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第1話
「なぁ、八尺様って知ってるか?」
横断歩道で信号待ちをしていると、前の二人組の会話が聞こえてきた。聞き耳を立てているわけではないが、自然と耳に入ってくる。
「ああ、あれだろ。めちゃくちゃデカい女の化け物で、男を襲うとかいうやつ」
「こえーよな。俺たちも狙われるんじゃね?」
「でも女ならヤらせてくれるかもよ」
「お前の性欲のがこえーよ」
男二人がゲラゲラと笑う。
そんな会話を聞いて、吉良は馬鹿馬鹿しいと心の中で吐き捨てた。
何が化け物だ。こっちは公安刑事だ。化け物なんかより、過激思想のテロリスト予備軍のがずっと恐ろしいに決まっている。
一般人は気楽でいいよな、となぜか苛立ちを感じてしまった。勝手に聞き耳を立てて勝手に苛立たれるなんて気の毒なものである。まぁ、自分は今日で38連勤目だから疲れが溜まっているのだろう。心の中で悪態をつくくらい許されるはずだ。
気づいたら信号は青になっていた。男たちを追い越し、そのまま足を進める。
吉良は、警察庁へ向かう近道である裏路地を足早に進んでいく。深夜だから人通りは皆無で、地面にはゴミが散乱している。治安は最悪だ。女性が通るのはお勧めしないが、自分は立派な成人男でなんなら公安刑事だ。全く問題ない。
すると、ずっと先に一人の女が立っていることに気がついた。白いワンピースのようなものを着ている。
特に何の変哲もない女なのになぜ目に止まったのかはわからない。こんな時間に一人でいるからだろうか。とにかく、パッと目を引く女だった。
カツカツと革靴を鳴らして歩いていくと、どんどんと女との距離が近づいていく。
そのまま女を追い越そうとしたその時。
「え……」
ぎょろり、と赤い帽子から覗く二つの目玉が吉良を凝視していた。ゾッとして吉良も女を見つめ返す。
────この女、何かおかしい。
刑事としての勘ではない。人間の本能が警報を鳴らしている。
まず、大きすぎるのだ。横に並んで初めて分かったのだが、180cm近い自分の身長よりずっと大きい。ギネスに載っていた世界一大きい女でさえ215cmだ。それよりずっと大きい。
そして風貌もおかしい。青白い真っ青な肌に、ぎょろぎょろとした大きな目玉。生きている人間には思えなかった。
────まさか、これが八尺様なのか?
さっきの男たちの会話が脳内をよぎる。たしかに二人が話していた女の特徴にこの女は合致している。
しかし、自分は心霊の類なんて信じない。ただの奇妙な女だろう。そう自分に言い聞かせて女の前を通り過ぎた。
そのまましばらく歩いていると、違和感を感じた。誰かにつけられている。仕事柄、尾行には敏感だ。自分を恨む犯罪者にでも尾行されているのであろうか。面倒なことになったな、と思いながらぱっと振り向いた。
「……は」
吉良は目を疑った。さっきの女が立っていたのだ。30メートルは離れているであろうが、どう考えても自分の後をつけている。
ゾッとして吉良は歩くスピードを速めた。しかし振り向くたびに女との距離が縮まっていく。
────なんなんだよアイツは!
角を曲がった瞬間、吉良は全力でダッシュした。革靴にスーツという走るには不向きな格好であるが、自分は鍛えられた警察官だ。走りには自信がある。さすがにあの女も追いつけないだろう。
「はぁ……はぁ……」
400mほど走った後、吉良は足を止めて呼吸を整える。後ろを振り返るがもう女はいなかった。
ほっとして歩き出そうとしたとき。
「は……」
女が自分の目の前に立っていた。心臓が大きく跳ねて一瞬止まりかけた。
真っ黒な目玉が、ロックオンするかのようにぎょろぎょろとこちらを見つめている。
背中に冷たい汗が伝っていく。
吉良はそのままじりじりと後退りした。
少し間合いをとると、吉良は横にあった廃倉庫に飛び込んだ。女を撒こうと廃倉庫の中をジグザグに走り回る。
しかし、どれだけ走っても、息も切らさず女はぴったりと吉良の後ろをついて回ってくる。どう考えても普通の人間に成せる技ではない。
「くそ……!」
気づいたら壁際に追い詰められていた。女がゆっくりと近づいてくる。ジリジリと後退りすると、ガツンと冷たい壁に背中がぶち当たった。
もう逃げられない。
こうなったら手段は一つ。戦うしかない。
「いい加減にしろよお前!」
ガン、女の腹を蹴飛ばす。正当防衛に男女もクソもない。吉良は女相手にも余裕で暴力を振える男だ。
「なん……で……?」
渾身の力で蹴ったはずなのに、全く手応えがない。女もよろめくことさえなかった。
「ポポポポ……」
「は……?」
女が奇妙な音を発する。声なのかなんなのか全く分からない。動物の鳴き声のようにも聞こえた。
「やめろ!離せ!!」
女の腕が吉良に伸びる。その手はゾッとするほど冷たかった。生きている人間の体温ではない。
「ポポポポ……」
女が大きな口でニヤリと笑う。その表情にを見て吉良は全身の血が冷たくなるような感覚に襲われた。どくどくと心臓の音がうるさい。
ぼこ、ぼこ、と湯が沸騰するような音がした。
ハッとして女の身体をまじまじと見る。
────なんだ、これは……?
