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「わぁ~いいね、皆で旅行」 「旅行いいですね!行きたいです」 その提案に外崎と祐羽が賛成だと笑顔で頷くと、中瀬が「さっそく何処に行くか相談しよう」と身を乗り出した。 「海外もいいかなと思ったんですけど、今からだと予約とか仕事の休みとか諸々あるんで難しいかと」 「そうだね。僕も隆成さんが今特に色んな事で忙しいから、ちょっと無理かも」 「僕もお父さんの説得があるので」 中瀬と外崎の話しを耳にした祐羽は、ひとり別の大きな問題を抱えており、切実に困っている事を口にした。 それを聞いた中瀬は納得顔で「ああ…だな」と同情の視線を向けた。 「ということは、国内に決定だね」 外崎はそう言うと、隣でモグモグしながら頷く祐羽の口元にソースがついているのを見つけてナプキンで拭ってやる。 まるで母と子だなと思いつつ、まさか九条に世話させてるのではないだろうな?と中瀬は一抹の不安を抱いた。 「日本でも悩みますねぇ…」 フォークで皿の上を逃げ惑う豆と格闘しながら口元を尖らせて悩んだ様子を見せる祐羽に、ナイフを使う様に外崎が助言してやる。 そんな親子を放置して中瀬は旅行へと意識を注ぐ。 「近場か…それとも大阪とか九州辺りか?四国、山陰。北海道とか沖縄もいいけど、マジで悩むな」 中瀬が大まかな旅行先を上げていくと、全てに祐羽と外崎は『いいね』と頷いた。 「ちょっと待て。全部に頷いたら決められねぇだろ?的を絞れよ、ふたり共!」 そう指摘されたふたりは「だって~決められないんだもん。ね~?」と誤魔化し笑いを浮かべた。

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