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探偵と刑事と四時△

 エドワード・ウィルクスの声が出なくなった。  女子大生が殺害された事件の捜査でいつも以上に疲労が蓄積されているというのは、いっしょに暮らしているシドニー・C・ハイドも気がついていた。それでもこの若い刑事は大丈夫ですよと言って、毎日熱心に駆けまわった。その甲斐もあって一週間で犯人を挙げることができたが、肩の荷が降りた翌日、高熱を出して倒れてしまった。捜査中から風邪気味だったのだが、気を張っていたのが緩んだことで症状が激しく出たらしい。  ベッドの中でぐったりしているパートナーを見てハイドは看病しようと決めたが、あいにく仕事ができてしまった。依頼人は亡父の友人で、私立探偵をはじめたころに資金を援助してくれた人物なので、断れなかったのだ。付き添おうか、と申し出てくれた友人たちもいたが、みんなそれぞれ家庭があったり、妊娠中だったりして、ウィルクスもハイドも遠慮した。結局、二人の友人のマダム・ノートンが看病に来てくれて、ウィルクスは四日で快方に向かった。  そして現在、声が出ない。  平熱に戻り、激しく咳きこんでいたのも今はおさまっている。喉の腫れもない。しかし口から漏れるのは呼吸の音だけだった。肺炎にもなっていないし、焦らずしばらく様子をみましょう。ドクターに言われて、ウィルクスは漢方薬をもらって帰ってきた。ちなみに、いっしょに診察室に付き添ったハイドは医者から「精神的なものかもしれません」という説明を聞いた。  ウィルクスは職場に復帰したが、声が出ないため事務処理にまわった。黙々とパソコンのキーボードを叩き、定時に帰ってくる。  職場でも家でも意思を伝える方法はジェスチャーと筆談である。彼は最初、ペンとメモ帳を持ち歩いていたが、スマートフォンのメモ機能も使うようになった。会話の相手と頭を寄せてメモやスマートフォンを覗きこむのはなかなか大変で、負担だった。ウィルクスは言いたいことを早く伝えなければと焦って気を張っているので、同僚たちもハイドも彼にゆっくりでいいからと声を掛けるようにした。特にハイドはゆったり構えて、ウィルクスのそばに座ったり手を握ったり肩に触れたりすることで、落ち着きを与えたり、言葉以外でコミュニケーションをとろうとした。  声が出ないためウィルクスは苦労したものの、二日は概ねつつがなく過ぎた。  三日目のその日は水曜日だった。もうすぐ八月も終わろうかというころだが、やはりまだ暑かった。日が照りつける午後四時前、ハイドは依頼人に最後の報告をしたあと、ストランド街の自宅に戻ってきていた。  事務所兼居間の扉を開けて中に足を踏み入れた瞬間、部屋が涼しくて驚いた。冷房を切り忘れたのかと思ってエアコンに視線をやり、その目をふと窓ぎわのソファにやると、そこにウィルクスがいたのでさらに驚いた。彼は半袖になったネイビーのカットソーに、ベージュのチノパンツという格好で、開いた本を手に座っていた。  ハイドはすぐに思いだした。昼から早退して病院に行くと今朝がた言っていた。探偵はドラッグ・ストアに寄り道して買った絆創膏や洗剤のボトルやビールを袋のまま床に置き、ウィルクスのほうに歩み寄った。刑事は視線を上げてハイドを見つめた。背後のブラインドは開いたままで、日差しがウィルクスの背中を照らしている。 「暑くないか?」  ハイドが尋ねながらソファの横に座ると、ウィルクスはこくっとうなずいた。 「病院はどうだった?」  ウィルクスはパンツのポケットからスマートフォンを取りだし、メモに「急用で休診でした」と打った。