女の脇腹がぼこぼこと膨らんでいるのだ。まるで身体の中で何かが蠢いているかのように。
その時、一際大きな音が響いた。
にょきにょきと、女の脇腹から腕のようなものが生えていく。真っ白で長い腕だ。
あっという間に女の腕は四本になった。女はその白い腕を触手のようにうねうねと動かす。
驚愕のあまり、吉良の身体は氷漬けになったように全く動かなくなる。指先さえも動かすことができない。
この女は、やはり人ではない。怪奇だ。この世に存在しないはずの非科学的な存在。
女の冷たい腕が、がっしりと吉良の身体を掴む。そのまま上に引っ張られ、宙吊りのような状態にされた。
「や、やめろ……!」
やっと動くようになった身体をバタつかせ吉良は必死に暴れる。しかし、女の力は異常なほど強く、逃れることはできない。
「ポポポポ」
女がまた笑う。すると、女の手が吉良の首元に伸びた。そのままするするとネクタイを解いていく。
────何をするつもりなんだ……!?
唖然として吉良はただ女を見つめることしかできない。
いつのまにかワイシャツははだけさせられていた。
「……ポポ」
「ひゃ、」
女の細くて白い指が、吉良の乳輪に触れる。そしてくるくると円を書くように胸の突起の縁をなぞった。
「なに、を……はぁ、ん」
くりくり、となぞられるたびに、なぜか背中に甘い刺激が走る。吉良の口から声が漏れていく。
「……ポポポポ」
「はぁ、う……やめろ、触るな!ぁあん!」
きゅっと乳首を摘まれ、吉良の身体は大きく跳ねた。
コリコリと指先で押しつぶされれば、吉良はのけ反ってしまう。
────なんで俺、こんなことされて……!
この女の意図がわからない。なぜ自分の体を弄んでいるのか。
ふと、あの男二人組の会話が頭によぎった。彼らは「八尺様は男を襲う」と言っていた。まさか、性的に襲うという意味だったのだろうか。それに気づいて吉良はゾッとした。人間に陵辱されるだけでも恐ろしいというのに、化け物に襲われるなんてたまったものではない。しかし、身体は宙吊りにされており、逃れる方法は思いつかない。
「やぁあっっ!!」
女の舌がペロリと吉良の乳首を舐めた。そのぬるぬるとした感覚に身震いする。気持ち悪いはずなのに、同時に気持ちいいと感じてしまった。
「はぁんっ!やめ、、やめろよ」
ビクビクと吉良の身体が跳ねる。
女はそれに気をよくしたのか、ニヤリと笑うと執拗に吉良の乳首を責め立てた。
くにくに。こりこり。片方の乳首を指先で転がされながら、もう片方の乳首を舌先でねっとりと舐め上げられる。
(気持ちいい……っ!くそ、こんなことされてるのになんで……っ!)
「お゛ッッ♡♡そこ、、やめろ……っ♡♡やめろっ♡♡」
乳首を触られているだけなのに、気持ちよくてたまらない。頭がおかしくなりそうだ。閉じられなくなった口から、だらだらと唾液が垂れ流されていく。
「ポポポポ(気持ちいい?)」
ポポポポ、としか聞こえなかった音が、突然人間の言語に変換された。いや、これは耳からの情報ではない。頭の中に直接語りかけてくるような何かだ。テレパシーとでも言うのだろうか。
「きもち、い、、い、わけないだろっ!!」
そう言い返したが、真っ赤な嘘だ。もうすでに溢れ出した先走りが下着を通り越してスラックスにまで染み出している。
「あ゛ッッ♡♡!!やめ、、やめろっ♡♡!ぁあああああ♡♡」
ぎゅっと両乳首をつねられた瞬間、身体の中で何かが弾けた。下着の中がぬるぬるする。
(なんでっ!なんでこんなことされて、俺イッたんだ……っ!こんな化け物にっ!)
