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その為には自分を常に磨き、恋人をたっぷり満足させてやる包容力が必要である。 今まで恋人らしい恋人など居たことのない九条も実は手探り状態でもあった。 九条は布団の上に手を置くと「おい。祐羽」と声を掛けてみたが、恋人の反応は無いままだ。 「俺が悪かった」 そう続けると、少しモゾっと動きがあり祐羽が少し迷っているのが雰囲気から伝わってくるが、出てくる気配は無い。 (この俺がご機嫌取りする時が来るとはな) 昔の自分が見れば確実に笑える光景だろうと笑いが込み上げる。 けれど、こんなのも悪くないと思える自分が居た。 「祐羽…」 それからもう一度囁けば、中からモソッと顔が覗いた。 「…九条さん嫌いですもん」 ムスッとした顔で九条を見上げてまた引っ込んだ。 「おい。祐羽」 「…」 「…祐羽」 「…」 呼び掛けに全く答えない祐羽の相当なお怒りの様子に、完全にどうしていいか分からない。 暫し逡巡していた九条は小さく溜め息をつくと、祐羽のくるまっている布団を優しくトントンし、それから立ち上がると部屋を出て行った。 ドアの開閉音を聞いた祐羽は耳をそばだてて九条が完全に部屋を出て行ったことを確認すると、にょきっと顔を出した。 それからベソベソの顔で股間に視線をやり、ペニスが無事なことを確かめた。 特に変わりはないが、少しズキズキしている。

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