ハイドはうなずいて「残念だったな」と言い、そっとパートナーの肩に手をまわした。一度きつく抱いて手を離し、頭を撫でた。茶色の短髪を指で梳くとウィルクスはますます彼を見つめた。 「二人でゆっくりするのはひさしぶりだな」ハイドは髪を撫でながらにこにこして言う。 「きみもぼくも仕事で忙しかったし、きみは体調も崩していたから……。結婚したが、お互い顔をあわせない日もあるし。……暑苦しいか?」  ひっついたままハイドが尋ねるとウィルクスは首を振った。手を握ってくるので、年上の男はそれをよろこび、安心した。握り返して焦げ茶色の瞳を見返し、「具合は?」と尋ねる。それから「声以外は元気になったか?」とつけ足して、ウィルクスが答えやすいようにした。  刑事はうなずいてハイドの瞳を見つめる。いやにじっと見つめてくるので、ハイドはなにか訴えたいことがあるのだろうかと思った。顔を覗きこむと、しかしウィルクスは目を逸らした。膝に乗せた本をさりげなくソファの向こう側に押しやろうとする。ハイドがちらりと見ると、それはジャン・ジュネの『泥棒日記』だった。  泥棒で同性愛者の著者の自伝的小説だったかな、とハイドは記憶をたぐる。読んだことはないが、「犯罪者と警察官は男らしさの二極」などという引用をどこかで読んだ。同性愛者の性愛についても赤裸々に書いてある、という話も聞いたことがある。ウィルクスは本を遠くにやると、ふたたびハイドの目を見つめた。首を傾げた彼の腿に、ウィルクスは片手を乗せた。  その時点でハイドはわかっていたが、ふいに焦らしたくなった。 「どうしたんだ?」と笑顔で尋ねる。  ウィルクスは目を細め、スマートフォンに触れようとしたが、しかしその手を止めた。じっとハイドの目を見つめる。 「疲れたのか?」ハイドが優しく尋ねる。ウィルクスは首を振った。 「腹が減った? レモンのパウンドケーキがあるから、おやつにしようか」  ウィルクスはまた首を振った。ハイドは考えこむ顔をして、「煙草?」と尋ねる。 「ドクターから止められているから、まだ我慢しないと。その代わりのガムをあげるよ。仕事机の上に置いてるから、ちょっと待って――」  ハイドが腰を浮かせようとすると、ウィルクスは彼の手を握って引き留めた。ハイドが座り直すとウィルクスは思い詰めた目で彼を見つめ、それから手をそっと夫の脚のあいだに押し当てた。  凛々しい面立ちをこわばらせ、眉を吊り上げ、しかし目は逸らさずじっと瞳の中を覗きこんでくるウィルクスに、ハイドは唇に浮かぶ笑みをこらえる。心配げな顔で「どうしたんだ?」と尋ねてみた。  ウィルクスの頬骨のあたりが内側からじわじわ赤くなる。目を逸らし、スマートフォンをとろうとする素振りを見せたがそうせず、またハイドの目を見つめて顔を寄せた。相手の様子を確認しないまま、ウィルクスはゆっくりパートナーの唇に唇を押し当てる。舌で舐めると顔を離し、ハイドの脚のあいだに重ねた手のひらをやや強い力でさらに押しつけた。白いスラックスの比翼の上から押しつけているので、ウィルクスはなによりもジッパーの硬い手ごたえを感じた。それでもその下に確かに膨らみを感じる。  それでもなにも言わないハイドに、ウィルクスの目はうるんできた。彼は頭を下げて、布の上から夫の股間に口づけた。 「したいのか?」  頭上に穏やかな声を聞いて、ウィルクスはしばらく固まったのち、ゆっくり顔を上げた。ハイドの薄青い瞳は輝いている。まだ穏和で、欲情はそれに紛れていた。ウィルクスは耳まで赤くなったまま目を逸らし、それからもう一度、じっと見つめてくる青い目を見つめ直してうなずいた。 