潤んだ瞳で女を睨みつける。女はそんな吉良を見て、白い歯を剥き出しにしてニッと笑った。
するすると脇腹を撫でる手が下に降りていく。カチャカチャと金属音を立ててベルトが外されていく。
「や、やめろ……っ!!やめろ!!」
スラックスが地面に落ちる。下着も靴も靴下も取り払われ、吉良が纏っているのははだけたワイシャツだけになってしまった。
「ポポ」
女が白濁が絡んだ吉良の性器を指差してクスクスと笑う。羞恥心で顔が赤くなった。
「ポポポポ」
またぼこぼこという音がした。女の脇腹がさっきと同じように膨らみ始める。そして二本の腕が再び生え始めた。
「ひっ……」
六本の腕が生えた女の姿は、まるで蜘蛛のようだった(厳密にはあと二本足りない)。恐ろしさのあまり、吉良の目は女に釘付けになる。
女は自身の指を咥えると、ねっとりと唾液を絡ませた。
そのまま吉良を宙吊りにしたまま脚をM字に大きく開脚させる。そして唾液を絡ませた指で後孔の縁をなぞった。
「やめ、……ぁあっ、そこっ触るな……っ!!」
その感覚に身慄いする。女は吉良のアナルを触りながら、二本の手を再び乳首に伸ばした。
「ひゃぁっっ!!やめ……っ!やめろ!」
くにくにとまた乳首をいじられ、身体がビクビクと震えた。もう吉良の乳首は立派な性感帯になってしまったらしい。そんな状態で表面を優しく触れられれば、吉良のアナルはひくひくと収縮してしまう。
「やぁ♡♡……さわ、、るなぁっ♡♡いや、だっ♡♡」
「ポポポポ」
「んぅ♡♡や、ゆび、……っ♡ナカいれ、るな……っ♡♡」
ぬるり、と指がナカに挿入され吉良は甘い声をあげる。ゆっくりと指が肉壁をなぞっていく。
(アナルと乳首いじられておかしくなる♡♡気持ち悪いはずなのに……っ♡♡気持ちよくなってるっ♡♡)
ずぽずぼ、と指を出し入れされる。その度に吉良の身体はビクビクと震えてしまう。ナカをいじられながら乳首をぎゅっとつねられ、吉良は大きな声を上げた。
「やぁっっ♡♡やめ……っ♡♡んぅ♡♡そこやらぁ♡♡」
ナカのある一点を刺激され頭が真っ白になった。前立腺という場所だろう。わけもわからず吉良は喘ぎ続けた。
(なんだこれ♡♡もうわけがわからん……っ♡♡気持ちいい〜〜〜っっ♡♡)
いつのまにか三本に増やされた指でナカを掻き回され卑猥な水音が廃倉庫内に響いていく。
「あぅ♡♡」
ずるり、と指を抜かれて、吉良は思わず切ない声を出してしまった。まだ足りない。もっともっと気持ちよくしてほしい。そんな思考が頭の中を占めていく。もう理性もプライドも失っていた。
「ポポポポ」
女がワンピースをたくし上げる。
そこにあったのは、ゾッとするほど大きい、血管の浮き出たペニスだった。30cm近くあるのではないだろうか。吉良の顔がどんどんと青ざめていく。しかし、同時にソレを欲しいとも思ってしまった。
この女は男だったのだ。女装した男ということなのだろうか。わからない。そんなことは吉良にとってはどうでもよかった。
(お、おっきい♡♡あんなの入らない♡♡でもおちんぽ欲しい♡♡ナカずぽずぽされたい♡♡)
「ポポポポ(これ、入れてもいい?)」
「挿れて♡♡それ早く挿れて♡♡俺のけつまんこに挿れてずぽずぽ犯してください♡♡」
呂律の回らない口でそう叫んだ。とにかくソレが欲しくてたまらない。吉良のアナルは媚びるようにひくひくと収縮した。
「ポポポポ(入れるよ)」
「あ゛あ゛ッッ♡♡やら、ぁ……っ!!おっきすぎる♡♡けつまんこ壊りゅ♡♡」
ミシミシという音が聞こえそうなほど、大きなペニスが吉良の狭いナカに挿入される。ぐいぐいと腰を引かれ、やっと先端が入った。
「ポポポポ」
「お゛ッ♡!お゛お゛ッ♡♡けつまんこ気持ちいい〜〜〜ッッ♡♡ナカじゅぽじゅぽありがとうございます♡♡」
肉壁を掻き分け太いカリ首が前立腺を擦る。その度に強烈な快感が身体を駆け抜け、吉良は涎を垂れ流しながら叫んだ。
