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「何、笑ってんだ!!」
怒声を発する男にビクッとなる外崎と祐羽を中瀬が下がる様に声を掛け、後ろに庇う。
「おい。眞山、電話しろ」
食って掛かる男を相手にせず、九条が指示を出すと眞山が直ぐ様スマホで何処かへ連絡をする。
「どうでもいいが、俺の親父はなぁ議員してんだよ!それも与党幹事長だぞ!?後悔しても遅いからな!!」
その言葉に他の男達も勇気を貰ったのか、囃し立てる。
どうやら大物議員の息子ということで、怖いもの無しの様子だ。
さすがに九条達の圧力に負けてはいるが、震える体を我慢して威勢だけは負けまいとしている。
しかし、その様子に紫藤がやれやれと呆れた視線を向けた。
「負け犬がよく鳴く」
これには男達全員が憤怒し、ギャーギャー喚き始めた。
そんな相手を見て、外崎が青褪める。
「隆成さんっ、また余計なひと言を!」
案の定「本当の事を言われて恥ずかしいんじゃろう?ん?そのナマっちょろい腕で俺に勝てると思うとるんか?笑わしてくれるのぉ」と楽しそうに煽る。
「テメェ!!」
カッとなった相手が殴り掛かってきて少しだけ拳が掠ると、ニヤッと笑った紫藤がお返しとばかりに腹に一発入れる。
「…ッ!!!」
殴られた男は声も出せずその場に踞り、動けない。
「正当防衛じゃ。手加減してやったけぇ感謝せぇよ」
「りゅっ、隆成さん…!」
随分手加減したのは分かるが、一般の素人相手に暴行罪にも成りかねない。
そんな外崎の心配をよそに、紫藤は楽しそうに次の相手とヤル気満々だ。
「紫藤さん。そこまでにして頂けますか?」
「あん?」
「到着された様です」
そう言った眞山の視線の先はテニスコート入り口。
そのドアが開いたかと思うと、そこから数人の黒服の男達が雪崩込んで来た。
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