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(本当に九条さん酷い。めちゃくちゃ痛かった!) 皮を剥くとかなんとか言っていたが、ほんの一瞬であれだけ痛いのに、絶対にあれ以上は無理だと思った。 (失敗して血が出たり、バイ菌入ったら怖いから絶対に嫌だ!!それに何か…)九条や先輩のグロテスクな大人ペニスの恐ろしさを思い出して方向違いの心配をする。 (暫く九条さんとエッチなことしないもん)と決意する祐羽は再びウトウトとして、それから目を閉じた。 ・・・・・ 「…ん」 祐羽は眠い目を擦りながら起きると、くぁぁ…とあくびをした。 いつの間にか布団の温もりに二度寝に突入していたらしい。 ゆっくりと瞬きしてから意識を覚醒させるとベッドから降り、それから足音を忍ばせ周囲を確認して、九条が居ないと分かると素早く風呂場へ向かいシャワーを浴びた。 予備で置いてあるロングティーシャツを着てからドアをソッと開け様子を確認した。 するとリビングの方から何か音がする。 コソコソと向かい中を窺えば、九条がキッチンで料理をしているのが見えた。 (九条さんだ。何作ってるのかな?) 「祐羽。起きたのか?」 さすがは九条で、どうやら小さな足音と気配でバレバレだった様だ。 九条は少しだけ振り返ると「朝飯はフレンチトーストだ」と言ってきた。 「えっ!?」 (フレンチトースト?!) 「わぁー、…ッ」 本当は直ぐにでも駆け寄りたかったが、自分が怒っていることを思い出す。

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