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そういう訳で幾つかの階層毎にラウンジが設けられており、その内装もそれぞれ全く違っている様だ。 素人三人で利用する勇気は無いので、今回は別棟の施設見学へと向かうこととする。 特定の階層毎に廊下が設けられており、そこを渡った先に多目的な施設が設けられていた。 およそ廊下らしくない廊下を歩いて行く。 さすが高級マンション。 内廊下はもちろんだが、壁ひとつ灯りひとつとっても目を見張るものがある。 「ここは温水プールです」 祐羽がパンフレットを片手に、案内をしていく。 「広いね」 「今日は準備してないから無理ですけど、今度三人で泳ぎに来ませんか?」 外崎のビックリした顔に祐羽はそう提案してみる。 「え?僕部外者だけどいいのかな?」 「住んでる人の許可があれば大丈夫みたいです。今日もこのカードキーが身分証明になるみたいですし、九条さんが連絡入れてくれてるので」 「そうなんだ。だったら泳ぎたいかも」 「よし、決まりですね!」 外崎の素直な気持ちに中瀬が親指をグッと立てた。 三人はプールを楽しみにしつつ、先に進む。 「ここに室内テニスコートがありますね」 「やってみたいな」 中瀬が呟き三人揃って窓から覗いてみれば、コートは全部で二面あるようだ。 そこのひとつで男三人と女性三人が楽しそうにテニスをしていた。 「でもラケットとか持ってないもんね」 そう外崎が残念そうに漏らすと、ちょうどテニスを終えドアから出てきた老齢の夫婦がいいことを教えてくれた。 ラケットの予備があるということで、それを借りていざ! 空いてる奥のコートを目指して歩いていれば、「きゃぁっ!」という女子の甲高い声と共にテニスボールが転がって来た。

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