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act.6 Platinum Kiss 〜 the 3rd day 6 ※

目が合って気まずそうに逸らすその仕草に、なぜか欲情してしまう。 伸びた髪を指に絡ませてゆっくりと何度も頭を撫でてやると、またこちらを見上げながら喉奥まで咥えていたものをそっと出していく。 先端だけを浅く口に含んだ状態で、滑らかな舌が窪みに挿し込まれた。ゆるゆると舌先を奥へと押し込み、くすぐってくる。その行為に堪えかねて、つい力づくで引き抜いた。 『一海……ッ、あ……っ』 喪失感に目を潤ませる幸也の身体を引き寄せて口づける。 『ん……っ、ん、……ッ』 向かい合わせに抱き合ったまま、下肢に手を伸ばす。硬く屹立した二人分の熱をまとめて握り込んで扱きだせば、幸也はくぐもった声をあげて身を捩らせた。 『あ、かず、み……、やめ、あぁ……ッ』 唇を離してそう訴えながら引けていく細い腰を抱き寄せて、手を動かしていく。 濡れた蜜が互いの肌を滑らせる。絡み合う快楽は緩やかに頂点へと導こうとしていた。 『や、ダメ……ッ、あ、あっ』 室内を満たす声は濡れて艶を帯び、泣き声のように聞こえた。 やがて背筋をよく知る快感がさざめきながら駆け上がっていく。息を吐いて快楽を逃がすうちに、耳元でひっきりなしに漏れる喘ぎ声が更に甘みを帯びながら上擦った。 『あ、一海、あぁっ、イく……ッ』 下肢を震わせて熱を迸らせる幸也の喉元に、唇を押しあてて舌を這わせる。そこを強く吸い上げて所有印を付けたい衝動を必死に抑えながら、俺も白濁を迸らせた。 欲を放ち脱力する身体をベッドに預けて、乱れた呼吸を整えていく。辺りには撒き散らされた雄のにおいが充満していた。 『一海』 幸也が掠れた声で俺の名を呼ぶ。 『駄目だよ……これじゃあ、僕は』 言葉の続きを奪うように唇で塞いで、舌を挿し込み吐息ごと絡み取っていく。 背中に回していた右手をしっとりと濡れた肌に滑らせて、下肢へと伸ばす。後孔の周りをそっと指でなぞれば、腕の中の身体がビクリと身じろいだ。 怯えている子どもを宥めるように抱きしめると、涙混じりの声がこぼれた。 『優しくしないで……』 涙を流しながらそう訴える幸也のことが、心から愛おしいと思った。 こうして幸也を抱いていると、罪深く懐かしい気持ちが湧き起こってくる。空を陵辱したときのような罪悪感と、もう二度と帰れない場所を恋うような郷愁が入り混じる不思議な感情だ。 吐き出したばかりなのにもう勃ち上がろうとしている俺のものに目をやってから、幸也は起き上がりベッドサイドのチェストに置いていたボトルを手に取った。 『一海』 名を呼ぶ声は震えていた。 『好きなときに、挿れればいい』 そう言って、ボトルを俺に差し出す。 身体を起こして幸也の頭をそっと撫でれば、涙を湛えた物憂げな眼差しが小刻みに揺れながら俺を捕らえていた。 『……すぐにでもお前と繋がりたい』 手渡されたものを受け取りながらそう言うと、幸也は目を見開いて俺を見つめた。その言葉に偽りはない。俺は確かに幸也に欲情していた。 『でも、ちゃんと慣らしてからだ』 そう告げて小さなボトルを傾ける。とろみのあるひんやりとした液体が、ゆっくりと掌を濡らしていく。 萎えてしまった幸也のものに手を掛けて、潤滑剤を絡めるように緩々と扱いてやれば、そこは再び熱を持ちながら勃ち上がってきた。 『一海、や……あッ』 先端からこぼれる蜜を掬っては塗りつけて擦ってやるうちに、嬌声に混じり懇願の声が聞こえてくる。 『も……、一海の、挿れ、て……』 後孔まで垂れた液体を塗り込むように指を挿し込めば、排泄器官であるはずのそこは吸いつきながら異物を咥え込み、緩やかに蠕動をし始めた。 『あ……ちが、んッ、は……ぁっ』 何度もかぶりをを振りながら、幸也は与えられる感覚に堪えるように眉根を寄せて息を吐く。 快楽を必死に拒もうとしているのだとわかった。 『あ、ぁ……ッ、や、ひどく、して……一海』 悲痛な声だった。 たった一度の交わりなら、せめていい想いをさせてやりたい。そんな考えは、こいつにとっては残酷なものなのだろうか。 『かずみ……ッ』 物欲しげに熱を籠らせる中から指を引き抜き、両膝を折り曲げるように押さえつけて脚を割り開く。 昂ぶる半身の先端を濡れた後孔にあてがえば、幸也は潤んだ瞳をまっすぐにこちらへと向けてきた。この世界の終わりを見守るかのような、覚悟の表情だ。 小さな入口に、熱く張り詰めたものを突き立てて挿れていく。 『──っ、あ、あ……ッ』 最奥へと与えられた衝撃に幸也が硬く目を閉じた途端、その目尻から涙が溢れてこぼれ落ちた。 親指でそっと拭ってやれば、また新しい涙が伝っていく。 俺は胸に痛みを覚えながら、細い腰を揺さぶるようにゆっくりと抽送を繰り返していく。 幸也の中は塗り込んだ潤滑剤が滾るかのようにドロドロに融けて、熱く俺を包み込む。 『一海……ッ』 苦しげな息を吐きながら必死に腕を伸ばしてくるから、その腕を引いて身体を起こしてやる。しがみつくように抱きしめられ、それに応えて強く抱き返した。 俺の上に跨って座る幸也は、腰を浮かしては落とす動きを繰り返す。肌がぶつかる度に、繋がる部分から粟立つような濡れた音が鳴り、ぐちぐちと部屋に響いた。 「……ん、ふっ、あァ……っ」 耳元では、啜り泣くような喘ぎがひっきりなしにこぼれていた。 身体中に満ちていく快楽に侵食されながら、髪に、耳に、首筋にと唇を押しあてていく。

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