「乳首だめッ♡乳首とナカ同時に触るのやらぁ♡♡おかしくなる♡♡」
「ポポポポ」
女が微笑む。その瞬間、どちゅんとペニスが奥に進められた。
「あ゛あ゛〜〜〜ッッ♡♡おちんぽ深くに入った♡♡おちんぽおっきくてけつまんこ壊れる♡♡」
「ポポ」
ばちゅばちゅ♡と挿抜が激しくなる。太いペニスが肉壁を擦り前立腺を押しつぶす。強烈な快感に吉良は身体をビクビクと痙攣させた。
「や゛だぁッッ♡♡お゛がじぐな゛る゛ッッ♡♡お゛ぢん゛ぽぎも゛ぢい゛い゛〜〜〜ッッ!!!」
吉良の喘ぎ声はもはや獣の咆哮と化していた。野太い声で喉が張り裂けそうな程叫ぶ。
「あ゛あ゛ッ♡♡イグッ♡♡イ゛キ゛ま゛す゛ッッ!!お゛、お゛お゛〜〜〜〜ッッ!!」
ばちゅん♡と奥を強く突かれ目の前に星が飛んだ。その瞬間、吉良のペニスから白濁が勢いよく吹き出す。
「ポポポポ」
「あ゛あ゛ッッ!!待って!待って!!おれ、イッたから!!とま、、って!!とまって!!」
イッたばかりで敏感になっているナカを容赦なく突かれ、吉良は泣きながら叫んだ。化け物は手加減をしてくれないらしい。顔面は涙と汗と涎でもうドロドロだっだ。
「お゛お゛〜〜〜ッッ♡♡ま゛だイ゛グ♡♡!!」
どぴゅ♡と、時間を空けずに再び吉良の性器から精液が飛び出した。それでも女は挿抜をやめない。むしろ激しくなっていく。
「あ゛ッ♡あ゛ッ♡♡ばげじい゛ッッ♡♡も゛ゔや゛だッッ♡♡げづま゛ん゛ご壊れ゛る゛ッッ♡♡」
激しくナカを犯され、もう吉良の頭は正常に働かなくなってしまった。壊れたテープのようにひたすら淫語を叫び続ける。
「ザーメンッ♡♡おれのけつまんこに♡♡ザーメン注いでくださいッッ♡♡」
「ポポッッ!」
どぴゅ♡と吉良の体内に熱いものが注がれる。その感覚も気持ち良くて吉良の身体はビクビクと震えた。
「ポポポポ」
「ひゃあッッ♡♡」
女は吉良を宙吊りにしたまま180度回転させ、背面駅弁の形にする。そして後ろから手を回し乳首をくにくにと弄り始めた。
「お゛お゛ッッ!!乳首やだッッ♡♡乳首くにくにしないでッ♡♡あ゛ッ♡ナカ突かないでッ♡♡ナカぎも゛ぢい゛い゛ッッ!!」
気持ちいい。ただひたすらに気持ちがいい。
全身がガクガクと痙攣する。今まで感じたことのない快感に、吉良の頭は完全に壊れてしまった。
「あ゛あ゛〜〜〜♡♡イグッ!!イグゥ〜〜〜ッ♡♡!!」
性器からは何も出なかった。射精を伴う絶頂よりもずっも深くて頭がふわふわするような快感。ドライオーガズムだ。
(メスイキした♡♡こんな化け物に犯されて俺、メスイキしてる♡♡気持ちよくて頭バカになりそう♡♡)
女はお構いなしに腰を振り続ける。メスイキしたばかりでバカになっている身体には酷な刺激だ。わけもわからないまま吉良は叫び続ける。
「や゛め゛ッッ♡♡お゛ッッ♡♡」
後ろからばちゅんばちゅん♡と前立腺を擦り上げられ目の前がチカチカとする。そんな間も女は両手で乳首をギュッと摘んだり、くにくにと転がしたりする。
「イ、イグッ♡♡!!またイグッッ!!乳首とナカ犯されてイッちゃうッッ♡♡!!お゛お゛〜〜〜ッッ♡♡♡!!」
吉良の身体が仰け反る。また絶頂してしまった。一度ドライで飛んだ身体は簡単にイくようになるらしい。
「も゛ゔや゛だッッ♡♡ごめ゛ん゛な゛ざい゛ッッ♡♡許じでぐだざい゛!!あ゛〜〜〜ッッ♡♡」
自分の絶叫が廃倉庫に反響する。しかしもう吉良の耳には届かなかった。
「ポポポポ」
「お゛お゛!!おちんぽきもちいいッ♡♡おちんぽだめぇ〜〜〜ッッ♡♡」
「ポッ!」
どひゅ♡とまた女の熱い精液が吉良の腸内を侵していく。人間の5倍ほどの量の精液を流し込まれ、吉良の腹はぽっこりと膨れてしまった。
「あ゛、あ゛……♡♡」
がくり、と吉良の身体から力が抜ける。
「ポポポポ(また会いましょう)」
そこで吉良は意識を手放した。
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