「じゃあ、しようか」  優しい低い声がウィルクスの耳を犯し、脳を蝕んだ。声は肉体の中に流れ込み、感染力の強い菌のように繁殖しはじめる。  ハイドがそっと口づけるとウィルクスは唇を開いた。互いに舌を触れあわせると、ウィルクスはいつも喉の奥がぞわぞわとむず痒くなる感覚を覚える。燃えるなめくじがゆっくり這いあがってくるように、粘性の快楽がのぼってくる。同時に下腹部に血が巡って、頭の中がぼんやりしはじめる。彼は貪るように舌を深くもぐりこませた。  ハイドはキスを繰り返しながらパートナーのカットソーに手をかける。裾から手を入れてめくりあげ、平らな腹や背中の窪みを撫でる。脇腹に這わせた手のひらを上に向かって撫であげると、ウィルクスが身じろぎした。苦しそうに息継ぎし、しかしハイドがわざと卑猥な音を立てて舌を吸うと、負けずに食い下がってくる。  ハイドは這わせている手をさらに上に進め、カットソーを胸板の上までめくりあげた。両方の突起を柔らかくつまむとウィルクスの喉が鳴る。それでも声は出ない。  おれの恋人は世界一可愛い、とハイドは思った。自分がついにそんな世界にまで来てしまったことを冷静にかえりみながら、それでも、大好きだからしょうがないと思う。言葉を交わさず声が出ないぶん、二人は密になった。  キスを繰り返し、尖った乳首を両手の指でつまんで転がすと、ウィルクスは体をくねらせそうになるのをこらえてハイドの首筋に両腕をまわし、体を密着させようとする。やや強く乳首をつねられるとウィルクスはぴくっと跳ね、両方の腿を互いにもぞもぞと擦りあわせた。  ハイドが唇を離すとウィルクスは彼の体を抱き寄せる。刑事は赤い顔で目を伏せ、もうすでに呼吸が荒くなりはじめている。ハイドがちらりと見ると、ウィルクスの脚のあいだではすでに、パンツの布が下から押し上げられて張っていた。  そこはあえて触らず、ハイドは頭を下げ、パートナーの胸に顔を寄せて尖った場所を舐めた。さくらんぼの種のように丸く勃起した頭を舌で潰し、軽く吸うとウィルクスの背がのけぞる。震える呼吸が漏れ、彼はなんとか手を伸ばしてブラインドの紐を引いた。ジャッという音と共に外の明るい景色が遮られ、ハイドは今がまだ午後四時であることを思いだす。  乳首を上の歯で引っ掛けて軽く噛み、色の薄い乳輪をなぞるように舌先を這わせると、ウィルクスは彼の首筋を抱く手に力を込めた。  ハイドは最初、男がこんな小さな場所で感じるのだろうかと半信半疑だったが、それでも興味があったので毎回愛撫を続けてみると、恋人はどんどん敏感になっていった(素質もあったのだろう)。小さな頭も以前より少し大きくなった気がする。硬くなって、ぷくぷく腫れて可愛かった。歯を押し当てて軽く噛むと、ウィルクスの手が震えながら自分の脚のあいだに伸びた。  その手をハイドがつかんで握ると、ウィルクスはぶるぶる震えた。口の端から唾液が垂れ、欲情で曇った目が朦朧としはじめている。ハイドは真っ赤になっている彼の耳に唇を押し当て、「試してみるか?」とささやいた。ウィルクスが身じろぎすると、ハイドは手を握ったままさらにささやく。 「乳首だけでいけるか」  ウィルクスは首を横に振り、訴えるようにハイドを見つめる。年上の男の中に棲む好色な狼が舌なめずりした。ハイドは優しく微笑み、充血し尖った乳首を指先でそっと弾く。ウィルクスの背がのけぞった。本当にこれだけで射精するかもしれない、とハイドは思った。それを無性に見てみたくなった。手をウィルクスの腰にまわし、パンツのボタンを外してジッパーを下ろす。