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act.5 Caged Kiss 〜 the 4th day 9 ※
「陽向」
咎めるように名を呼ばれた。雄理は急に俺を抱きかかえて立ち上がる。
「うわっ」
びっくりしてしがみつくと、そのまま傍にあるベッドの上にボンと寝かされた。着ているシャツを捲り上げられて、あっと言う間に脱がされてしまう。
「これからは、お前に触れるのは俺だけだ。わかったな」
胸がいっぱいで泣きそうになる。あそこに戻らないといけないことはわかってる。でもこんな幸せを知ってしまったら、もう無理だ。
せがむように抱きつくと、ゆっくりと顔が近づいてきた。だから、唇が塞がれて言えなくなる前に言ってしまう。
「雄理、大好き……」
口の中を舌でくすぐるように愛撫されると、もう駄目だった。キスしてるだけなのに、どうしようもないぐらい感じて身体が熱い。
雄理の手が俺の股間に掛かる。布越しに触られて、思わず声が漏れた。
「……あ、ぁっ」
そこはもうキツくて、苦しいぐらいに張り詰めてた。
カチャカチャと、ベルトを外す音さえ卑猥に聞こえる。ボクサーパンツごとズボンをずり降ろされると、張り詰めたものが窮屈なところから解放されて弾むように出てきた。その先端はうっすらと濡れてる。まだ何もしてないのに、嘘みたいだ。
「陽向……」
囁きと一緒に軽く唇を啄まれる。こんなに反応してることが恥ずかしくて顔を逸らせば、胸の突起を舌で優しく転がされた。
「ん……っ、ふ、ぁっ」
小さな芯から粟立つような快感が湧き起こって、甘い痺れに声をあげる。その状態で、大きな手が俺のものを握り込んだ。そこはもうガチガチに勃ってて、一触即発の状態だった。
触れられただけで、我慢できないぐらい気持ちいい。先走りがダラダラと滴り落ちて、雄理の手を濡らした。
「ダメ、も、出そう……ッ」
喘ぎながら訴えると、雄理は口角を上げて笑った。すごく色気があってきれいだ。その顔を見たら、もうダメだった。
「あ、ぁ……ッ、ああッ!」
ただ触られただけなのに。簡単に、呆気なく果てた。
白濁が胸の辺りまで飛んできた。荒く息をつきながら自己嫌悪に陥ってしまう。早過ぎて、恥ずかしい。
今まで誰に何をされてもイけなかったのに、今朝はアスカにも容易く負けてる。今日を境に、身体が変わってしまったみたいだった。
飛び散った飛沫を甲斐甲斐しくティッシュで拭ってくれる雄理の優しさが、却って堪える。なんか、すごい屈辱感。
「お前も脱げよ」
乱れた呼吸を無理に抑えながら起き上がって軽く睨むと、雄理はちょっと笑いながらシャツに手を掛けて素早く服を脱いだ。
鍛え込まれた身体は、均整が取れてきれいだ。割れた腹筋に見惚れてそっと触れると、皮膚がしなやかに張った感触がした。
ドキドキしながら俺は雄理を押し倒す。わざと押し倒されてくれたのはわかってるけど、すごく興奮する。
覆い被さった状態で、口づけて舌を挿れれば唇で挟み込まれてちょっと強めに吸われた。気持ちよくて、さっき欲を吐き出したばかりの部分がまた疼く。
もっとキスしたかったけど、また向こうのペースに持って行かれそうだから、名残惜しいまま唇を離して首筋に口づける。
ゆっくりと、キスを落としながら身体を降りていく。弾力のある胸板がすごく気持ちいい。触ってる俺の方が多分感じてる。
腹筋が本当にきれいで、そこに舌を押しあてると、柔らかいけどちゃんと張ってる。その感触が堪らなかった。
「……俺、腹筋フェチかも」
見上げながらそう言うと、雄理が苦笑してた。
「そんな顔をするな。押し倒したくなる」
俺、どんな顔をしてるんだろう。押し倒されても別によかったけど、今は俺の番だ。腹筋から離れて、そのままベルトを外して全部脱がせてしまう。
初めて見る雄理のものは、完全に勃っててすごく大きかった。
なんて言うかもう。ダメだろ、これ。俺、無理かもしれない。
それでも、ちゃんと俺に欲情してくれてるんだと思うと嬉しかった。舌先で先端を舐めてみると、皮膚が熱い。ちょこちょこと舐めてみてから、奥まで咥えていく。
手で根元を弄りながら、口を使って扱く。舌を絡ませて吸い上げて、先端から奥まで口をすぼませながら上下させると、雄理の呼吸が乱れていくのがわかった。
もっといっぱい感じてほしくて夢中で手と口を動かしていくと、口の中でもう一段硬くなる。先端から先走りが出てきたから、小さな窪みに舌を挿し込んで舐め取った。
「ひな、た……ッ」
苦しそうな声が頭上から聞こえる。その声もいい。下半身にくる。
顔を上げれば、余裕のなさそうな雄理が見えた。昂ぶるものは口の中で熱くピンと張り詰めて、小刻みに震えてる。
ああ、イきそうなんだ。音を立てて、一生懸命追い詰めていく。
雄理が軽く呻いて、口の中に勢いよく精が飛び込んでくる。断続的に収縮を繰り返して、全部出し切ったところでその液体を飲み込んだ。ちょっと苦かったけど、吐き出すことは考えられなかった。
フェラしてこんなに幸せな気分になれるなんて、知らなかった。
「雄理、気持ちよかった? いやじゃないか?」
腰に跨がったままキスしに行こうとすると、ギュッと抱きしめられる。こくりと頷かれて幸せだと本当に思った。
「陽向、好きだ」
鼻先の距離でそう言われる。くすぐったくて、妙に気恥ずかしくて、めちゃくちゃ嬉しい。
「俺も、好き……」
ゆっくりと、互いを確かめるようなキス。舌を絡めるうちに、ずっと疼いてた後孔がどんどん熱を帯びていくのを感じる。
お互いイったし、もしかしたらこれでおしまいかもしれない。
そう思ってると、雄理の手が俺の背中から腰に降りて、ためらうように尻を撫でた。
「陽向……」
耳もとで名前を囁かれて、背筋に快感が走る。
後ろも触ってほしいなんて、言ったら嫌われるかもしれない。でも、全然我慢できそうになかった。
「雄理、触って」
勇気を振り絞って、やっとそれだけを言う。恥ずかしくて泣きたくなった。
「身体、起こせよ」
そう言われて、密着してた身体を離そうとちょっと起き上がると、いきなり口の中に人差し指と中指を突っ込まれた。
「ん……っ」
わけもわからないまま舌を絡めてしゃぶれば、雄理がきれいな顔で喰い入るように俺を見る。そんなに見られると、やりにくかった。
「……何だよ」
指を口から出してそう言うと、雄理は眉を顰めながら真剣な目を向けてきた。
「お前、絶対に俺だけだからな」
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