界へと旅立つ。
「おい…祐羽」
その幸せそうにスヤスヤ眠る顔に、九条が「眠りすぎだ」と、優しくキスを落としてくれたことなど知る由もない。
今夜も恋人の気持ちなどお構い無しで、呑気で楽しい夢を見るお気楽な祐羽だった─。
第二部・完
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