ウィルクスは食い入るように彼の大きな手を見ていた。冷房が効いているのに、彼らはすでにびっしょり汗をかいていた。  ハイドは両手でコットン・パンツのウエスト部分をつかむと、「腰を浮かせて」とささやいた。ウィルクスは口を半開きにしたまま、魅入られたようにハイドの両手を見ている。もう一度「腰を浮かせて」とささやかれ、彼は従った。 「エドはいい子だね」  あやすようにささやいて、ハイドはチノパンツを足首まで引きずりおろした。丁寧にスニーカーを脱がせ、そのあとパンツも脱がせて床に落とす。ハイドが目をやると、グレーの迷彩柄のボクサーパンツには濃いシミが広がっていた。 「もういったのか?」  優しく尋ねるとウィルクスは首を横に振る。あいかわらず口が半開きで唾液が垂れ、真っ赤な顔で泣いていた。ふだんの凛々しい面立ちが崩れさっていることにハイドは強く心動かされる。愛おしいという思いが胸の奥底に湧きあがりながら、性欲の炎がそれをあっさり燃やし尽くした。  そっと手を伸ばし、シミが濃く浮かびあがる張りつめた部分を指先で軽く押した。ウィルクスの体がびくっと跳ねる。  ハイドは彼の様子を眺めながら人差し指の先でそこを軽く擦った。濡れた音がくちゅっと淫らに鳴って、ウィルクスの喉が上下する。昂ぶった性器の中で爆発的な熱が起こり、マグマを孕んでいるように体が燃えて苦しみに苛まれた。解放したくてたまらないが、それをしてくれるはずのパートナーはすぐに指を離した。  ハイドはボクサーパンツのウエスト部分を片手でつかむと、もう片手をウィルクスの腰に添えて、浮かせるよう伝える。下着をゆっくり下ろすと、昂ぶった肉塊が糸を引きながら身をもたげた。ハイドはさらに膝下まで下着を下ろすと、ちらりと無残な肉塊を見下ろした。 「……ぐちょぐちょだな」  つぶやいてウィルクスの顔を見ると、彼は胸を波打たせて引きつる呼吸をしていた。痛々しいほど赤くなり、胸までめくれあがったカットソーを両手でぎゅっと握りしめて、呆然と自分の脚のあいだを見ている。  やりすぎたかな、とハイドは思った。ウィルクスは興奮と羞恥が極限まで高まると、過呼吸に近い呼吸になる。過呼吸ほど酷くはならないが、それでも明らかにおかしくなる。彼はふいに硬直状態から解けると、突然狂ったように身を起こして自分の脚のあいだを触ろうとした。  それよりも早くハイドが手を伸ばしてそこに触れると、ウィルクスの体から力が抜けた。ハイドは身を反らせた性器を柔らかく握り、上下にゆっくり一回擦りあげた。ウィルクスの顔が弛緩し、目がどろりとする。内腿と爪先が痙攣し、彼は脚を開いた。震える両手が自分の乳首に触れる。ハイドは欲情で据わった目で微笑んだ。 「エドは変態だな」  ささやくとウィルクスの胸が波打ち呼吸が狂いはじめたので、ハイドは優しい声でさらにささやいた。 「大丈夫だよ、エド。淫乱で変態のきみが好きだ。外ではいつもきちんとしてるんだから、大丈夫だよ」  ハイドは手を伸ばしてウィルクスの顎をとらえ、欲情でただれた目を覗きこみ、性器を握るもう片手をゆっくり上下させる。手の中で、反りかえったものは涎れを垂らしながら痙攣しはじめた。ハイドは手を下にすべらせ、根元をきつく握った。ウィルクスの体が跳ねる。 「もうだめか?」  握ったままハイドが静かにささやくと、ウィルクスは虚ろな目でうなずいた。 「じゃあ、一度すっきりしようか。そのあとで……」  ハイドが目を覗きこんで言うと、ウィルクスはだらしなく緩んだ顔のまま、首をがくがく縦に振った。目を細め、ハイドは手の力を緩める。二人は黙って見つめあった。  