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第1017話

そういえば祐羽も応募していたなと、うっかり言いかけて口を閉じた。  ちなみに中瀬と外崎の三人で何度も応募しているようだが、未だに当選していない。 「何時から?」 「十一時からだから、あと少ししたら行くわよ。だからお母さんの事、邪魔者扱いしないでね」 「してない」 ごく僅かにムスッとして見せる息子に、春子が大袈裟に「あー、良かった!邪魔者扱いされたら、お母さん泣いちゃうところだった」と両手を軽くパンッと叩き合わせた。 さすがの九条も母の前では何歳になろうとも子どもなのだ。 九条が祐羽には見せない息子としての側面だ。 そうこうしていれば時間はあっという間に過ぎるもので、春子が約束していた時間が近づいて来ていた。 「そろそろ、お母さん行こうかな。ちょっとその前にお手洗い」 そう言い立ち上がった母に「場所は、」と説明しようとすると「さすがに覚えてるわよー」とウフフと笑いながらトイレへと向かってリビングを出て行った。 それを見送った九条は、母が帰ったら祐羽を起こしに行くかと時計を確認した。 ドタンッ! 「ん?何の音?」 トイレを済ませて出てきた春子は、リビングへ戻ろうとしていた足を止めた。 少し迷い一度リビングを見るが、音の聞こえた方へと向きを変えた。

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