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第34話

 その夜夏からラインがきた。 加藤に話しをつけたから、今度の土曜日のお昼過ぎ使えると! やった!ワァオ~緊張するなぁ……下調べ下調べ、 そりゃ念入りに為ないと……必要なものは~なんだ? ネットを見ていたら~興奮して眠れなくなってしまった。  翌朝~眠い目を擦りながら、いつもの場所へ行くと、夏の目が真っ赤だ。 「どうしたの? 目?」 「夕べ興奮して眠れなかったっの。 幸だって物凄く眠そうだけど?」 「俺は勉強為てたの!」 「幸が勉強? 嵐がくるよ!」 「へへへ~土曜日の下調べだよん」 夏は恥ずかしそうに俯く。 なんだよ! 可愛い! キュンキュンする。お~いいなぁ~この表現。キュンキュンするぞ! 俺は! 「楽しみだね……夏?」 黙って頷く夏。 堪らないんだ。肩が触れあうだけで。 腕を軽くぶつけ合い、手の甲が当たるだけで。 それだけで胸が痛くて。苦しいんだよ。 友達が声をかけてくる。 でも……歩調はふたりのリズムを崩さない。ギリギリまで離れたくないんだ。 唐突に言葉だけが絡み合う。 「じゃっ」 「じゃっ」 今日も始まるんだ。 君を探して、君の声に振り向き、 君の瞳を見つめる。 好きなんだ……理由なんてない。 俺たちは始まったばかりだ。 気づいたら……ただ、ただ。 好きになっていた。 終わり

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