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「こんにちはー!」
「あ、村園だっ!やほー!」
「こんにちは、村園くん」
僕が先輩の背中を押した、あの日。
緑色の薔薇が指輪を見せ合って、校長先生に返しにいったらしい。
学園の生徒たちは驚いてたけど、今じゃもう見慣れてなんともなくなってる。
2人は本当にお似合いで、側から見ても会話とか色々面白い。
「先輩、この前のテストどうだったんですか?」
「ふふふ聞いて驚くことなかれ……
なんと、志望校狙える判定でしたっ!!」
「えぇ本当ですか!? すご!」
「そうなの!私もめちゃくちゃ嬉しくてっ!
さぁさぁもっと褒めてくれていいんだよ村園くん!」
「あぁいや、僕ここまででいいカナー?」
「えぇぇ!?」
「クスクスッ」
薔薇を手に入れた運命の人は、本当に強くなる。
それは薔薇も同じで、これからもふたりは絆を固め合ってていくんだろう。
最近ますます仲良くなっていくのを見ながら、頬が緩む。
あの日しっかり泣いたおかげで、気持ちの整理はばっちりできた。
今はただ純粋に2人のことが好きで、邪魔にならない程度に一緒に居させてもらってる。
「気使わなくていいから!村園いないと寂しいし、これからもここにいて欲しいし」って先輩も言ってくれるし、三船先輩も「好きにして大丈夫だよ」と話してくれた。
僕もいきなり距離が開くのは嫌だったし、だからせめて受験で忙しくなるまではここに通おうかなと思う。
(将来は社長と社長夫人か……)
ん、あれ? 夫人ってこの使い方あってるっけ?
違うな、確かこれ女性に使う言葉だ。
えぇっと、両親の会社を継ぐから先輩が社長になるでしょ? だから三船先輩はその旦那さんで、だから先輩は……
ってか、もしかして婿養子になる?
んんんーその辺はよくわからんな!専門外!!
(まぁ、また将来聞けばいいや)
「っしゃ、今日も勉強がんばるぞー!」
「おぉーファイトですよ!」
「あぁぁ私の元気の源が応援してくれてる。頑張れる私、今なら百人力っ!」
「わー本当に? それなら今日はいつもの2倍くらいしてもいいかな?」
「ぁ、いや三船…それはちょっと……」
「あははっ!」
今日も、先輩たちと話をしながら
ゆっくりと本のページを開いた。
僕の名前は村園。
所詮は村人Aか、その辺のモブみたいなただの傍観者。
けど、こんな僕でも僕なりにこの学園を楽しんでいるから
これからも僕は、僕らしく過ごしていこうと思う。
(ふむ、3つ目は緑色の薔薇じゃったか。三船くんは助けもあってようやくたどり着けたようじゃな)
(あの子には辛い役回りをさせてしまったの。
じゃが、まぁ待っておりなさい。大丈夫じゃから)
(ーーさて、次は何色かな?)
***
[緑色の薔薇の花言葉]
穏やか・希望を持ち得る
今回は薔薇でもなく運命の人でもない傍観者視線からの話でした。緑色はこうしたいなと思ってました。
村園が話してる漫画、分かる方いますでしょうか?自分も大好きな漫画です。よかったら探してみてください。
次はこの話にだいぶ出てきてますね、白色です。いよいよ雪ちゃんの登場だ。
白薔薇の運命の人は「時期生徒会入りが決まってる」としか表記していませんでしたが、先日Twitterでアンケートを取り役職が「生徒会長」となりました。
引き続き追っていただけますと幸いです。
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