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祐羽の学校では体育祭と文化祭が毎年交互に訪れる。
ちなみに今年は文化祭で、二日間に渡って行われる学校の一大行事である。
生徒の大半がとても楽しみにしている行事とあって、体育館内は一瞬で盛り上がる。
(文化祭か…。うちのクラスは何をするんだろ?楽しみだなぁ)
祐羽ももちろん文化祭にワクワクするひとりだ。
周囲も文化祭への期待から、その後は少しソワソワした全校集会となった。
その日の五時間目。
各クラスでは、文化祭についての話し合いが行われていた。
昼休憩に各クラスの文化祭実行委員は生徒会室へと呼び出しを受けて、大まかな出し物が決まっていた。
一体何に決まったのか、祐羽を含めクラス全体が固唾を飲む。
「これから文化祭についての話し合いをしたいと思います。まずは何に決まったのか、ですが、昼にくじ引きをして来ました」
「おいっ、何に決まったか早く言えよ!」
「気になる~!はーやーくー、もったいぶってないで言ってよ~!!」
せっかちな男子と騒がしい女子の声に周囲も乗っかってワイワイと私語が増える。
クラスでの出し物は各学年で『食べ物』三クラス『ゲーム』各三クラス、『製作物系』と『演劇』が各一クラスの配分となっている。
殆どのクラスが希望するのは食べ物系で、祐羽のクラスも食べ物系という意見が多く、実行委員のふたりは「食べ物系当てて来いよ!!」というプレッシャーの中、生徒会へと見送られていた。
(劇だったら嫌だなぁ…。でも、もしそうだったら木の役か村人その五くらいにして貰いたい)
当たる確率としては食べ物系は高い方だが、外れる可能性もある。
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