そのとき、階段をのぼる足音と人の声がはっきり聞こえた。 「ミスター・ハイドー。いますかー?」  二人はその場に凍りついた。見つめあう目が四つとも見開かれているあいだに、足音と声はどんどん近づいてくる。 「いないんですかー? すみませーん、ヤードのハーパーとストライカー刑事ですがー」  ハイドは瞬時に我に返った。  彼は「エド、腰浮かせて」と極限までひそめた声で命じた。ウィルクスが恐慌状態で腰を浮かせるとハイドは素早くボクサーパンツを引き上げ、元通りに履かせた(ウエストのゴム部分がねじれていたが無視した)。それから急いでチノパンツも引き上げ、履き直させる。さらにカットソーをきつく握りしめているウィルクスの手を離させ、服を下ろす。臍のあたりで絡まっていたのを直すと、スニーカーを履かせる時間はなかった。  扉にノックの音がして、二人は息をひそめる。静かすぎたのがいけなかった、とハイドは思ったが、いや静かでよかったんだと思い直す。いくら新婚で抒情酌量の余地があるとはいえ、午後四時からエドが喘いでいるところを彼の同僚に聞かせるわけにはいかない。  このまま黙っていたらやりすごせるかと二人は期待したが、「いないんですかー」という声とともにドアノブが回ったのを目撃して、観念した。 「いますよ、ハーパー刑事とストライカー刑事!」  ハイドは声を張りあげるとウィルクスの頭を後ろから抱え、そっと顔を伏せさせた。 「すみません、ご相談したいことがありまして……」と言いながら刑事たちは部屋の中に入ってきて、窓際のソファにいる二人に気がつき目を丸くした。 「なんだウィルクス、具合悪いのか?」  ハーパーが心配そうな顔をして身を乗りだし、その後ろで枯れ木のようなストライカーは目をぎょろぎょろさせた。ハイドは落ち着いた声を出そうと意識して、成功した。 「また熱がぶり返したみたいなんです」と彼が言うと、ウィルクスは顔を伏せ、脚をちぢめて胸の前で両手を握った。  刑事たちがソファの前に寄ってくる。真っ赤になっているウィルクスの首筋と耳を見て、同僚たちは心底心配した。 「ベッドに連れていきます」  ハイドが言うと、気のいいハーパーは「運ぶの手伝いますよ」と申し出る。探偵は首を振った。 「大丈夫ですよ、ぼく一人でも運べます。えーと……ス、ストライカーさん、扉開けててくれますか?」  ストライカーがうなずいて事務所の扉を開けに行くと、ハイドはウィルクスをそっと横から抱えあげた。 「ミスター・ハイド、かっこいい」  ハーパーがつぶやくと、ハイドは汗を浮かべながらも愛想よく微笑む。ウィルクスは顔をハイドの胸のほうに向けて、きつく目を閉じていた。  ハイドはそのまま大股で歩いていく。彼の下半身も常時とは違う状態になっているが、気にしている場合ではなかった。扉のところでストライカーとすれ違うとき、皮肉屋の刑事は「新婚だったな」とぼそっとつぶやいた。ハイドは思わず姿勢を正して「はい」と答え、刑事たちのほうは振り返らず三階に続く階段を一心不乱にのぼっていった。  階段の途中でウィルクスの体がびくっと跳ねて、いってしまったんだなとハイドはしみじみ思った。涙を浮かべて緩んだ焦げ茶色の目と目が合って、妙に愛おしくなった。  その後、声をとり戻したウィルクスは『泥棒日記』を禁書にした。「あれは危険です」と怒った顔で言ったので、いつかまた媚薬代わりに使おうとハイドはこっそり思った。  そのときは、またいつものように喘いでほしい。

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