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その男達に護られる様に、グレーのスーツを身につけた中年の男が悲壮な顔をして入ってきた。
「友人は全員外に」
そう黒服に指示をして、何がなんだか分からないまま男の友人達は外へと連れ出されていく。
「え~、まだ見たいのにぃ」という女子の騒ぐ声がドアの閉まる音と共に消えた。
同時に出入口付近の窓は、外側から黒服数人が隠す様に立っている。
「お待たせして申し訳ございません!!」と中年の男が九条に頭を下げると、直ぐに男の元へと駆け寄った。
えっ、ん?この人達、誰?
何が起きてるの?
脳ミソぐるぐるな祐羽をおいてけぼりに、九条達の話は進んでいた。
「こっ、こっ、このっ…バカがっ!!」
物凄い剣幕で怒鳴ったと同時に、男の頭をグーで殴る。
「いってえぇぇーーーっ!!何するだよ、親父?!それよりもコイツらが、」
「コイツらじゃない!!お前は黙れ!!頭を下げろ!!」
そう言うなり、父親は息子の頭を無理矢理下げさせる。
「愚息が大変申し訳なく、私からも心からお詫び致します!どうかご容赦のほど…!」
冷や汗をダラダラ流し、ひたすらに九条へ頭を下げる父親に男は目を丸くする。
「俺もここで長話するつもりはない。後で眞山に連絡寄越せ」
「は、はい!後程、必ず連絡をさせて頂きます!!」
「それとコイツらに頭を下げろ」
「はいっ!ほら、お前も謝れ!!」
「えっ、何で俺が」
「この先まともに暮らしたいなら、誠心誠意、頭を下げるんだ」
「!!?」
父親のいつにない真剣で切羽詰まった様子に男も本気で不味い事態を察したらしく、一瞬の迷いの後、深く頭を下げた。
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