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「僕はジュース入れる係りで準備万端なので、今は看板作りとか皆でしていて、それがとっても楽しいんです」 「そうか。良かったな」 九条に話を聞いて貰えて、ついついお喋りが増えてしまった祐羽は「あとで聞いてやるから冷める前に食え」と嗜められてしまった。 「あっ、そうですね」 慌ててカトラリーを手にした祐羽は九条に少し笑われてしまい、ちょっと反省する。 (せっかく作って貰ったのに僕、ダメだな) でも九条がその後の食事中も話を促してくれるので、ついつい優しさに甘えてしまい結局お喋りしてしまった。 それから晩御飯が済むと、いつものように二人でソファでゆっくりする時間帯を迎えた。 祐羽は自室の鞄から文化祭で使えるクーポンを取り出すと、ソワソワしながら九条の元へと戻った。 (九条さん来てくれたら嬉しいな) 中瀬に言われた通り九条は仕事も忙しく、また文化祭に来てくれる可能性は低いとはいえ、絶対とは言えない。 期待に胸を膨らませて、祐羽はおずおずとクーポンを差し出した。 「何だ?」 「えっと、これは今度ある文化祭のクーポンなんですけど」 差し出されたクーポンを不思議そうに見ながら九条に訊かれた祐羽は、なんだか妙に照れくさくなりながらも説明をする。 このプレゼントの如何によっては、もしかしたら来てくれるかもしれないのだから。 「僕のクラスのお店専用クーポンなんですけど、これを使ったらドリンク半額で飲めちゃうんです!」 お得なんですよ、と笑顔でいかにお得かをセレブ相手に一生懸命アピールした。

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